税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

財務諸表論

財務諸表論 第二問(徳賀先生)予想への道

第一問は伝統的な部分(資本と利益や貸借対照表原則等)に関連させつつ純資産の出題です(←また、いい切りましたな)。
とすると第二問は、会計基準からの出題です。

徳賀先生は引当金関連や研究開発費関連のご研究があるようです。
ただ、平成17年の出題をみて、

「こりゃまだ早いな」

という訳で引当金がはい消えた(←見たんか)。
研究開発費は、平成14年に出題されています。

「むむっ。こっちは5年目か。
どっしよっかなあ。
まあ、来年以降でいいか。
んっ。まだ出題されていない会計基準があるな。
しかも、この試験って、税理士試験だったな。」

!!!

徳賀先生は、税効果会計です(←だから、見たのかって)。

徳賀先生は、財団法人財務会計基準機構(企業会計基準委員会がこの中にあります)の理事をなさっています。
理事というと通常の会社の取締役です。

つい先だって、企業会計基準委員会の西川郁生委員長のインタビュー記事を読みました。
その中で、概念フレームワークの教育的な役割を重視する旨の発言がありました。

!!!

やはり概念フレームワーク色のある出題をなさるのではないでしょうか。
でも、「ああ、やっぱり概念フレームワーク出したのね」とか言われるのは悔しいじゃないですか。
で、直ではないんですね。
繰延税金資産の資産性ないしは繰延税金負債の負債性という角度な訳ですよ。

ふふふっ(←誰?)。

で、ついでの繰延資産もいっとこうかみたいな。

へへへっ(←って、いうか誰?)。

という訳で税効果で決まりです。

でも、ヤマだけに頼っちゃダメだよ。

ヤマはしっかりやる。

やま以外も広く薄く。

約束だよ♪

財務諸表論 第一問(石川先生)予想への道

このところ財務諸表論の第一問の予想をずっと考えていました。
その結果は、やはり純資産です。
このところの第一問では伝統的な部分との関連が大きい出題が続いています。
で、貸借対照表原則(ないしは資本と利益区別の原則)→純資産基準を予想します。

ずーっと考えていたのは、重任の石川先生の出題です。
そもそも石川先生の過去二年の出題がどちらかよくわかりません。
一般的には、第二問といわれることが多いです。
しかし、です。
第一問です(←また、いい切りですな)。

出題の感じや出題のポイントの文章等を考えますと、平成17年と平成18年の第一問と第二問という組み合わせは間違いなさそうです。
私程度の力量では残念ながら出題内容等から出題を考えるまでに至りません。
しかし、平成17年の出題のポイントにおける「ハイブリッド型」の表現は石川先生独特です。
また、著作等を拝見しても第一問で出題されている内容は、むしろ石川先生の関心そのものに思えます。
という訳で、過去二年の第一問が石川先生の出題です(きっと)。

で、過去二年の出題をものすごくじーっと見ていました。
と、一つ見えたことがありました。

平成17年が退職給付引当金の出題です。
平成18年が実現主義です。

これを仕訳で考えてみると、次のようになります。

平成17年 (借)費用××× (貸)負債×××
平成18年 (借)資産××× (貸)収益×××

貸借対照表で示されるもの(財務諸表の構成要素)は次のとおりです。

貸借対照表……資産−負債=純資産(資本)
損益計算書……収益−費用=純利益

資産、負債、純資産(資本)、収益、費用、純利益の6つ(ないは7つ)です。
このうち、平成17年、平成18年で出題されている4つを除く。
と、純資産(資本)、純利益が残ります。
で、この純資産(資本)と純利益を題材にした出題をするのではないかという予想です。

なんかこの予想自体の美しさに惚れました。
なので、実際に出題がなくても私は満足です(←って、予想じゃなくなってますが)。
でも、第一問でホントに純資産きたらビックリです。
しかも利益とセットです。
ビックリです。
ええ。
皆さんも一緒にビックリしましょう!!

という訳で、第一問は、純資産(資本と利益、貸借対照表原則)に決定です(いや、あくまでも予想がです)。

財務諸表論 予想の補足(損益計算書原則)

第一問で、発生→実現ときました。
で、対応や配分もありかなあとは思います。
対応(費用収益対応の原則)や配分(費用配分の原則)の重要性は高いです。
でも、余りにベタじゃないですか。
で、本命からは外しました(←そんな理由なのね)。

もちろん「対応」や「配分」は、動態論(収益費用アプローチ)のいわば「核」です。
ここを抜きにして、動態論や収益費用アプローチがわかった!!などということはあり得ません。
順当に学習をすすめていれば、当然、触れている箇所です。
ノーマークはどんなことがあってもダメです。
大ヤマも当然やる。
けど、試験傾向に左右されずにやらなくてはいけない項目が損益計算の基本原則です。

でも、お願いですので損益計算書原則三連続はやめてください(←誰にお願いしているんだか)。

一安心っと(不安?)。

財務諸表論 予想の補足(キャッシュ・フロー計算書)

石川先生の著作にはキャッシュ・フロー計算書の記述が多いです。
近年にもキャッシュ・フロー計算書に関する論文を発表されているようです。
そのことからもキャッシュ・フロー計算書関連の予想が多くあがっているようです。
ただ、石川先生の出題としてはないのではないかと思っています。
まあ、勘ですが(←勘なのね)。

キャッシュ・フロー計算書自体は、過去に財務諸表論の第三問での穴埋めの出題があります。
簿記論でも平成18年に出題がありました。
その意味では特殊項目から一般項目になっているといえるでしょう。

基本論点はしっかりとおさえておきましょう。
キャッシュ・フロー計算書はキャッシュの「フロー計算書」です。
損益書は財産の「フロー計算書」です。
最終的なCF計算書や損益計算書の形式はともかく、そんな意識が持てると意外にアプローチしやすいのではないか、と思っています。


超短答問題を「財務諸表論講義」というブログに移しています。
全部ではありませんが、こちらですと最初から順番にみることができます。
ぜひ、ご利用ください(←予想以上にいい出来です。ええ、予想以上です)。

財務諸表論 講義 超短答問題

財務諸表論 超短答問題191

(問題)
中間財務諸表の性格の考え方を二つあげよ(現行制度上の考え方を先にあげること)。

(解答)
続きを読む

財務諸表論 超短答問題190

(問題)
中間財務諸表作成の役割は何か?

(解答)
続きを読む

財務諸表論 超短答問題189

(問題)
連結財務諸表原則における一般原則を4つ指摘せよ。

(解答)
続きを読む

財務諸表論 超短答問題188

(問題)
基準性の原則の要請内容をあげよ。

(解答)
続きを読む

財務諸表論 超短答問題187

(問題)
親会社説とは何か。

(解答)
続きを読む

財務諸表論 超短答問題186

(問題)
連結財務諸表の作成に関する考え方を二つあげよ(連結原則のとる方法を先にあげること)。

(解答)
続きを読む

財務諸表論 超短答問題185

(問題)
連結財務諸表とは何か。

(解答)
続きを読む

財務諸表論 超短答問題184

(問題)
キャッシュ・フロー計算書における法人税等の記載の理由を述べよ。

(解答)
続きを読む

財務諸表論 超短答問題183

(問題)
キャッシュ・フロー計算書における法人税等の記載は?

