税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

特殊商品販売

その都度法と期末一括法

いわゆる手許商品区分法を採用する場合には、その売上原価を、商品販売時(試用販売の場合には、買取意思表示時)に計上する方法(その都度法)と期末に計上する方法(期末一括法)とがあります。

この違いは、一般商品販売における売上原価対立(計上)法と二分法の関係と同様です。

(特殊商品販売)
(1)手許商品区分法
試送時:
(借)試 用 品100 (貸)仕  入100
買取意思表示時:
(借)売 掛 金120 (貸)試用売上120
   仕  入100    試 用 品100 ← この仕訳に注目!!
決算時:
仕訳なし

(2)期末一括法
試送時:
(借)試 用 品100 (貸)仕  入100
買取意思表示時:
(借)売 掛 金120 (貸)試用売上120
決算時:
(借)仕  入100 (貸)試 用 品100


(一般商品販売)
(1)売上原価対立(計上)法
仕入時:
(借)商  品100 (貸)現金預金100
販売時:
(借)売 掛 金120 (課)売  上120
   売上原価100    商  品100
(決算時)
仕訳なし

(2)二分法
仕入時:
(借)商  品100 (貸)現金預金100
販売時:
(借)売 掛 金120 (課)売  上120
(決算時)
   売上原価100    商  品100

一度、ゆっくりでも納得しておかれるとよろしいのではないかと思います。
ちなみに、分記法と総記法の関係も同様です。
これらは、「利益」のみを計上する方法ですが、商品販売時に「利益」を把握するか(分記法)、決算時に「利益」を把握するか(総記法)の違いがあります。


【関連記事】
その都度法
期末一括法
売上原価対立(計上)法と二分法
分記法
総記法
総記法の決算整理

特殊商品販売での原価率と付加率

よくある特殊商品販売の出題での前提です。

(1)一般販売は、原価率80%、(2)割賦販売は、一般販売の20%増し

これは、割賦販売に限りませんが、上記のような指示が比較的多いと思います。
(1)が原価率、(2)が付加率での指示になっています。

原価を80とすると、次のように整理できます。


原価80 → 一般売価100 → 割賦売価120


割賦販売の利益は、割賦売価からは、次のように計算できます。

割賦売価120×(割賦売価120−割賦原価80)÷割賦売価120=割賦利益40

特殊商品販売の出題で、原価率を算出する場合、原価率の算出は、かなり複雑になる場合があります。
原価率を出したことで安心して、一般販売の原価率を割賦販売の原価率として計算してしまう例は多いので充分注意しましょう。


【関連記事】
利益率・原価率、付加率

どこまでをやるのか?(特殊商品販売)

特殊商品販売は悩ましい。

新基準全盛の今、従来的な論点の比重は相対的に低くなっているといえるでしょう。
中でも帳簿組織(特に特殊仕訳帳)の実践的な重要性は低く、試験での出題のウェイトにも反映しているといってよいと思います。
これに対して、一般の商品販売や固定資産取引の重要性が「相対的に」低くなることはあっても、重要性そのものが低くなることはないでしょう。
新基準が導入されても商品販売や固定資産取引が無くなる訳ではありません。
相対的なウェイトが下がるだけの話でしょう。
むしろ、ある種のバランス感覚が働き、新基準とバランスよく出題しようという意向が働く可能性の方が高いのではないかと思います。

それでは特殊商品販売はどうなのかです。
結論的には、近年の出題は多いので、どう考えてもやらざるを得ません。
実は、平成16年度の第3問で、あれほど特殊商品販売が手厚いことに少し驚きました。
平成15年の出題が手厚かっただけに連年は厳しいです。

割賦、試用、委託あたりはもちろんやっておく必要があるでしょう。
難易度が高い場合は、実は、合否にあまり影響を与えない可能性が高いです。
しかし、難易度が低いケースが問題です。

実際のところ、割賦販売が出題されやすいというのも、実践的な重要性があるという訳ではなく、それが難しくできるから!という程度の理由でしかないであろうことは、なんか釈然としないですが、やっぱりやるしかないでしょう。

予約販売

【予約販売の意義】
「予約販売」とは、商品の購入者から予約金(前受金)を受取り、その後に商品を引渡す販売形態をいいます。
予約販売は、出版物などにみられる販売形態です。


【予約販売の収益計上】
予約金を受取っただけでは、売上を計上すべきではありません。
商品の販売については、販売時点(収益の実現時点)で収益を計上すべきこととされているためです。

予約金受領額のうち、決算日までに商品等の引渡しが完了した分だけが売上に計上されます。
残りの予約金は、貸借対照表の負債の部に「前受金」として、次期へ繰延べる必要があります。


【仕訳処理】
予約金受取時:(借)現  金××× (貸)前 受 金×××

商品の引渡時:(借)前 受 金××× (貸)売  上×××


【関連記事】
未着品販売
委託買付・受託買付

未着品販売

【未着品販売の意義】
遠隔地の仕入先から商品を仕入れる場合、商品の現物が到着する前に貨物代表証券(商品を受取る権利を示す証券)を受取ることがある。
この貨物代表証券の購入、現品引取および販売を「未着品販売」という。
なお、貨物代表証券には、船荷証券、倉荷(倉庫)証券等がある。


【会計処理】
(1)貨物代表証券入手時
(借)未 着 品××× (貸)買 掛 金×××

(2)現品引取時
(借)仕  入××× (貸)未 着 品×××

(3)貨物代表証券販売時
期末一括法:(借)売掛金××× (貸)未着品売上 ×××
その都度法:(借)売掛金××× (貸)未着品売上 ×××
            仕 入×××    未 着 品 ×××

(4)決算時
期末一括法:(借)仕 入××× (貸)未着品×××
その都度法:仕訳なし


【関連記事】
予約販売
委託買付・受託買付

簿記2級 商業簿記 問題15(未着品販売)

【対象=2級以上】

(問題)
次の一連の取引の仕訳を示しなさい。

(1)A商店から仕入れた商品100円(代金は、掛とする)について、貨物引換証を受取った。

(2)上記貨物引換証を120円で、B商店に売却し、代金は現金で受取った。

(解答)
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