無形固定資産の償却期間

無形固定資産の種類と償却期間についてです。

【無形固定資産】

固定資産は、使用目的の資産です。

そのうち実体のない（無形）の資産が「無形固定資産」です。

無形固定資産には、（１）法的な権利（特許権、商標権等）、（２）のれん、（３）ソフトウェアがあります。

昔は、無形固定資産といえば、必ず〜権と、最後に「権」がついたんでわかりやすかったです。

今は、これに「のれん」と「ソフトウェア」が加わっているのでうまく整理できないのが残念です。



【償却期間】

のれんは、20年以内で定額法等により償却します。

その他の法的な権利に関しては、指示された償却期間で、通常、月割償却します。

「期割」と「月割」の使い分けは、問題の指示を最優先すべきです。

減価償却同様に月割計算が多いです。

問題の指示がない場合は月割計算でいきましょう。

ソフトウェアについては、別途触れます。



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Comments

[1. 鉄]

こんにちは。いつも楽しく勉強させていただいております。
質問があります。
のれんの償却方法がいまいちよくわかりません。
会社法により、年割償却という考え方はなくなったと教わったのですが、のれんは年割のままなのでしょうか？年割、月割は定まっていないのでしょうか？

[2. 講師]

鉄さん、こんにちは。
ご返事が遅くなってしまってすいませんでした。

年割（毎期均等額以上の償却）がなくなったということは、特に定めがなくなったということでよろしいかと思います。
合理的に計算しろということになるかと思いますが、通常は問題に指示されるか、指示がなければ、月割というのが一般的になるのではないかと思います。

[3. 鉄]

いえいえ、お返事いただきありがとうございます。法規集を読みましたら、定額法と書いてあったので、気になって質問しました。
定額法といったら基本月割りということですね。ありがとうございました。

[4. ことら]

新概念としての「のれん」と旧概念としての「営業権」に関して、質問させてください。

「のれん」は買収等のときの投資額と純資産価額との差額（ブランド価値評価なんかも含む）のみをいっていると思うのですが、旧「営業権」はこの投資差額のほか法律的な権利（法人税法基本通達7-1-5にあるような、登録権利、ナンバー権など）を含んでいたと思います。

これらの法律的な権利は現会計基準でも営業権として残されて、営業権という勘定科目を使ったりすることがあるのでしょうか。
記事にも少し触れられていますが、法的権利がどうなったのか、その行方が気になります。

[5. 講師]

これは私もどんな関係なのか（今でも）気になっています。

基本通達があったんですね。
通達で営業権という言葉を残している以上、それらを単独で購入した場合なんかは営業権を想定していると考えるのが自然かと思います。

実際の実務等は残念ながらよくわからないのですが、企業結合基準の注１９に「営業権のうちのれんに相当するものは、のれんに含めて表示する」（一部略）とあります。
前提としては「のれんに相当しない営業権」がないと文章として成り立ちません。
今も営業権という科目が出てくる可能性はアリということでよいのではないかと思います（ものすごくレアケースだとは思いますが）。

[6. ことら]

そういうことですね。
営業権がのれんに化けた？的な捕らえ方をしていたのが、躓きの一歩でした。
新設分割、分割型分割のイメージですね（また訳のわからないことを）。
残ったものは、しょぼしょぼで特筆するほどのことでもないので言及しないよってことでしょうね。

法人税法の従来の営業権と資産負債調整勘定の規定も、これで幾分すっきりしました。
有難うございます。
計算演習は先生に促されていますので、できるだけ頑張ります（最近週末だけになっています）。

[7. 講師]

入り口の話としては、営業権→のれんでいいんだと思いますが、厳密には違うというのがなんとも微妙ですね。

私も最初はそう思っていて（今でもそんな感じで話してしまうことが多いですが）、注１９を読んで？？？と思った記憶があります。
でも通達はみてませんでしたので、おかげさまで少し考えが進みました。

でも、分割型分割は日本語としてどうなんでしょうね（山本山みたいな←違うか）。
似た制度なんかがあるときに分岐の元になる考え方のイメージがわくとスッといったりするんですが、なかなかです。
あっ。やっぱこっちのがおもしろいですけど、簿記は演習もって感じですね（←また言ってる）。