(解答)
続きを読む

財務諸表論 予想の補足(引当金と繰延資産)

本命予想に続いて、Bランクの予想です。
毎年ヤマの引当金ですが、平成17年の出題(退職給付引当金)をどうみるかでしょう。
注解18(引当金)の色が濃いと見れば、目はやや薄くなります。
私は濃いとみますので、大ヤマからは外しました。
でも、もちろんいつ出ても文句のいえない論点です。

今年は、純資産が出ます(←言い切りましたな)。
そのヒネリ部分として、負債も想定されます。
もっとも特徴的な負債が引当金です。
純資産ヒネリとしても引当金は欠かせません。

繰延資産もいつでてもおかしくありません。
注解15は、注解18同様にいつでも受験資格です。
ただ、まだ会計基準が出ておらず、実務対応報告レベルでの対応です。
その点、出題の目がやや薄いのではないかと考えました。
でも、もちろんいつ出ても文句はいえません(←逃げまくりですな)。

資産性・負債性という視点は、とても大事です。
動態論(収益費用アプローチ)のもとでは資産性を持つ繰延資産。
しかし、純粋な貸借対照表アプローチのもとでは資産性が否定されます。
我国の概念フレームワークを核とする制度会計上は、収益費用アプローチと資産負債アプローチの混合・混在型(石川先生は、ハイブリッドといっています)です。
あちこちで様子が違う訳です。
出題項目としてはとても魅力的です。

株式交付費の取扱いは、国際的な取扱い(資本控除)と異なります。
その意味で特徴的な項目といえるでしょう。
計算では必須といえるでしょうから、計算での知識も生かしながら対処したいところです。

財務諸表論 予想の補足(リース)

メイン予想から外した項目をご紹介していきたいと思います。
いいかえれば、Bランク予想ということになるでしょうか(←卑怯な)。
ここで200個くらいあげておくと的中確実なんですが、刺されそうなのでやめておきます。
全部で6個です。

一つ目がリースです。
リースは単独の基準でズドンの出題がない項目です。
その意味では大ヤマといいたい項目です。
ただ、本年に基準が改訂されています。
改訂の主眼は、所有権移転外ファイナンス・リース取引に対する例外処理(賃貸借処理)の原則廃止です。
改訂が3月ということもあり、今年の本命から外しました。

この点、理論に大きな影響はなく、出題の可能性に影響を与えないと考える余地もあるかもしれません。
そう考えると出題の可能性アリとみることもできます。
確かにファイナンス・リース取引についての基本的な考え方や処理、リース資産の資産性、リース債務の負債性という議論は、会計基準の改定に影響しません。
また、横断的項目の一つとしての出題は改訂の有無にかかわらず予想されやすい項目でもあります。
リースの経済的実態(分割購入・資金借入→購入)とともに基本的な取扱いはおさえておくべきでしょう。

財務諸表論 予想の補足(金融資産の発生・消滅の認識)

金融商品会計基準での未出題項目として金融資産の発生・消滅の認識をあげておきました。
金融商品会計基準は、企業会計原則以外の単独の会計基準では最も重要です。
税理士試験では、平成16年、17年とズドンという出題があります。
しかし、ノーマークは危険という意味でもあげておきました。

(1)金融資産の発生の認識
金融資産の発生の認識とその根拠をおさえておきましょう。
根拠は、基準の55項です。
その前提として出題にきちんと対処するためにも金融資産、負債の範囲と時価の意味を簡単におさえておきましょう。

(2)金融資産の消滅の認識
金融資産の消滅の認識が行われるケースをおさえておきましょう。
支配の移転に関する具体的な考え方、財務構成要素アプローチとリスク・経済価値アプローチについて、簡単に説明できるようにしておきましょう。
基準は、57項になります。

(3)関連項目
発生・消滅の認識と直接関連はありませんが、社債に償却原価法が適用される等、負債視点は注目かもしれません。
唯一といえる時価評価される負債として、デリバティブ取引により生じた正味の債務があります。

計算である程度デリバティブやヘッジ会計をやっている方は、理論も軽めでかまいませんので、みておきましょう。
計算でデリバティブをやっていない方は、みなくてよいと思います。
ズドンという出題はないと思っていますが、横断的に聞かれる可能性はないとはいえませんので。

財務諸表論 予想の補足(資本と利益)

今年の純資産はあやしいです。
とってもあやしいです。
どのあたりを中心に学習すればよいのかをちょっと考えておきましょう。

(1)純資産の部の基本的考え方
まずは、純資産の部の基本的な考え方です。
純資産基準の21項が中心で、出だし1段落あたりはしっかりおさえておきましょう。
資産と負債を固めて、その差額が純資産です。
で、株主資本が重要なのでこれをきちんと区別する。
大きな流れはこんな感じでしょうか。

(2)具体的な項目の考え方
(1)のような理解をもって具体的な項目の表示をきちっと説明できるようにしておく必要があります。
具体的には、新株予約権(純資産基準22項、32項)、少数株主持分(純資産基準22項、32項)、評価換算差額等(純資産基準33項)は必須でしょう。
それ以外にも純資産基準であがっている項目には、注意しておいた方がよいかもしれません。
純資産基準の23項、24項あたりです。

(3)資本と利益
純資産関連であやしいのが、資本と利益の関係です。
一般原則第三、注解2(1)、自己株式基準60〜61項、純資産基準29〜30項あたりに関連する規定があります。
伝統的には、資本取引と損益取引の区別、そして資本剰余金と利益剰余金の区別の話があります。
この考え方は現在でも維持されていますので、横断的に一般原則や自己株式基準の記述内容との関連はとりあげやすいです。
純資産基準での株主資本と純利益の関係(クリーン・サープラス関係)も視野に入れる必要があるでしょう。

(4)横断的項目
それ以外の横断的項目としては、ストック・オプションや株主資本等変動計算書との関連があげられます。
ストック・オプション基準は、4項、5項、9項といったあたりが中心でしょうか。
費用認識の話は会計学的には大変興味深いです。
余裕のある方は34項(と35項)だけでも読んでおかれるとよろしいのではないでしょうか。
その後も40項あたりまで費用認識の話が続いています。

株主資本等変動計算書は単独での出題の目は小さいでしょうが、ちょろっときくにはいいかもしれません。
6項、8項の取扱いと20項、21項の取扱いの理由は簡単におさえておいた方がよいでしょう。

純資産から負債へのヒネリもありかもしれません。
でも、ここのヒネリは単独での予想は難しいです(項目が多いので)。
負債にもやや慎重に目をとおしておかれるとよいでしょう。

分配可能額と剰余金の配当(完)

会社法では、剰余金の配当や自己株式の取得に一定の金額的な限度を設けました。
剰余金の配当等に対する統一的な財源規制のハードル、それが「分配可能額」です。

分配可能額は、剰余金の額をスタートに計算します。
剰余金の額から一定の控除項目を控除して、分配可能額が計算されます。
分配可能額のスタートともいえる剰余金の額は、その他資本剰余金とその他利益剰余金の合計額です。
その他資本剰余金とその他利益剰余金の額は多分に会計処理の結果を反映したものといえるでしょう。
しかし、会社法では、「剰余金」の額の変動についての規定は設けています。
このことからもわかるように分配可能額は、会社法が自律的に定めているものです。

ここ数年、企業会計の制度は著しい変革を遂げました。
新たな会計基準がたて続けに公表され、その余波は今も続いています。
その変革のスピードには簿記論の講師もビックリです。
会社法は、企業会計制度の改革に対して、個別的な規定をおいて対応することをしませんでした。
むしろ、企業会計の変革に対応しないという形での対応をとったのです。
会社法は、表示以外の会計処理からは緩やかに手を引いたといったところかもしれません。

