税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

概念フレームワーク

概念フレームワーク・メモ(投資のポジションと成果)

従来的(動態論)的には、財務諸表が何をあらわすのかに、財政状態と経営成績という言葉があてられていました。

貸借対照表が財政状態、損益計算書が経営成績をあらわすという具合です。

企業会計原則の使い方も同じです。

概念フレームワークでは、これを「投資のポジションと成果」という言葉で表現しています。


財政状態は、企業資本の運用形態(資産)とその調達源泉(負債と資本)をあらわすと説明されることも多いです。

ここでは、資産と「負債と資本」が並列的に考えられています。

負債は、資本に近いんですね。

等式であらわすとしたら、「資産=負債+資本」です。


これに対して、概念フレームワークでは、「資産−負債=純資産」と考えています。

負債は、資産の正反対です。

でもって、「資産と負債」と純資産が考えられている訳です。


同じ財務諸表でも考え方によって、それをあらわす表現もちょっと違うんですね。

使分けているという方が正確でしょうか。

びっくりです。

でも、ポジション(カタカナ)と成果(漢字)は、もっとびっくりです。

「さくらと一郎」みたいな感じでしょうか(←まるで違います)。

静態論:貸借対照表→財産状態

動態論:貸借対照表→財政状態(資本の運用形態と調達源泉)、損益計算書→経営成績

概念フレームワーク:貸借対照表→投資のポジション、損益計算書→投資の成果

「リスクからの解放」終了

「リスクからの解放とは何か」は、とりあえず終了です。

また、しばらくのご猶予をいただいて、続きを書きたいと思います。

概念フレームワークをかじった方には、まわりくどいのではないかとも思っています。

ただ、概念フレームワークに予備知識のない方にとっては、概念フレームワークそのもののハードルはとても高いのではないかとも思っています。

私がそうでした(いや、今もそうですが)。

そのハードルをいくらかでも低くしたいというのが狙いでもあります(最終的には、本試験も視野に入れていますが)。

今後、企業会計基準委員会から公表される会計基準に概念フレームワーク色は濃くなるでしょう。

本ブログ記事が会計基準(特に結論の背景部分)を読みやすくするものであったとすれば幸いです。

っていうか、財表受験生の皆さん、会計基準読みましょうね。

わかりましたか?(←も、もしかして「はい!」を期待してますか?←かなり)

えっ。もちろん、会計基準を読みましょうねですってば。

やだな。

やだな。誤解して。

でも、誤解してもいい、かな(←いいのか)。

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リスクからの解放とは何か(4)

