税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

為替予約

税理士試験 簿記論 三択問題42(為替予約)

(問題)
輸入取引に係る外貨建債務に為替予約を付した場合において、振当処理の適用がないのは、次のいずれですか。

(1)輸入取引発生後に為替予約を付した場合

(2)商品の輸入取引発生までに為替予約を付した場合

(3)資金借入取引発生までに為替予約を付した場合

(解答)
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独立処理による仕訳

為替予約取引は、将来の変動相場による現金収入(未収金)と固定相場による現金支出(未払金)の交換取引です(逆もありますが)。
独立処理では、為替予約を予約相場のみを使って換算します。
1ドルの取引を想定し、予約相場が次のように推移したものとすると実際の仕訳は次のようになります。

(1)予約(100)仕訳なし

(2)決算(104)(借)為替予約  4 (貸)為替差損益 4

(3)決済(106)(借)為替予約  2 (貸)為替差損益 2
   現金預金  6    為替予約  6

最後の仕訳は、次の方が一般的かもしれません(どちらでもかまいません)。

(3)決済(106)(借)現金預金  6 (貸)為替差損益 2
            為替予約  4

(1)予約時
為替予約は、将来の現金収入(未収金)と現金支出(未払金)の交換取引です。
予約を行った段階では、両者(借方と貸方)は、等価であり、仕訳処理は要しません。
この考え方は、一般的なデリバティブ取引に共通です(差金決済が前提のため)。

(2)決算時
為替相場(予約相場)は100から104へと変動しています。
現金支出(未払金)は固定されており、変るのは借方・未収金です。
実際の仕訳では、為替予約が一般的ですが、この場合の性格は、「為替予約未収金」であり、これを勘定科目とする場合もあります。
為替相場が100→104と動くことで、未払金を固定していると未収金が増えるので「益」が生ずることになります。

(3)決済時
決済時の考え方は、決算時の延長でいけるのではないかと思います。
いったん、為替予約を決算時のように換算しておいて、(為替予約2 為替差損益2)、
そこまでの為替予約6を現金預金で精算するという形です。
この為替予約6は、予約時から決済時までの予約相場の変動分ということになります。

もう一方の仕訳が一般的です。
借方・現金預金は、予約時から決済時までの予約相場の変動分です。
貸方・為替差損益は、前回の換算時(決算時)から決済時までの予約相場の変動分です。
貸方・為替予約は、決済直前で計上されている為替予約です。

この決済時の仕訳をどちらでもかまいませんので、貸借差額を使わないできれるようにしておく必要があると思います。

独立処理

為替予約取引は、将来の異なる変動相場と固定相場による現金収支の交換取引です。
変動相場による現金収入(未収金)と固定相場による現金支出(未払金)の交換取引を考えてみましょう。
独立処理では、為替予約を予約相場のみを使って換算します。
1ドルの取引を想定し、予約相場が次のように推移したものとすると「考え方として」の仕訳は次のようになります。

(1)予約(100)(借)未 収 金100 (貸)未 払 金100

(2)決算(104)(借)未 収 金  4 (貸)為替差損益 4

(3)決済(106)(借)未 収 金  2 (貸)為替差損益 2
    現金預金106    未 収 金106
    未 払 金100    現金預金100

考え方としては、上記のような仕訳を想定することができます。
しかし、最後の決済取引を考えてもわかるように、実際に106円をもらって、100円を支払うことはしません。
差額(6)をやりとり(この場合は、受取)すればよい訳です。
このような決済の仕方は、差額、差金のみをやりとりするので、「差金決済」と呼ばれます。
このような差金決済の動きに仕訳処理をあわせるには、未収金と未払金を仕訳段階で相殺すればよいでしょう。
その相殺後の勘定科目として「為替予約」勘定を用いるのが一般的です。

(1)予約(100)仕訳なし

(2)決算(104)(借)為替予約  4 (貸)為替差損益 4

(3)決済(106)(借)為替予約  2 (貸)為替差損益 2
    現金預金  6    為替予約  6

最後の仕訳は、次の処理の方が一般的かもしれません(どちらでもかまいません)。

(3)決済(106)(借)現金預金  6 (貸)為替差損益 2
               為替予約  4

独立処理の考え方としての処理

今、輸入取引を例にとって考えてみましょう。

【輸入取引】(借)仕  入×××    (貸)買 掛 金×××(変)