企業会計の変革から距離を置いた会社法。
その会社法に譲れないものがあるとすれば、それは会計処理ではありません。
それは分配規制です。
分配規制を自律的に会社法が定めている以上、法解釈の段階で、企業会計が口を出すべき余地はないでしょう。

会社法では、剰余金の配当を行った場合には、準備金の計上が義務付けられています。
同様の規定は商法にも存在しました。
商法では、その他に配当可能利益の算出段階で、法定準備金の要積立額を控除することとしていました。
会社法では、分配可能額の計算上のこれに対応する規定はありません。
会社法にこれに対応する規定がない以上、準備金の要計上額を控除する必要はない。
準備金の要計上額を加味して剰余金の配当可能額を求める必要はない。

会社法が苦手であまり好きではない税理士試験の簿記論の講師が出した結論です。

分配可能額と剰余金の配当(完)

分配可能額と剰余金の配当(9)

平成13年の商法改正により減資差益が、資本準備金から外れました。
その結果、それまでは、配当不能であったものが配当可能になったのです。
その後、平成18年に商法は会社法に衣替えをしました。
利益の配当は、剰余金の配当へと姿を変え、配当可能限度額は、自己株式の取得限度額も抱合する分配可能額へと改められています。
剰余金の配当には、従来の利益配当以外にその他資本剰余金の配当も含まれます。

企業会計原則の制定以前、商法は、現在の資本準備金相当額のうち積立限度額(資本金の4分の1)を超える部分を配当可能としていたようです。
それが企業会計原則の制定の翌年(昭和25年)の改正で、これを配当不能としました。
払込資本のうちの資本金超過額の分配の可否については、当時も問題となったようです。
詳細を検討した訳ではありませんが、企業会計原則の論理を商法が受入れたといってよいのかもしれません。

かつて、商法が企業会計原則を受入れたとすれば、これと同じように、今、企業会計は、会社法の論理を消極的にではありながらも受入れているといえるのかもしれません。
分配規制は会社法のみが律する。
企業会計はそれに口を挟むべきではない。
その他資本剰余金とその他利益剰余金の配当をいずれも「剰余金の配当」とする会社法の論理に企業会計が口を挟むべき余地はない。
私にはそう思えます。

実質的な資本の払戻したるその他資本剰余金の配当。
企業が獲得した成果としての利益の処分たるその他利益剰余金の配当。
この異質にしか思えない両者を「剰余金の配当」として会社法は一本化しました。
立法過程においてならいざしらず、法の解釈段階でそのことに企業会計が口を挟むべきではないのでしょう。
会計が口を挟むのは、そのような行為が行われたときに「どのような会計処理を行うのか」だけなのではないでしょうか。

剰余金の配当についも同様に考えざるを得ないように思えます。
分配可能額とは別個に剰余金の配当限度額は存在しない。
会計が顔を出す局面は限定されるハズです。
それは、会社法上の正当な行為が行われた場合に「どのような会計処理を行うのか」だけなのではないでしょうか。

分配可能額と剰余金の配当(10)

分配可能額と剰余金の配当(8)

平成13年の商法改正により、減資差益(資本金減少差益)が資本準備金ではなくなりました。
資本準備金は、処分不能な法定準備金(現在の準備金)の一つです。
その資本準備金から外れることは配当(当時は利益の配当)の財源にも含まれることを意味します。
減資差益はあきらかに払込資本です。
それが利益配当の原資に含まれる。
その事にとても驚きました。
当時は、自己株式の取得解禁が大きくとりあげられていました。
しかし、この減資差益の資本準備金からの除外の方が会計にとってはより大きなインパクトを持っていたといえるかもしれません。

昭和24年に制定された企業会計原則の一般原則第三は、次のように規定しています。

「資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない。」

前半は資本取引と損益取引の区別を要求しています。
株主との直接的な取引(資本取引)を通常の営業活動による資本の増加取引(損益取引)としてしまっては困ります。
これは、典型的には資本取引(例えば増資取引)を損益取引(例えば売上)とするのはダメということでしょう。

(1)増資
現金預金××× 資本金×××

(2)売上
現金預金××× 売 上×××

増資と売上を混同すれば、損益計算書も、貸借対照表もメチャクチャです。
とくに資本を収益に計上して、その分の利益が増え、これを配当してしまうのはとてもまずいです。
これはもっともな事でしょう。

後半は、維持すべき資本としての資本剰余金と処分可能な資本としての利益剰余金との混同をきらったものでしょう。
企業活動の成果としての利益と資本を取引段階できっちりと分けなければ、正しい損益計算も正しい財政状態も示すことができません。
そしてその後においても株主からの拠出資本である資本剰余金を利益剰余金と混同して分配するような事があってはならない。
きっとそんな事をいっているのでしょう。

分配可能額と剰余金の配当(9)

分配可能額と剰余金の配当(7)

会社法上、分配可能額は、会計処理とは必ずしもリンクしない金額的ハードルに過ぎません。
これに対して剰余金(その他資本剰余金とその他利益剰余金)の額は、会計処理の結果もたらされるという側面があります。
この点を捉えると繰越利益剰余金やその他資本剰余金を準備金の計上額だけマイナスにするのはおかしいとの考えもあるでしょう。
もちろんそのような配当政策を経営者としてとるべきではないというのも一つの考えです。
また、本来はマイナスが想定しにくい勘定をマイナスにしてまで配当するのはいかがなものかという考え方も大いに頷けます。
剰余金の配当のあるべき姿を語るならばこれらの考え方を考慮する必要はあるかもしれません。
しかし、会社法上、それが許される行為なのか否かは会社法のみをもって語られるべきでしょう。
剰余金の配当そのものが会社法上の行為である以上、剰余金の配当も会社法のみをもって律せられるべきです。
剰余金の配当に関して会計が登場するのは、剰余金の配当が行われた後の会計処理だけではないでしょうか。

分配規制では、会社法の規定は絶対的な意味を持ちますが、その後に行われる会計処理は会計にゆだねているという側面があります。
会社法の許容する範囲(分配可能額)で剰余金の配当を行った。
その結果、その他資本剰余金やその他利益剰余金がマイナスになった。
そのこと自体は、どうでもよい。
会社法の態度は、誤解をおそれずにいえばそんなところではないでしょうか。
その会計処理は、会計の側で考えるべきでしょう。
剰余金の配当という会社法上の行為の限度額を会計の側で律することはできません。
また、その必要もないのではないでしょうか。

同様の問題は、その他利益剰余金内部においても生じ得ます。
その他利益剰余金を細分(別途積立金等と繰越利益剰余金)している場合です。

この点を「解説」では、次のように説明しています。
「実務上は、その他利益剰余金の内訳をさらに細分し、任意積立金(別途積立金その他の名称が付された科目)を計上している場合があり、通常、それについては、剰余金の配当の原資には充てないものとする取扱いがされている。そして、任意積立金以外の部分、すなわち「繰越利益剰余金」が、配当しようとする額に不足している場合には、任意積立金の取崩し……によって、剰余金の配当を行うという場合がある。
しかし、このような行為は、分配可能額の変動とは関係のない行為である点に留意する必要がある。分配可能額の算定における剰余金の取扱いに係る規律は、剰余金全体の額のみを問題とするものであり、その他利益剰余金につき細分された各項目の額については、一切規制を加えるものではないからである。」