概念フレームワークでは、投資家をメインの利害関係者とし、財務報告の目的をその投資意思決定に役立つこととしました。

会計情報に求められるのもその投資意思決定にどれだけ役立つかです。

投資家は、企業に対して資金を投下し、より多くの資金の回収をめざしています。

その資金の投下(又は引上げ)の判断に役立つ情報であることが会計情報に求められるのです。


それでは、より具体的には、投資家の求める会計情報とはどのようなものでしょうか。

投資家は会計情報に何を求めているのでしょうか。


近代経済学の父であり、株式投資でも成功をおさめた経済学者ケインズは、株式投資は、美人コンテストのようなものだといったそうです。

美人である基準は、時代や地域、個人的な嗜好によっても異なります。

単純にいってしまえば、明確な基準のない人気投票のようなところがあります。

株式投資もそれと同じように、人気投票の要素を持っている事をいいたかったのでしょう。

事実、個人投資家の場合は、あの会社(や商品)が好きだからといったことも充分な購入理由になります。


しかし、概念フレームワークでは、投資家として、いわば株式投資を行うプロ(機関投資家)を想定しています。

プロは自分が好きだからといった理由で株を購入はしないでしょう(たぶん)。

なんかすごい事(←どんな)をして購入する株を決めている筈です。

素人を相手にしないとは不心得なと思われるかもしれませんが、世の中そんなものです(←何かあったのね)。

洗練された会計情報を洗練された投資家が扱う、少なくとも概念フレームワークでのイメージはそんな感じでしょうか。


機関投資家をはじめとする投資家が究極的に求めるのは、株価の推移でしょう。

将来の株価の予想です。

株価が上がるのがわかれば、「カイ」ですし、株価が下がるのがわかれば、「ウリ」です。

しかし、株価そのものには上記のような人気投票の要素もあって実際の短期的な動向を予想することは不可能です(できれば大もうけですな)。


企業は利益を上げる事を目的にしています。

投資家は、企業がどれだけの利益を上げるであろうかを予想し、その予想に基づいて投資を行います。

市場の平均的な予想(これが現在の株価に投票結果として反映されています)を超えていれば、「カイ」という判断を行うでしょう。

逆に下回れば「ウリ」という判断を行うでしょう。


会計情報に求められているのは、このような投資家の行う判断の参考資料としての役割です。

もっともそれは直に将来の株価を予想したり、企業を評価したりするためのものではありません。

自らの投じた資金を企業がどのような事業に投じ、そして、それがどのような状態(ポジション)にあり、そしてどのような成果を上げたのか。

このような企業が行った投資の状態(ポジション)とその成果に関する「結果としての」情報が財務報告に求められているのです。


概念フレームワークでは、「投資のポジション」を貸借対照表が示し、「投資の成果」を損益計算書が示すと考えています。

そして、「投資の成果」を示すのが利益である以上、利益はその投資目的に応じたものである必要がある。

概念フレームワークはそう考えたのです。



リスクからの解放とは何か(5)



リスクからの解放とは何か(1)

「リスクからの解放とは何か」

唐突にはじめました「リスクからの解放とは何か」。

「利益とは何か」の続編でもあります。

また、例のごとく最後まで完成していない状態での開始になります。

予期せぬ事もないとはいえませんが、最後までお付き合いの程、よろしくお願いいたします。

年内完結をめざしていたのですが、微妙です。

こちらもどうか一つよろしくお願い申し上げます。

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リスクからの解放メモ(金融商品)

リスクからの解放は、利益(収益)の認識に関する新しい考え方です。

これまでの収益の認識は、実現主義でした。

売れた時点で収益をたてる訳です。

歴史的には、実現→実現可能(リスクからの解放)と実現概念は、拡張しています。

これらの考え方(実現、実現可能、リスクからの解放)の区別の実益があるのは、有価証券等の金融商品等についてです。

そもそも市場のある有価証券については、換金性という意味では、貨幣に近い性格があります。

そして、それは、別に今、急にそうなったという訳でもありません。

昔からそうだった訳です。

株式市場は、昔からあります。

なんで、急にやれ時価評価だの、評価益を計上するという話になったのでしょうか。

その大きな原因は、端的には、金融商品が増えたとことにあります。

もう少しきちんといえば、経済の中で、金融商品の占めるウェイトが増えたというのが大きな原因です。

たこ焼をはじめとする実体のある経済は、極端に膨張するということはありません。

というのも私が(みんながでしょ)食べる量がある程度、限られているからです。

これに対して、いわば信用の上に成り立つ金融商品は、上限を知らない的なところがあります。

特にデリバティブといったよくわからない金融商品の開発は、金融商品の経済に与える影響を大きくしたのでしょう。

このウェイトが小さい段階では、それほど大きな問題は生じませんでした。

しかし、その比重が高まるにつれて問題も生じてきたのです。

金融商品を原価のままで放置していたため、実際に多額の含み損を抱えた企業が倒産という事例が相次ぎました。

つまりは、これまで会計学的に放置されてきた有価証券等の金融商品を含んだところできちんとした理論をつくる必要が生じたのです。

つづく。


ジリジリとポイントを下げております。お手すきの方のご声援(1クリック)の程、よろしくお願い申し上げます。

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リスクからの解放メモ(税理士試験 財務諸表論 平成18年度 第2問)

概念フレームワークをはじめとする新しい考え方が、公認会計士試験や税理士試験でもじわじわと出題されています。

いま、話題としているリスクからの解放について、これまでに直接的な出題はありません(たぶん)。

ただ、平成18年度 第2問の税理士試験の財務諸表論の出題では、かなりかすった出題がなされています。

これまでも税理士試験では、特に有価証券をめぐる評価ないしは収益の認識については頻出です。

実際の出題については、こちらをご覧下さい。

実現とは何か(9)


