税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

退職給付引当金

未認過去勤務債務の月割計算

今回は、未認識過去勤務債務の話です。

「未認識過去勤務債務」は、償却開始年には、「月割」もありです。
知っているかいないかの話なので、おさえておいて損はないと思います。

「未認識数理計算上の差異」の償却の償却の開始は、発生年だけでなく、翌年もありました。
「未認識過去勤務債務」と「未認識会計基準変更時差異」は、発生年からのみの償却です。

「未認識数理計算上の差異」と「会計基準変更時差異」については、発生年度の月割計算は、考えられません。
「過去勤務債務」については、退職給与規程の改訂時期次第で、月割計算もあります。

減価償却計算なんかで月割計算を最初にやったときには、結構、「むむむっ」って思ったんじゃないかと思います。
結構なれたなと思っても何か別の要素が絡んだりすると月割を忘れたり、数え間違えたりは結構あるのではないかと思います。

退職給付引当金の場合にも単純にいかにも月割ありという出題だといいんですが、会計基準変更時差異と面倒な数理計算上の差異の計算があったりすると月割計算自体に意識がいかない場合もあるかと思います。

退職給与規程の改定が期首でない場合には、未認識過去勤務債務の月割計算もありというお話でした。


【関連記事】
<テキスト記事一覧>
退職給付引当金の概要
退職給付制度の仕組み
退職給付会計の一連の会計処理
退職給付引当金の計算
退職給付費用の計算
過去勤務債務
数理計算上の差異
会計基準変更時差異

<軽めの記事一覧>
未認識数理計算上の差異の償却開始年
会計基準変更時差異


税理士試験 簿記論 講師日記 全テキスト記事一覧

平成18年 簿記論講座 2月第1回(退職給付引当金)

【チェックポイント】
(1)退職給付会計の一連の流れを把握しよう
(2)退職給付費用・退職給付引当金の計算を理解しましょう
(3)差異の基本的な考え方、計算方法を理解しよう


【退職給付引当金】
(1)概要
1.退職給付引当金の概要
2.退職制度の仕組み

(2)会計処理
1.設定時(期首)
(借)退職給付費用 ××× (借)退職給付引当金×××
2.退職金支払時
(借)退職給付引当金××× (貸)現金預金   ×××
3.年金資産からの拠出時
仕訳なし
4.年金掛金支払時
(借)退職給付引当金××× 現金預金   ×××
※「設定」及び「率等の見積もり」は通常、期首時点

(3)退職給付引当金の計算(貸借対照表:固定負債)……考え方
期末・退職給付引当金……退職給付債務−年金資産
期末・退職給付債務………期末の退職給付見込額の割引現在価値
期末・年金資産……………期首年金資産+期待運用収益額

(4)退職給付費用の計算(損益計算書:販売費及び一般管理費)
退職給付費用…勤務費用+利息費用−期待運用収益
勤務費用………退職給付見込額のうち当期発生分の割引現在価値
       退職給付見込額×1/全勤続期間 → 割引現在価値
利息費用………前期末の退職給付債務の当期分の利息前期末退職給付債務×割引率
期待運用収益…前期末年金資産の評価額×期待運用収益率

(5)過去勤務債務(退職給付債務の増減部分)
1.未認識過去勤務債務……まだ費用処理されていない過去勤務債務
2.償却開始年………………改訂年度
3.配分期間…………………平均残存勤務期間
4.配分方法…………………定額法(残存価額ゼロ)、定率法
5.会計処理…………………退職給付費用××× 退職給付引当金×××
6.一時に費用処理…………特別損失

(6)数理計算上の差異(予定計算と実績の差、予定値の変更)
1.未認識数理計算上の差異……まだ処理されていない数理計算上の差異
2.償却開始年……………………発生年度または翌年
3.配分期間………………………平均残存勤務期間
4.配分方法 定額法(残存価額ゼロ)、定率法
5.会計処理(償却)……………退職給付費用×××退職給付引当金×××
               ※逆もある
6.一時に費用処理………………特別損失

(7)会計基準変更時差異
1.意義……期首退職給付引当金−期首退職給与引当金
2.未認識会計基準変更時差異……まだ処理されていない数理計算上の差異
3.原則……変更時に費用処理
4.例外……期間配分(15年以内)
5.償却開始年……変更年度
6.配分方法 定額法のみ(残存価額ゼロ)
7.会計処理(振替)……退職給与引当金××× 退職給付引当金×××
8.会計処理(償却)……退職給与費用 ××× 退職給付引当金×××
9.一時(5年内)の費用処理……特別損失


【チェック問題】オススメ度(◎→○→△、※は参考)
構造編9(◎)
構造編10(◎)
構造編11(◎)
構造編12(◎)
構造編13(○)

退職給付引当金が気になる理由

基準編問題13(退職給付引当金)

上記問題の解答・解説を補充しておきましたので、ぜひ、ご確認ください。
先月の日商一級(会計学)での出題です。

解答・解説の計算過程を追うのではなく、白紙の状態(退職給付引当金の仕組み)から計算できるようにしておかれるとよろしいのではないかと思います。
退職給付債務の計算、勤務費用の計算は、退職給付引当金の基本的な仕組みの理解には欠く事ができません。
欠く事ができない筈なんですが、退職給付債務・勤務費用は、いわば一人ずつ計算してそれを累計するという形をとるためか、現実的な問題として出題されることはとても少ないのではないかと思います。
そのギャップがやっておいた方がいいのではないかとの予感につながっています。