会社法では、分配可能額こそが剰余金の配当等に課せられた唯一の金額的ハードルです。
その結果として行う会計処理は、会社法の関心外にある。
分配可能額の全部を配当すれば、準備金の計上により、その他資本剰余金やその他利益剰余金(繰越利益剰余金)がマイナス(借方残)になることはあり得ます。
その場合にいかなる会計処理を行うかは、企業会計の問題でしょう。
企業会計が顔を見せるのは、剰余金の配当を行った後の会計処理であり、それ以前の金額の決定については、会社法の規定に服するのみというべきでしょう。

分配可能額と剰余金の配当(8)

分配可能額と剰余金の配当(6)

さて、これまでみてきた内容が窺い知れる「解説」の記事を引用しておきましょう。

「……計算規則177条では、剰余金の額について、分配規制の趣旨である、株主と債権者との利害調整という役割に着目しつつ、将来の会計基準等の変更に対しても柔軟に適正な対応(むしろ、会社法としては対応しないという対応)をすることを可能とするため、前記のような、会社が対外的な活動によって上げた利益を源泉とする「その他利益剰余金」と債権者に対して株主に払い戻すことについての承諾を受けているというべき「その他資本剰余金」との合計額をもって算定することとしている。」

「解説」の文章は、会社法446条の規定についてのものです。
会社法では、これまでに設けられていた引当金や繰延資産についての規定を置いていません。
資産や負債の評価にも柔軟な姿勢をみせています。
変革著しい企業会計の制度に応じて個別的な会計処理等の規定を置くことは、もはや困難なのでしょう。
会社法が会計処理から緩やかに手を引いている。
そんな印象を持ちます。
このことはもちろん資本(純資産)についてもいえるでしょう。

会社法上、資本について、重要なのは、資本金、準備金、剰余金というくくりでしょう。
企業会計上は、維持すべき資本と処分可能な利益の区別が重要と説かれます。
会社法では、「その他資本剰余金の配当」と「その他利益剰余金の配当」を「剰余金の配当」と一括しています。
このことからも伺えるように会社法上、重視されているのは、あくまでも「剰余金」というくくりなのです。
そのくくりさえしっかりしていれば、その内訳には、それほど大きな関心を抱いていない。
具体的な会計処理は、会計基準にゆだねる。
それが、会社法のとった道といってよいでしょう。

「解説」110頁に剰余金と分配可能額の関係が説明されています。
やや長くなりますが、引用しておきましょう。

「会社法上の分配可能額の算定に関する規定の構造は、剰余金の額の変動に伴う分配可能額の変動に係る規定と、分配可能額固有の変動事由に係る規定とに分かれている。
そして、剰余金の額に関する会社法446条は、期中の資本取引を含めて、各時点において、剰余金の額、すなわちその他資本剰余金とその他利益剰余金の合計額がどのように変動しているのかということについてのみ規定するものである。したがって、剰余金の額は、会社法の概念というよりも、一定の会計基準等に従って行われる会計処理の結果、決定される概念であるといえる。
他方、分配可能額に関する会社法461条は、分配可能額の算定の基礎となる剰余金の額から、何を減額するのか、またはどのような事態が生じたときに、何を加算しまたは減算するのかという、もっぱら会社法上の政策的な理由により求められる規律についての規定である。
両者が別々に規定されているのは、このような趣旨の違いによる。」

剰余金の額は、その変動が446条に規定されています。
しかし、あくまでも変動が規定されているだけです。
実際のその他利益剰余金やその他資本剰余金がいくらかなのかは多分に会計処理が関連します。
しかし、会社法の大きな関心事は両者の合計額である「剰余金の額」です。
そして分配規制のハードルを規定するのは、ただ会社法のみです。
分配可能額の算定にあたって控除する金額もあくまでも会社法上の規定のみによって規律され得るといってよいでしょう。

分配可能額と剰余金の配当(7)

分配可能額と剰余金の配当

急にはじめました「分配可能額と剰余金の配当」。

最初の記事は、こちらです。

「分配可能額と剰余金の配当(1)」


発端は、このブログで頂いたご質問にあります。

分配可能額と剰余金の配当可能額の問題でした。

会社法は、残念ながら得意ではありません。

しかし、自分が抱いていた認識とまるで異なるのでそのことをまたブログ内でお聞きしました。

そのときの記事は、こちらです。

講師だって教えて欲しい!!(分配可能額と配当可能額?)


しかし、回答はいただけませんでした。

で、自分なりに調べてみました。

それをまとめたのが「分配可能額と剰余金の配当」です。

結論は、分配可能額とは別に剰余金の要計上額を加味した配当可能額はないというものです。

お前の意見は違うというコメントもいただきました。

しかし、どこがどう違うのかわかりません。

とんでもない勘違いをしているのかもしれません。

しかし、仮に間違いだとしても根拠(と思えるもの)を呈示しながらその取扱いを語ることが許されないハズはないと思っています。

具体的なご意見等ございましたらコメント欄にいただると幸いです。

よろしくお願い申し上げます。

分配可能額と剰余金の配当(5)

仮に分配可能額の全額を配当した場合、その他利益剰余金(繰越利益剰余金)やその他資本剰余金は準備金の計上額だけマイナスになります。
会社法はこのような会計処理をどう考えているのでしょうか。

といっても会社法にそのような規定はありません。
会社法の規定や立法担当者の解説からどう考えているだろうかを伺うことができるだけです。

結論的には、会社法は、会計処理の事はあまり真剣に考えていないといってよいように思えます。
真っ先に思い当たる規定は、会社計算規則47条3項です。

「株式会社が自己株式の消却をする場合には、自己株式の消却後のその他資本剰余金の額は、当該自己株式の消却直前の当該額から当該消却する自己株式の帳簿価額を減じて得た額とする。」

自己株式の消却を行った場合の規定です。
自己株式の消却を行った場合は、自己株式の帳簿価額をその他資本剰余金から減額しろといっています。
消却直前のその他資本剰余金の金額がない場合もあるでしょう。
この場合には、「会社法上は」その他資本剰余金の値はマイナスになります。
同様の規定が「自己株式等会計基準11項」にあります。
そして12項にマイナスになった場合の対処規定があります。

会社法上、その他資本剰余金のマイナスがあり得るにもかかわらず、その対処は、極めてぼんやりとした会社計算規則50条3項の規定があるのみです。
このような規定ぶりから想像できるのは、会社法上のある種の無関心ではないでしょうか。
無関心がいいすぎならば、この点の会計処理は会社法以外(つまりは会計基準)にゆだねているといってよさそうです。

自己株式の消却時の会社法の規定を考えると、会社法は会計処理までをも自律的に規定している訳ではないことがわかります。
剰余金の配当時の準備金の計上もこれと同様のスタンスと考えるのが自然でしょう。

この点に関して、会計基準等はありません(たぶん)。
仮に自己株式等会計基準の方式(12項)をあてはめると次のような感じでしょうか。
繰越利益剰余金のマイナスはそのまま。
その他資本剰余金のマイナスは会計期間単位で繰越利益剰余金から減額。

剰余金の配当時の準備金の計上は、かつて準備金の「積立て」と呼ばれていました。
積立という言葉には、例えば手持ちの現金を貯金として積立てるというような「振替え」の要素が感じられます。
これに対して「計上」という語からは、振替え的な要素が後退しているようにも感じられます。
はっきりしたことはいえませんが、「積立」から「計上」への用語の変更には、もしかするとこのような意味も込められているのかもしれません。