財務諸表論の理論は、2題でそれぞれがある程度のテーマ(横断的ではありますが)をもっている事を考えるといかに出題頻度が高いかがわかるでしょう。

そしてついに昨年度の出題では実現概念との関連が俎上にあがりました(配点的には小さそうですが)。

「金融商品に係る会計基準(以下「基準」という。)においては、売買目的有価証券について時価をもって貸借対照表価額とし、その評価差額は当期の損益として処理することとされている。基準で示されたこうした会計処理の根拠を、下線部(ア)で要求された会計処理と関連させながら述べなさい。」

上記出題における下線部(ア)は、企業会計原則の損益計算書原則一Aのただし書で「未実現収益は原則として、当期の損益計算に計上してはならない。」という部分です。

損益計算書原則一Aでは、本文で発生主義を規定しており、ただし書以降が、いわば伝統的な実現主義です。

で、売買目的有価証券の時価評価、評価差額を損益とする取扱いを実現主義との関連で説明しろという出題です。

実際の出題が直ちにリスクからの解放を意図したものなのかについては、私もよくわかりません(むしろ複数の回答を想定しているようにも思えます)。

しかし、伝統的な実現概念(引渡+貨幣性資産の受領)で、有価証券の評価益(損)を説明できないことは明らかでしょう。

伝統的な実現概念を超えた出題が既に実際の税理士試験の出題でなされている点は注目すべきだと思います。

そしてこの問題を出題された試験委員の方が、本年も出題をなさるとすると、横断的な出題の一部に新しい考え方を盛り込むということは、極めて自然に想定されるでしょう。

概念フレームワーク、そしてリスクからの解放について、なんか急にはじめた一つの理由でもあります。


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リスクからの解放メモ(リスクからの解放)

リスクからの解放は、利益(収益)の認識に関する新しい考え方です。

収益(利益)の認識の考え方は、実現→実現可能と拡大しています。

ややこしいのは、概念フレームワークでとっている「リスクからの解放」=「実現可能」ではない点です。

関係性としては、実現 < リスクからの解放 < 実現可能 です。

とてもわかりやすいのが、その他有価証券の取扱いです。

実現………………………原価評価
リスクからの解放………時価評価・差額は純資産(←現状の取扱いです)
実現可能…………………時価評価・差額は利益

結果としての取扱いはわかりやすいのですが、問題は、やはりリスクからの解放の考え方そのものでしょう。

概念フレームワークでは、「投資に対して不可逆的な成果が得られた状態」をさすものとして使用されています。

不可逆的というのは、戻ることができないといった意味でしょうが、私にとって全くなじみはありません。

概念フレームワークを読んでいて感じるのは、このようななじみのない用語が多いなあという点です。

リスクからの解放で軽く引いた感じになって、「不可逆」で、戻れなくなります。

戻れないというのが投資の成果ではなく、意識です。

ふーっ。

ため息ばかりついていてもしょうがないので、先を進めようとするのですが、言葉がつなぎにくいです。

概念フレームワーク自体が、特定の取引を想定して、その具体的な会計処理を規定している訳ではありません。

いわば、その前提となる考え方を書いてある訳で、具体的な会計基準よりもどうしても抽象的になってしまいます。

で、耳慣れない言葉も多いとなるとどうしても近寄りがたい感じがしてしまいます。

しかし、です。

税理士試験でいえば、財務諸表論で概念フレームワークをやらざるを得ない日は来ます。

それが来年であるかどうかは見方がわかれるかもしれませんが、来ます。

で、私は、来年度の財務諸表論で何らかの形で絡んだ出題があってもおかしくないと思っています。

で、おそらく選択肢は2つです。

ある程度ちゃんとやるか、いい加減にやる(ほとんどやらない)か です。

というのも抽象度が高い分、直前の暗記的な対策はききにくいと思うからです。

で、しっかりやる道を選ぶべきだというのが、私の考えです。

ここはたぶん判断の分岐点でしょう。

少なくともこのブログをご覧の財務諸表論受験生の皆様には、やるという選択をして欲しいです。

仮に実際の講座でやっていなかったとしてもです。

そして実際の試験で概念フレームワークが直に出題されても、されなくても、合格答案が書ける。

そんな予備知識をこのブログでご提供できればと思っています。

そう、それが、この「税理士試験 財務諸表論 講師日記」の使命です(←ついにタイトルまで変りましたか)。


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リスクからの解放メモ(実現から実現可能へ)