【為替予約】(借)未 収 金×××(変) (貸)未 払 金×××(固)

為替予約は、スワップ(交換)の一種で、将来の現金収入(借方・未収金)と将来の現金支出(貸方・未払金)の交換取引です。

独立処理は、輸入取引で生じた買掛金と為替予約とを別個に換算する方法です。

買掛金は、通常どおり、現物の為替相場で換算することになります。

問題は、為替予約についてです。
取引金額を1ドルとして予約相場が次のように推移したとしましょう。

予約100 → 決算104 → 決済106

貸方・未払金は、固定されています。
変るのは、借方の未収金です。
借方の未収金が、

100→104→106

と動くことになります(次の処理は、実際の処理ではなく、あくまでも考え方です)。

(1)予約(100)
(借)未 収 金100 (貸)未 払 金100

(2)決算(104)
(借)未 収 金  4 (貸)為替差損益 4

(3)決済(106)
(借)未 収 金  2 (貸)為替差損益 2
   現金預金106    未 収 金106
   未 払 金100    現金預金100

独立処理と振当処理

為替予約の会計処理には、独立処理と振当処理があります。
極めて、ざっくりとこの二つの会計処理を考えてみましょう。

(1)輸入取引
(借)仕  入×××    (貸)買 掛 金×××(変)

(2)為替予約
(借)未 収 金×××(変) (貸)未 払 金×××(固)


【独立処理】
独立処理は、外貨建金銭債権債務(買掛金)と為替予約を別々に換算(評価)する方法です。
輸入取引で生ずる外貨建債権債務(買掛金)は、現物の相場でそのまま換算します。
為替予約は、予約時点では、上記のような処理を行う訳ではありません(仕訳なし)。
その後は、先物相場の変動部分で評価されます。

【振当処理】
振当処理は、いわば上記の(1)の貸方・買掛金(変)と(2)の借方・未収金を相殺してしまう考え方です。
もっとも両者は、逆の性格をもっていますが、全く等価という訳ではありませんので、実際には、その差額を処理しなければなりませんが。

為替予約と会計処理方法

ちょっと、外貨建の仕入取引を考えてみましょう。

(1)(借)仕  入1万ドル (貸)買掛金1万ドル(変動)

貸方の買掛金はドル建です。
仕訳上は、仕入時の為替相場で換算されます。
日本円で支払うのであれば、実際の決済段階では、その決済段階の為替相場で換算して決済する必要があります。

為替予約は、「1万ドルの固定相場での受取」と「1万ドルの変動相場との支払」の交換取引です。

(2)(借)未収金1万ドル(変動) (貸)未払金1万ドル(固定)

よくある出題では、(1)の輸入取引に(2)の為替予約をぶつける訳です。
そうすることで、(1)の貸方・買掛金(変動)と(2)の借方・未収金(変動)の影響がちょうど逆に働きますので、為替相場の変動による影響を減殺することができます。

ただ、取引としては、輸入取引と為替予約は別々に存在します。
その別々に存在する取引を別々に考えるのが、独立処理で、一体として考えるのが振当処理でといってよいでしょう。

金利スワップと為替予約

先日、「金利スワップ取引」をご紹介しました。

かなり強引ではありますが、次のような組み合わせを考えました。

【借  入】(借)○○○×××     (貸)未払金×××(変動)

【スワップ】(借)未払金×××(変動) (貸)未払金×××(固定)

これを相殺すると次のような感じになります。

【借  入】(借)○○○×××     (貸)未払金×××(固定)

つまりは、変動金利を固定金利に置き換える効果があることになります。


為替についても同様のことがいえます。

いま、外貨建の仕入取引を考えてみましょう。

【仕  入】(借)仕  入×××     (貸)買掛金×××(変動)

これに変動相場による受取と固定相場による支払の交換取引を重ねてみましょう。

【スワップ】(借)未収金×××(変動) (貸)未払金×××(固定)

未収金(変動)と買掛金(変動)を相殺するとすれば、次の取引が残ります。

【仕  入】(借)仕  入×××     (貸)買掛金×××(固定)