分配可能額と剰余金の配当(6)

分配可能額と剰余金の配当(4)

会社法が剰余金の配当等に関して統一的に設けた規制のハードル、それが分配可能額です。
分配可能額と剰余金の配当の関係を具体的な会計処理で考えてみましょう。

繰越利益剰余金が110(繰越利益剰余金は、貸方残)で、同額が分配可能額という前提です。

(1)剰余金の配当を100行う場合
準備金の要計上額を加味して配当を行えば、次のようになります。
110×10/11=100……剰余金の配当
100×1/10=10…………準備金計上額

(会計処理)
繰越利益剰余金110 未払配当金100
           利益準備金 10

これはいいです。
繰越利益剰余金もちょうどゼロです。

(2)剰余金の配当を110行う場合
準備金の要計上額を加味せずに配当を行えば、次のようになります。
110………………………………剰余金の配当
110×1/10=11…………準備金計上額

(会計処理)
繰越利益剰余金121 未払配当金110
           利益準備金 11

貸方の未払配当金110や利益準備金11はいいとして、問題は借方の繰越利益剰余金121です。
剰余金の配当を行う以前の繰越利益剰余金は110なので、借方残高11になります。
つまりは、剰余金の配当に伴う準備金の計上額だけ繰越利益剰余金がマイナスになります。

仮にその他資本剰余金の全額を配当する場合も同様です。
会計処理は、かなり不自然になります。

簿記の基本を学習しはじめた当初、簿記では例えば、資産勘定をマイナス(貸方残)にすることをしない(嫌う)と習いました。
勘定にはそれぞれの性格があって、その性格に反するような記入を避けたいのかもしれません。
また、複式簿記が基本的には足し算を中心にし、できるだけ引算を減らすことで計算のミスを予防する仕組みをもっていることと関連するかもしれません。
このような計算方法(引算)は時に加法的減法とよばれることもあります。

いや、複式簿記の基本的な仕組みを考えるまでもないのかもしれません。
分配可能額全部の剰余金の配当を行い、繰越利益剰余金やその他資本剰余金がマイナス(借方残)になることは明らかに不自然です。
このような不自然な会計処理を「会社法は」どのように考えているのでしょうか。

分配可能額と剰余金の配当(5)

分配可能額と剰余金の配当(3)

会社法上、準備金の要計上額は、分配可能額の計算に影響しません。
剰余金の配当はあくまでも会社法上の行為です。
会社法(ないしは会社計算規則等)に規定がない以上、準備金の要計上額を配当できない根拠はないでしょう。

しかし、準備金の要計上額を配当できないとする記述は多いです。
以前、このブログでその根拠を教えてくださいとお願いしたのですが、回答はいただけませんでした。
何らかの回答をもとにすると考えやすいですが、ここでは、想定される根拠を考えつつ、検討を加えたいと思います。

まず想定されるのは、分配可能額の計算上、準備金の要計上額が控除されるとするものです。
すでにみてきたとおり会社法にそのような規定は存在しませんので、これは誤解でしょう。
やや紛らわしいのが会社計算規則の178条ですが、これはあくまでも最終事業年度後に行った剰余金の配当に関してのものです。

次に分配可能額の計算上は控除されないもののいわば剰余金の配当可能額が別途存在するとの考えです。
このような考えにも二つを区別する必要があるかもしれません。

一つは、準備金の計上が義務付けられている以上、当然にその分の配当はできないのではないかとする考え方です。
従来のあり方を踏襲すれば、とても自然かもしれません。
しかし、会社法上、準備金の計上と分配可能額が別途規定されている以上、それを勝手にリンクさせることはできません。
かつて配当可能利益の計算上、準備金の要積立額を控除したのは、その規定(商法290条)があったからです。
もちろん同様の規定を置くことは可能だったでしょう。
会社法でそれに該当する規定がない以上、不要と解釈せざるを得ません。

今一つは、会計処理等の会計の事情を加味したものです。
分配可能額は、剰余金の額を基本(スタート)にしています。
剰余金の額(例えばその他利益剰余金→繰越利益剰余金)を全額配当したとすれば、その会計処理はかなり不自然になります。
その他資本剰余金を全額配当した場合も同様で、会計処理に不自然さは残ります。

剰余金の配当は会社法上の制度です。
剰余金の配当を考える場合には、会社法の規定を無視する訳にはいきません。
会社法は、このような処理をどのように考えているのでしょうか。
会計処理を具体的に考えつつ歩みを進めたいと思います。

分配可能額と剰余金の配当(4)

分配可能額と剰余金の配当(2)

会社法上、剰余金の配当を定めているのは、453条です。

「株式会社は、その株主……に対し、剰余金の配当をすることができる。」

また、445条4項では次のように規定されています。

「剰余金の配当をする場合には、株式会社は、法務省令で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に十分の一を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金(以下「準備金」と総称する。)として計上しなければならない。」

剰余金の配当を行う場合には、配当財産の種類及び帳簿価額の総額を定めることとされています(会社法454条1項)。
この帳簿価額の総額は、分配可能額を超えることはできません(会社法461条)。
つまりは、分配可能額を超える剰余金の配当はできないことになります。

しかし、剰余金の配当を行う場合にこれに伴う準備金の計上額を分配可能額の計算上、控除しなければならないという規定はありません。
このような規定がない以上、分配可能額の計算上、剰余金の配当に伴う準備金の計上額を控除する必要はありません。

「解説」では、このことは、77頁において次のように説明されています。
「ソ猗金の計上と分配可能額
現行商法290条1項3号では、積み立てるべき準備金の額も配当可能利益から控除されていたが、会社法では、そのような手当てはされていない。」

旧商法では、配当可能利益(現在の分配可能額に相当)の規定と準備金の積立ての規定が別途存在していました。
その両方に準備金の積立てが登場しています。
会社法にも分配可能額の規定(461条)と準備金の計上の規定(445条4項)があります。
その一方(準備金の計上)のみでしか準備金が登場しない以上、分配可能額の計算上、準備金の要計上額が控除されることがないのは当然でしょう。

もっとも剰余金の配当に伴う準備金の計上により同額の剰余金の額は減少します。
ので、その後の分配可能額を計算する際にはその分だけスタートの剰余金の額が減少することになります(会社計算規則178条1項2号)。
分配可能額の全額を剰余金の配当として処分した場合は、剰余金の配当直後の分配可能額は準備金の計上額だけマイナス(欠損)になります(これが意外ですが、アリです)。

会社法では、剰余金の配当の際に準備金の計上を義務づけています。
しかし、準備金の要計上額は、分配可能額に影響しないことを再確認しておきます。

分配可能額と剰余金の配当(3)

分配可能額と剰余金の配当(1)

会社法では、剰余金の配当や自己株式の取得等に対して統一的な財源規制を課しています。
剰余金の配当等に関して金額的な限度を定めている訳です。
会社法における剰余金の配当等の統一的な財源規制のハードル、それが「分配可能額」です。

税理士試験でも財務諸表論や公認会計士試験、日商一級でも出題の可能性は高いでしょう。
簿記論の守備範囲からはややはずれていると思います。
そのためこれまでこのブログではとりあげてきませんでした。
基本的なスタンスは今後も大きく変わりません。
しかし、一点だけものすごく気になっています。
それは、分配可能額と実際の剰余金の配当との関係です。

端的には分配可能額とは別に剰余金の配当の限度があり得るのかです。
剰余金の配当段階では、準備金の計上が義務付けられています。
その分を実際の剰余金の配当にあたって考慮する必要があるのか。
関心はその一点です。