本ブログでたびたび取り上げている昨年、一昨年の柴先生の出題は、「???」の部分が多いです。
ただ、決してより「細かい点」に向かっているという感じではなくて、むしろ「根っこ」というか「基本的な部分」で触れられることのない点に向かっているように思えます。
その意味でいうと前から気にはなっていたんですが、今回、日商一級での出題をみて、こりゃやっといて損はないなと思った次第です。
というか出る出ないにかかわらず、やはりやっておくべき部分という事なのかもしれません。
というかやっといてください。
よろしくお願いいたします。

税理士試験 簿記論 基準問題13(退職給付会計)

【対象=簿記論】

(問題)
次の与えられた資料にもとづいて問に答えなさい。なお、計算の過程で端数がでる場合は、千円未満を四捨五入しなさい。


甲従業員の入社から退職までの期間を5年、退職時の退職給付見込額を6,000千円とした場合、入社2年目の勤務費用および利息費用はいくらか。なお、割引率は4%とし、その他の基礎率は変らないものとする。

(解答)
続きを読む

税理士試験 簿記論 基準問題12(退職給付引当金)

【対象=簿記論】

(問題)
以下の資料により、当期(第4期)における数理計算上の差異の償却額を問1及び問2の条件に従い求めなさい。
なお、数理計算上の差異は発生年度の翌年より償却するものとし、数理計算上の差異の償却により退職給付費用が減少する場合には、金額の冒頭に(△)の符合を付するものとする。

問1 数理計算上の差異を定率法(償却率0.25)で償却した場合
問2 数理計算上の差異を定額法(平均残存期間8年)で償却した場合

(資料)
第1期に発生した当期首における未認識数理計算上の差異  60,000円
第2期に発生した当期首における未認識数理計算上の差異 140,000円(△)
第3期に発生した当期首における未認識数理計算上の差異 160,000円
△印は、数理計算上の差異の償却に伴って退職給付費用が減少する場合を意味する。

(解答欄)
問1 定率法(     )円
問2 定額法(     )円

(解答)
続きを読む

税理士試験 簿記論 基準問題11(退職給付引当金)

【対象=簿記論】

(問題)
以下の資料に基づいて数理計算上の差異を発生年度から10年で費用処理(定額法)する場合の決算整理後残高試算表を示すとともに当期末における未認識数理計算上の差異の金額を示しなさい。

(資料1)期首試算表【単位:千円】
【貸方】退職給付引当金(各自推定)

(資料2)期中資料及び決算整理事項等
(1)当期首の退職給付債務は200千円、年金資産時価は100千円であり、当期首において未認識の差異等はないものとする。

(2)当期の勤務費用は5千円であり、割引率は3%、期待運用収益率は2%である。

(3)当期中の年金掛金支払額が4千円あり、当期中に年金資産からの退職年金の拠出額が10千円ある。

(4)当期末における年金数理計算上の結果は、退職給付債務が205千円で、年金資産の時価が90千円である。

(解答欄)
決算整理後残高試算表【単位:千円】
【借方】退職給付費用 (   )
【貸方】退職給付引当金(   )
未認識の数理計算上の差異の当期末残高(   )

(解答)
決算整理後残高試算表【単位:千円】
続きを読む

税理士試験 簿記論 基準問題10(退職給付会計)

【対象=簿記論】

(問題)
以下の資料に基づいて、(1)決算整理後残高試算表を作成するとともに、(2)当期末における未認識の過去勤務債務の金額を示しなさい。

(資料1)期首試算表
【貸方】退職給付引当金

(資料2)決算整理事項等
(1)前期末の退職給付債務は120千円、年金資産の時価は50千円である。
(2)当期の勤務費用は10千円である。
(3)割引率は2.5%、期待運用収益率は2%である。
(4)当期首に退職給与規程の増額改訂を行い、過去勤務債務が30千円発生した。
過去勤務債務は当期から10年間で償却すること(定額法)。

(解答欄)
(1)決算整理後残高試算表【単位:千円】
【借方】退職給付費用 (    )
【貸方】退職給付引当金(    )
(2)当期末の未認識過去勤務債務(    )千円

(解答)
続きを読む

税理士試験 簿記論 基準問題9(退職給付会計)

【対象=簿記論】

(問題)
次の資料に基づき、決算整理前残高試算表を作成しなさい。
(資料)
(1)前期末の退職給付債務は400万円、年金資産の前期末の時価は300万円であり、差異等は生じていない。
(2)当期の勤務費用は20万円、利息費用の算定に用いる割引率は2%、年金資産に対する期待運用収益率は3%である。
なお、当期中に年金資産への拠出額として15万円を支払っており、定年退職者に対する退職給付として年金資産から8万円、当社からの直接給付として5万円が支払われている。

(解答欄)決算整理前残高試算表【単位:万円】
【借方】退職給付費用  (   )
【貸方】退職給付引当金(   )

(解答)決算整理前残高試算表【単位:万円】
続きを読む

簿記2級 商業簿記問題11(退職給付引当金)

【対象=2級以上】

(問題)
次の取引の仕訳を示しなさい。

(1)決算に際して、退職給付引当金の当期繰入額100円を計上する。

(2)従業員が定年により退職したので、退職金200円を小切手を振出して支払った。なお、退職給付引当金の残額が、500円ある。

(3)適格退職年金への掛金100円を現金で支払った。

(解答)
続きを読む
オススメ
       <管理人の記事掲載号>  会計人コース2011年9月号-                  会計人コース2008年02月号                  会計人コース2008年01月号                  会計人コース2007年09月号 <管理人の本>
カテゴリー
月別記事
新着コメント
プロフィール

暮木孝司

記事検索
携帯用バーコード
QRコード
リンク
     税理士試験 簿記論 講師日記は、Yahoo!JAPAN登録サイトです       bokironkousiをフォローしましょう         
スポンサード・リンク
bokironkousiをフォローしましょう
  • ライブドアブログ