つまりは、変動相場を固定相場に置き換える効果があることになります。

で、このスワップ取引が「為替予約」です。

平成18年 簿記論講座 12月第5回(外貨建取引供

【要チェックポイント】
(1)為替予約(振当処理と独立処理は完璧に)
(2)在外支店の財務諸表項目の換算


為替予約の会計処理
(1)振当処理(取引発生後の為替予約)
取引時:(借)売 掛 金×× (貸)売   上××(発生時レート)
予約時:(借)売 掛 金×× (貸)為替差損益×× ←直直差額(当期の損益)
                   前受収益 ×× ←直先差額(期間配分)
決算時:(借)前受収益×× (貸)為替差損益×× ←直先差額の当期分
決済時:(借)現金預金×× (貸)売 掛 金××(予約レート)
       前受収益××    為替差損益××

(2)独立処理
1.外貨建債権・債務 → 直物(SR)
2.為替予約     → 先物(FR)で評価


在外支店の財務諸表項目の換算
(1)原則……本店の換算方法と同じ(貨幣項目→CR、非貨幣項目→HR)
(2)費用・収益項目は、ARで換算できる(実務上は、こちらが原則)
   ただし、費用性資産の費用化額(減価償却費等)・収益性負債の収益化額は、HRのみ
(3)本店勘定は、もう一方の照合勘定(本店の支店勘定)にあわせる


【チェック問題】オススメ度(◎→○→△、※は参考)
すんません、用意できてません。

為替予約の考え方

為替予約の実際がいまいちわかってませんので、見切り発車になってしまいますが、為替予約の考え方をみておきたいと思います。
為替予約は、例えば借入金の支払時の為替相場を事前に固めてしまう(予約する)行為です。
これは為替予約に限りませんが、一般的なデリバティブの契約時に、会計処理は必要ありません(仕訳なし)。
というのもデリバティブは、基本的には、総額ではなく、差額(差金)で考えるからです。
差額だけの決済(差金決済)で行われるのが一般的ですし、会計処理も差額だけで考えます(評価も)。
デリバティブに限らず一般的な取引は(贈与等を除いて)、等価での交換ですから、差額はでない、つまり、仕訳も要しないことになります(先物取引で委託証拠金を払うケースとオプション取引では、処理がありますが)。
このことは為替予約(為替予約もデリバティブの一種です)でも変りません。

備品を購入した(代金は未払い)。
仕訳は、備品××× 未払金××× ですが、この取引が仕訳として認識されるのは、備品という資産が増えて、未払金という負債が増えるからですが、それを相殺したりはしないからです。
それを相殺するのがルールならば、仕訳は不要ということになります。

為替予約は、予約相場を固める行為ですが、もし、総額で考えるとすると次のように考えることができると思います(未払金の例)。

未収金100(←変動) 未払金100(←固定)

為替予約は、自分が払う金額(貸方・未払金)を予約相場で固めます。
為替予約をした相手(銀行等)は、決済日には、決済日の相場での代金を用意しなければなりません。
為替予約は、銀行から変動したお金をもらって(たとえば105)、その代金を未払先に払うと考えるとどうでしょうか。
実際の為替予約は、この差額(105−100)を決済する形をとります。
つまり、銀行から5をもらう(儲かる)訳です。
そのもらった5に自分の100を足して、未払先に支払うというのが、為替予約取引といってよいと思います。

未収金100(←変動) 未払金100(←固定)

この段階では、差っ引きで、処理はいらないということになるでしょう。

決済時の処理を総額できるとすると、
(対銀行)
現金預金105 未収金100
        為替差益 5
(対未払先)
未払金100 現金預金105
為替差損 5

本当は、純額です。
(対銀行)
現金預金5 為替差益5
(対未払先)
未払金100 現金預金105
為替差損 5

なお、「決済日の予約相場」が資料にあるとすれば、それは、「もし決済日に決済日の為替相場を予約した場合の相場」という意味になります。
当日の相場を予約するとしても当日の相場になる筈です。
つまり、この部分は、厳密には、資料としては、必要がない部分というべきかもしれません。
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       <管理人の記事掲載号>  会計人コース2011年9月号-                  会計人コース2008年02月号                  会計人コース2008年01月号                  会計人コース2007年09月号 <管理人の本>
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