剰余金が110万円であった場合(分配可能額の計算上の控除額はなし)で考えてみましょう。
以下では、準備金は、要計上額を加味しても限度額(資本金の4分の1)に達しない状況を想定します。
仮に100万円の剰余金の配当を行えばその10分の1の10万円の準備金を計上する必要があります。
その場合に、実際に配当ができるのは、110万円なのか。
準備金の計上額を加味した100万円なのかです。

この点について、会社法、会社計算規則そして会計基準を参考にしながら考えてみたいと思います。
もっとも特に会社法については、私が微妙なので以下の書籍を参考にさせていただきました。

法務大臣官房参事官相澤哲編著 別冊商事法務「立法担当者による新会社法関係法務省令の解説」(以下「解説」と称します)。

まずは、きわめてラフに会社法の規定をみておきましょう。

会社法461条
「次に掲げる行為により株主に対して交付する金銭等……の帳簿価額の総額は、当該行為がその効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない。
一〜七 略
八 剰余金の配当」

会社法461条では、剰余金の配当等を行う場合の金額的制限を定めています。
その金額的制限が「分配可能額」です。

第2項が具体的な分配可能額の計算に関する規定です。
臨時計算書類を作成せず、会社の保有する財産が仮に現金のみであり、最終事業年度の末日後に何らの行為も行っていない場合を考えると分配可能額は、一号の「剰余金」になります。

剰余金の額については、会社法446条(や会社計算規則177条)に規定されています。
規定はかなり複雑ですが、結論的には、その他資本剰余金とその他利益剰余金の合計額になります(「解説」111頁参照)。

ちょっと特殊な項目(これが多いですが)を除けば、剰余金(その他資本剰余金とその他利益剰余金)の額が分配可能額になります。

分配可能額と剰余金の配当(2)

過去問を読もう!!(平成17年第一問:退職給付会計・退職給付の会計処理)

会計基準、読んでますか?

会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。

財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。

(問題)
「基準」(意見書)で定められた全体的な会計処理について、費用認識の側面と、負債の認識・測定の側面とを対比しながら、説明しなさい。なお、解答においては、強調したい部分4箇所以内)に下線を引くこと。

(解答)
続きを読む

過去問を読もう!!(平成17年第一問:退職給付会計・賃金後払説)

会計基準、読んでますか?

会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。

財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。

(問題)
退職給付は基本的に勤務期間を通じた労働の提供に伴って発生するものと捉えられる。
退職給付の性格に関しては、いくつかの考え方(説)がある。それらのうち、(上記の捉え方)に依拠した説を何というか、基準(意見書)で使用されている用語で答えなさい。

(解答)
続きを読む

過去問を読もう!!(平成17年第一問:退職給付会計・穴埋め2)

会計基準、読んでますか?

会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。

財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。

(問題)
退職給付は基本的に勤務期間を通じた労働の提供に伴って発生するものと捉えられる。このような捉え方に立てば、退職給付は、その発生が(1)に起因する将来の特定の(2)とみなすことができ、企業会計における従来の考え方が、企業年金制度による退職給付についても同じくあてはまると考えられる。したがって、退職給付はその発生した期間に費用として認識することが必要である。

(解答)
続きを読む

過去問を読もう!!(平成17年第一問:退職給付会計・穴埋め1)

会計基準、読んでますか?

会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。

財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。

(問題)
次の文章は、退職給付に係る会計基準……において示された基本的考え方を要約したものである。これに関連して、以下の各問に答えなさい。

退職給付とは、一定の期間にわたり労働を提供したこと等の事由に基づいて、退職時以後に従業員に支給される給付をいい、(1)及び(2)等がその典型である。

(解答)
続きを読む

講師だって教えて欲しい!!(分配可能額と配当可能額?三回目)

分配可能額(会社法461条)と配当可能額?の関係について3回目のお願いです。

初回の記事は、こちらです。

分配可能額とは別に配当可能額があるか?(×10/11等の必要があるか)についてです。

分配可能額とは別に配当可能額はないと思います。

しかし、会社法施行後の新しい簿記会計の書籍等でも、別途配当可能額を求めるとの記述が多くなっているようです(かなり驚いています)。

なぜ、こんなことになってしまったのでしょうか?

よくわかりません。

別に自分の考えが正しいことを力説したい訳ではありません。

もし、考え違いがあるなら教えて欲しいです。

もし今、出回っている記述(別途、配当可能額を求めるとの記述)が誤りなら、無用な混乱は早期に回避すべきだと思います。

それだけです。


この点については、会計処理がかなり興味深いです。

記事にしようとも思うのですが、その前提をはっきりさせる方が先決でしょう。

どなたか何故、こんなことになってしまったのかについてのご意見でもかまいませんので、コメント等いただけると助かります。

よろしくお願い申し上げます。

過去問を読もう!!(平成18年第二問:総括)

会計基準、読んでますか?

会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。

財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。


平成18年第二問の出題は、減損会計でした。

この年のヤマ的な項目でド本命からの出題です。

意見書の穴埋め等、減損損失の認識と測定、低価基準との関連と大きなテーマ性を持ちつつ、他項目との関連も問う出題でした。

最近の出題傾向です。

特に出題形式から想定されそうな項目についての本年の対策はしっかりうっておくべきでしょう。

(1)意見書の基本的部分の穴埋め

(2)基準本編+計算でもお目にかかる部分(要は大事な部分)の説明

(3)説や処理法の分岐(二つ説や処理法がある場合にその名前と簡単な説明)

(4)考え方の共通する関連項目(←これは厳しいですが、できるだけ共通点を見つける努力はしましょう。このブログでもできるだけ指摘しているつもりです。)



意見書の最初の方をよく読んでいるか。

基本的な減損会計の考え方を自分のものとしているか。

この二点が大きかったのではないかと思います。

減損会計という比較的新しい領域だけに難易度は高いと感じられたかもしれません。

減損会計でいったい何を計算しているのか。

そもそも減損処理とは何なのか。

こんな基本的事項を自分の言葉で説明できるような勉強の仕方をしていると解答にかなり有利です。

意見書を必ずしも熟読していなくてもそんな理解があれば、「使用」と「売却」という回収手段も出やすいのではないかと思います。

ただ、現実的には初見ではやや厳しいかもしれませんが。

このような会計処理が誰もが知っているであろう他の会計処理(低価基準)とどのような関係を持つのか。

そんなことに思いをめぐらせたことがあるかどうかが後半の問題の解きやすさに直結したのではないかと思います。

また、説の名称自体が出るかどうかは大きかったと思います。

でないとそれ以後がガタガタになってしまうと思いますので。

今後も、考え方(説の分岐)には、注意する必要があるでしょう。


総じて短い言葉で端的に解答を要求している。

そんな特徴があるといえるかもしれません。

実際の試験委員の出題の関係はよくわかりません。

一般的には新任の先生が第二問、重任の先生が第一問です。

この問題を作成された先生が来年の第一問を担当すると考えるのが一般的かもしれません。

計算で誰もが知っている項目の計算をしっかり(理解してやっていれば)できるような内容を多く含んだ出題がされるのではないかと予想しています。

というかそういう出題をよろしくお願いいたします(って、頼んでもダメでしょ。んっ、これは頼めば大丈夫か。んっ、てか、それじゃ何だかわかんないか)。

過去問を読もう!!(平成18年第二問:低価基準と減損との関係)

会計基準、読んでますか?