[8. ことら]

分割型分割という言い方、考えてみると確かにおかしいですね。
最初の分割型の分割の意味と、後の分割の意味が全然違っているのに、こういう並べ方されると、ますます何のことか解らなくなってしまいます（山本山の最初の山と後の山には違いがあるのかどうかわかりませんが）。

会社法で人的分割が直接できなくなり、物的分割+剰余金の配当となったことにより、物的分割と人的分割という使い分けはされなくなっているので、今は分社型と分割型という使い分けしかないわけですね。
だったらいっそ、分離型分割とでもいってもらったほうが分かり易かった。

[9. 講師]

分割はなんかわかりにくいですね。
制度ができたときにずいぶんやった気がするんですが、気のせいだったようです（なんじゃそりゃ）。

呼び名は案外大事で、最初のイメージのようなものを私も（受講生も）もってしまうので、もう少しなんとかならなかったかなとは思いますね。
ネコ型ロボットならドラえもんとわかりますが、ロボット型ロボットといわれている感じで（意味不明ですいません）。

分割はそもそも当事者がたくさんいてイメージがわきにくいです。
分離型分割の方がよかったかもしれないですね。

[10. ペンは剣より強し]

先生こんばんわ。

無形固定資産について質問です。
「公共施設利用権」「共同施設利用権」「建物賃借権」の利用権は、無形固定資産ということを、財表の計算で学習しました。

これは、納得なのですが、説明文章で引っ掛かるところがありました。以下のカッコ部分が抜粋です。
「税法固有の繰延資産であり、会計上は、これらを各種の利用権と解し、無形固定資産として取り扱う」

私は○○権　は、「無形固定資産」と理解していて何も今まで問題を解いていても支障は無かったのですが、”税法固有の繰延資産”というキーワードを見て少し動揺しています。これは一体どういうことでしょうか？

指導よろしくお願いいたします。

[11. 講師]

ペンは剣より強しさん、こんばんは。

企業会計上の繰延資産は、５つに限定されています。
税法では、これよりも広いです。
実際にも、性格的に一番近いのは繰延資産かもしれませんが、これは限定されているのでムリです。
となると無形固定資産か長期前払費用くらいしかありません。

いずれも積極的な規定等がある訳ではありませんので、いずれかにもっていく以外に方法がなく、このあたりは問題の指示次第という感じではないかと思います。

共同（公共）施設利用権などは無形固定資産の方が近い気がしますが、資産を賃借するための権利金などは長期前払費用の方が近い気もします（このあたりは微妙ですが）。
ただ、そこまで立ち入るのも何でしょうから、税法上の繰延資産は、全部、無形固定資産でいいよといった感じの指示ではないかと思います。
そもそもこれらの利用権等は必ずしも法的に保護されているまっとうな無形固定資産とは異なるけど、無形固定資産にしといてねという感じでしょうか。

[12. ぺんは剣より強し]

先生こんばんわ
分かりました
ありがとうございます

[13. ペンは剣より強し]

先生こんにちわ。

「特許権」と「特許権使用料」の違いに関する質問です

特許権は、学習したところによると
１．自社で取得した特許権
２．他社より購入した特許権
のおおむね２つあるようです。
そして、BS・PLに計上するところまで理解できています。

そこで、工業簿記で出てきた「特許権使用料」と上の２．の「特許権」とが混乱しています。(特許権使用料は、”製造原価報告書”の経費に表示のようです。）
「特許権使用料」と「他社より購入した特許権」は、別物なんですか？

他社の特許は購入しただけでは使用できず、別に特許権使用料まで取られるってことでしょうか？
なんかすごくぼったくりのような気がします。

指導よろしくお願いいたします。

[14. 講師]

ペンは剣より強しさん、こんにちは。

１．自社で取得した特許権
２．他社より購入した特許権
３．特許権使用料

ざっくりとは、
１．→自分で作った場合
２．よそから買った場合
３．よそから借りている場合
ですね。
借りている場合の使用料が３．です。

[15. ペンは剣より強し]

先生おはようございます
了解しました
これで特許権やっと理解できました
ありがとうございます