会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。

財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。

(問題)
(低価基準が適用される根拠としての有効原価説と回収可能原価説)に関して、固定資産の減損に係る会計基準における事業用固定資産の減損処理の考え方と、より共通すると考えられる説はいずれか。理由とともに示しなさい。

(解答)
続きを読む

過去問を読もう!!(平成18年第二問:低価基準の根拠)

会計基準、読んでますか?

会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。

財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。

(問題)
棚卸資産の評価に低価基準が適用される根拠として、保守主義説の他に2つの説がある。
2つの説を示し、それぞれの説についてどのような時価が適用されるかを示しなさい。

(解答欄)
(          )説 時価=(          )

(          )説 時価=(          )

(解答)
続きを読む

過去問を読もう!!(平成18年第二問:減損損失の測定)

会計基準、読んでますか?

会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。

財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。

(問題)
減損損失の測定について、事業投資の二つの回収手段を示し、それぞれに基づいて簡潔に説明しなさい。
なお、強調したい用語に下線(2箇所)を引くこと。

(解答欄)
2つの回収手段(          )、(          )
減損の測定

(解答)
続きを読む

過去問を読もう!!(平成18年第二問:減損損失の認識)

会計基準、読んでますか?

会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。

財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。

(問題)
減損損失の認識について、簡潔に説明しなさい。

(解答)
続きを読む

過去問を読もう!!(平成18年第二問:減損会計・空欄補充2)

会計基準、読んでますか?

会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。

財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。

(問題)
(次の文章の)空欄(1)から(4)に適切な用語を記入しなさい。

事業用の固定資産であっても、その(1)が当初の予想よりも低下し、資産の(2)を帳簿価額に反映させなければならない場合がある。…これは、……(3)基準の下で行われる帳簿価額の(4)な減額である。

(解答)
続きを読む

過去問を読もう!!(平成18年第二問:減損会計・語句指摘)

会計基準、読んでますか?

会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。

財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。

(問題)
事業用の固定資産については、通常、市場平均を超える成果を期待して事業に使われている……。
この「市場平均を超える成果」は一般に何と呼ばれるか。

(解答)
続きを読む

過去問を読もう!!(平成18年第二問:減損会計・空欄補充1)

会計基準、読んでますか?

会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。

財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。

(問題)
(次の文章の)空欄(1)から(3)に適切な用語を記入しなさい。

事業用の固定資産については、通常、市場平均を超える成果を期待して事業に使われているため、市場の平均的な期待で決まる(1)が変動しても、企業にとっての投資の価値がそれに応じて変動するわけではなく、また、投資の価値自体も、投資の成果である(2)が得られるまでは(3)したものではない。

(解答)
続きを読む

過去問を読もう!!(平成18年第一問:総括)

会計基準、読んでますか?

会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。

財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。

平成18年第一問の出題は、実現主義を問う出題でした。

近時、テーマ性のある会計基準からの出題比率が高まっている中での伝統的な分野からの出題です。

実現主義といってもその要件、引渡基準の根拠といった基本的な事項から特殊商品販売の収益認識基準、工事進行基準、有価証券の評価と多岐にわたります。

テーマ性を持ちながらも出題範囲は狭くありません(これがイヤなんですよね)。

最近の出題の特徴でもあります。


解答要求からみる大きな特徴は、理由・根拠が多い点です(5つの枝中の3個、または6つ中3個)。

しかし、同様の理由・根拠といっても段階が踏まえられているように感じられます。

(1)どのテキストにもでているだろう基本的項目(引渡基準)

(2)会計基準を読むうえで疑問が生じそうな項目(工事進行基準)

(3)二つの処理の関係を考えるうえで疑問が生じそうな箇所(実現主義と有価証券の時価評価)



基本的なテキストや会計基準をきちんと読む。

基本的事項をおさえる。

その過程で疑問を持つ。

他の項目との関連を考える。

そんな学習スタイルを望んでいるだろう出題者の意図が汲み取れます(たぶん)。

難易度的にも難解でもなく、かといって容易でもなくとても考えられた良問だと思います(最後の問題は私が考えさせられました。今でも考えてますが)。

講師だって教えて欲しい!!(分配可能額と配当可能額?再び)

以前、分配可能額(会社法461条)と配当可能額?の関係についてお聞きしました(以前の記事はこちらです)。

分配可能額とは別に配当可能額があるか?(×10/11等の必要があるか)についてです。

まだ、わかっておりません。

どなたか会社法にお詳しい方のご教示の程、どうかよろしくお願いいたします。



その後も継続的にみてはいますが、よくわかりません。

会社法関連のものでは分配可能額の記述しかあるものしかみたことがありません。

配当可能額についての記述があるのは、簿記会計関連のみのようです。

しかも割と多いので驚いています。

自分の理解は、これまでの配当可能限度額や自己株式の取得限度額などを一本化したものが分配可能額。

配当に限定すれば、分配可能額以内ならよいというものです。

会社法(会社計算規則)を素直に読む限り、そう思えます。

会社法は、会計処理に口を出していない。

積立金の要積立(計上)額を分配可能額から控除して配当限度額を別途求める必要はない。

そう思えます。


ここにきちんとでているよというような情報でもかまいませんので、よろしくお願いいたします。

財務諸表論受験の皆様へ

唐突にはじめました「過去問を読もう!!」。

「会計基準を読もう!!」の総仕上げです。

まだ、とりあげていない会計基準もありますが、実践的なスタンスをとることにしました。

まだ、途中の企業結合は今年のヤマですので何らかの形で続けたいとは思っています。

また、ストックオプション基準については、費用認識の話だけでも書いておきたいと思います。

この費用認識の話は、本試験的にもアリだと思っています。

他の基準でもしかしたら部分的にとりあげることはあるかもしれませんが、本格的にとりあげるのはここまでにしておきたいと思います。

コメント欄等でご要望をいただきながら実現できなかった部分があります。

税理士試験の出題傾向と私の力を加味するとこんなところとご容赦いただければ幸いです。




「過去問を読もう!!」では、実際の過去問を小さい問に置き換えています。

実際にぜひ解答を考えてみてください。

ただ、その解答の丸暗記はちょっと待ってください。

その前に会計基準(意見書や結論の背景)やテキストの該当箇所をぜひ読んでみてください。

その周辺に思いを巡らせてみてください。

できるだけ過去記事へのリンクやコメントという形で白紙の状態からの解説を試みたいと思っています。

過去出題を単に眺めるだけではもったいないですし、丸暗記では効果も低いです。

これまで読んできた会計基準とあわせれば、財務諸表論の理論はできる。

そんな道を模索しているつもりです。



実際に今年の試験に照準を合せています(かなり本気です)。

何年分できるかはわかりませんが、お付き合いの程、よろしくお願いいたします。

本試験実施後、どの程度的を得ていたのかを本試験問題をモトに検証したいと思います。

実際の試験でズバリという感じの出題があり、このブログで大いに自慢できる日を今から楽しみにしています。

ええ、楽しみです。

楽しみです(たぶん)。

過去問を読もう!!(平成18年第一問:工事進行基準)

会計基準、読んでますか?

会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。

財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。

(問題)
工事進行基準……(は)、実現基準の例外とされている。このような例外的な収益認識基準が認められる理由を、簡潔に述べなさい。

(解答)
続きを読む

過去問を読もう!!(平成18年第一問:特殊商品販売の収益認識)

会計基準、読んでますか?

会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。

財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。

(問題)
特殊な販売契約による販売取引の主な事例として、以下の4つ(A〜D)がある。それぞれの販売取引による売上収益の実現を認識する原則的な時点又は基準として最も適切なものを、下記の選択肢( 銑─砲ら1つずつ選びなさい。同じ選択肢の番号を、他の解答として何回選んでもよい。

A.委託販売 B.試用販売 C.予約販売 D.割賦販売

(選択肢)
“稜箏戚鵑猟結
購入予約の受付
M縮鸚宿覆寮渋
ぞι陛の引渡又は役務提供の完了
テ整媽茲稜禺茲琉媚徂充
η箴綺銚△亮取
Щ点收沙蚕颪療達
売上債権の回収期限の到来又は入金

(解答)
続きを読む

過去問を読もう!!(平成18年第一問:引渡基準が原則の理由)

会計基準、読んでますか?

会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。

財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。

直近の出題が全く同じ切り口で出題されることは考えにくいです。

しかし、出題傾向を知る上でも過去問は重要です。

また、その周辺については、連年での出題もあり得ます。

みておく価値はもちろん「アリ」です。

いや、過去問にケチをつけるようなつもりで検討すべきだと思います。

そうするといろいろ発見があって、過去問が実に練られて作成されていることもわかります(←私の場合には、ケチつけるつもりで読まないとわからないのねん)。

試験委員の先生が只者ではないこともわかります(←だから試験委員だって)。

過去問を積極的に読みましょう!!


(問題)
実現を認識する基準には複数のものがあるが、通常の商品販売や役務給付における最も原則的な基準は販売基準(引渡基準)であるとされている。その理由を、簡潔に述べなさい。

(解答)
続きを読む

税理士試験 試験委員発表!!

かなり時期を逸してしまいましたが、税理士試験の試験委員が発表になっています。

発売中の受験誌(会計人コース、税経セミナー)に紹介記事がありますので、参照してみてはいかがでしょうか。

簿記論の試験委員は、前年と同じです。

財務諸表論の新任の試験委員は、徳賀芳弘先生です。

えーっと、手持ちの本をちと見てみますと………、って、ちゃんと読まないとわからないのねん。

ちょっと余裕ができたらじっくり読んでみるかもしれません(←かもしれないのね)。



すいません、またズルズルと落ちてきましたもんで、ご声援(1クリック)の程、よろしくお願いいたします。

試験委員発表!!にみせかけたランキング投票へのご依頼記事でした(←落ちたもんですな)。


↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「人気フログランキング」

「リスクからの解放」終了

「リスクからの解放とは何か」は、とりあえず終了です。

また、しばらくのご猶予をいただいて、続きを書きたいと思います。

概念フレームワークをかじった方には、まわりくどいのではないかとも思っています。

ただ、概念フレームワークに予備知識のない方にとっては、概念フレームワークそのもののハードルはとても高いのではないかとも思っています。

私がそうでした(いや、今もそうですが)。

そのハードルをいくらかでも低くしたいというのが狙いでもあります(最終的には、本試験も視野に入れていますが)。

今後、企業会計基準委員会から公表される会計基準に概念フレームワーク色は濃くなるでしょう。

本ブログ記事が会計基準(特に結論の背景部分)を読みやすくするものであったとすれば幸いです。

っていうか、財表受験生の皆さん、会計基準読みましょうね。

わかりましたか?(←も、もしかして「はい!」を期待してますか?←かなり)

えっ。もちろん、会計基準を読みましょうねですってば。

やだな。

やだな。誤解して。

でも、誤解してもいい、かな(←いいのか)。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「人気フログランキング」

リスクからの解放とは何か(完)

借方・貸方の語からも想像できるように、複式簿記の誕生以来、企業をとりまく利害関係者の大きな関心は企業の債務返済能力にありました。
貸した金が果たしてきちんと返ってくるのかに大きな関心がよせられていたのです。
そこでの会計は、資産の売却価値の算定に重点がおかれ、貸借対照表も財産の一覧表というべき性格を有していました。
いわゆる静態論の考え方です。

しかし、世界的な株式市場の混乱を経て、貸借対照表の数値を不確実な指標としての時価に代え、確実な指標としての原価に置き換える動きがみられました。
そこでは収益を極めて確実な段階(実現)で計上し、費用面では、確実な指標としての原価を割り振る事(配分)に主眼がおかれ、確実さを重視した利益が算出されていました。
いわゆる動態論の登場です。
動態論のもとでの資産は、必ずしも売却価値を有する財産だけではありません。
過去の支出額(原価)の当期の損益にかかわらない部分(支出未費用)も含まれています。
動態論の中心的な課題は、確実な収益を計上し、確実な原価をのうち当期に帰属する部分との差し引きで損益計算を行うことにあったといってよいでしょう。

しかし、経済(特に金融)の国境が消え、その比重が高まるにつれ、資産を原価のまま放置する事に対する弊害は広がっていきました。
ラフにいってしまえば、「もの」よりも「かね」の占める比重が極端に大きくなったのです。
そんな中で登場したのが、資産負債アプローチと呼ばれる考え方です。
会計の全体像を考えるにあたって、まずは、資産と負債を定め、両者の差額を純資産とし、純資産の変動額を利益(包括利益)とする方式です。

世界的には、純資産の変動額としての包括利益を重視する方向に向かっているようです。
しかし、我国の概念フレームワークは、純利益を重視する道を選びました。
財産法的な利益である包括利益を業績指標としての利益である純利益に絞り込むために概念フレームワークがとったのが、リスクからの解放です。

リスクからの解放とは、投資目的どおりの期待していた成果が確定した段階で利益(収益)を認識する考え方を意味しています。
企業の目的は、投資家から委ねられた資金を事業に投下し、その資金を増加させることにあります。
そこにおける成果(最終的には資金の増加)を認識するタイミングは、投資目的に応じて判断すべきでしょう。
投資目的に見合う確定した成果を獲得した段階で利益を認識する考え方がリスクからの解放です。
成果の確定は、多くの場合には、キャッシュ・イン・フロー(現金収入)をもって確認できます。
このようなタイミングで利益を認識し、そこで認識された利益、すなわち純利益を業績評価の指標として重視する道を概念フレームワークは選んだのです。

概念フレームワークでは、このように二つの利益を併記しながらも純利益重視の道を選びました。
しかし、包括利益が純利益に代わりうる利益指標たることもまた否定してはいません。
そして、世界は、包括利益を選ぼうとしています。

なぜ、世界は包括利益を選ぼうとしているのでしょうか?
このまま損益計算書の最終値は、包括利益になるのでしょうか?
そうだとすれば、純利益の何が問題なのでしょうか?
包括利益に問題はないのでしょうか?
っていうかそもそも包括利益って何だ?(←また振り出しですか)

リスクからの解放とは何か(完)

包括利益と純利益(1)へ続く(←………線路じゃないんだから)
オススメ
       <管理人の記事掲載号>  会計人コース2011年9月号-                  会計人コース2008年02月号                  会計人コース2008年01月号                  会計人コース2007年09月号 <管理人の本>
カテゴリー
月別記事
新着コメント
プロフィール

暮木孝司

記事検索
携帯用バーコード
QRコード
リンク
     税理士試験 簿記論 講師日記は、Yahoo!JAPAN登録サイトです       bokironkousiをフォローしましょう         
スポンサード・リンク
bokironkousiをフォローしましょう
  • ライブドアブログ