概念フレームワークにおける利益(収益)の認識の考え方、リスクからの解放についてお届けしています。

伝統的な実現概念は、歴史的にみるとだんだんと広がっていきました。

最初は、具体的な取引を実現と考えていました。

商品を(具体的な)誰かに売ったら実現です。

タコ焼屋でいえば、タコ焼をお客に渡した時点で売上です(なぜタコ焼屋?)。

これはわかりやすいです。

タコ焼が現金になった時点が売上計上のタイミングです。

会計学的にいえば、タコ焼という費用性資産が現金という貨幣性資産に転化した段階が売上計上のタイミングという感じでしょうか。

要は、売ったら実現です。

企業会計原則にもそんな事が書いてあります(←いい加減な。財務諸表論を学習している方は損益計算書原則三B参照)。

それが、売る事が可能な状態ならいいじゃんという方向に拡大しています。

もっとも、一般的な「商品」にこの考え方が適用される訳ではありません。

タコ焼屋の売上をタコ焼をつくった段階で計上するなら、タコ焼屋の業績は、いかにタコ焼を早く焼けるかの勝負になってしまいます。

そうするとおいしいタコ焼を真心をこめて丁寧につくっているタコ焼屋さんは、廃業です。

そうすると私は冷えたタコ焼しか食べられません。

これではあんまりです(←って、話ズレてないか?)。

まあ、レンジでチンすればいいか(キレもないのね)。

残念。

つづく。

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リスクからの解放メモ(実現との違い)

概念フレームワークが利益(純利益)を認識する考え方としてとったのが「リスクからの解放」です。

従来の収益の認識には、実現主義(実現主義の原則)がとられていました。

商品の販売についていえば、商品を相手に渡して、現金等を受取った段階で売上を計上する。

それが実現主義の考え方です。

この場合、相手もいますし、その金額もはっきりしています。

相手先との実際の取引(これが実現でしょう)があった段階で収益をたてれば、確実で、客観性もあります。

その後の税金や配当の支払いに困ることもありません(処分可能ってやつですな)。

逆にいえば、相手との取引という具体的な事実がなければ、収益をたてない訳です。

ところが、現行制度上、相手との具体的な取引に基づかないで収益(利益)をたてるケースがあります。

売買目的有価証券の評価益です。

従来の「実現利益+売買目的有価証券の評価益」が「リスクからの解放」による利益ということになります。

まあ、結果としての処理はわかりやすいです。

というか現状の処理です。

ですが、「リスクからの解放」という表現というか何というか。

えーっと、もう少しなんとかならないでしょうか。

ならないでしょうね。

ふーっ。


えーっと、無事、陥落いたしました(泣)。

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結果通知到着?

税理士試験の結果通知もかなり届いた様子。

まだという方は、月曜日の可能性が高いと思います。

結果を受けたコメント等いただければ幸いです。

税理士試験 簿記論 結果発表「掲示板」



合格なさった方は、本当におめでとうございます。

長かった苦労が報われる瞬間。

喜びをかみしめつつ、次の目標を目指してください。

残念だった方は、その思いを次回のチャンスに生かしてください。

悔しい!と思ったらその分、また勉強すればいい。

そんな思いで私はやってきた気がします。


概念フレームワーク関連の記事「利益とは何か(1)〜」につきましては、財務諸表の構成要素を概観した段階でひとまず一区切りです。

充電後に「リスクからの解放とは何か」をはじめようと思っています。

ある程度、財務諸表論での出題も考えながらということになりますが、思い切って少し踏み込もうかなとも思っています。

この辺はどうなるのか私にもわかりません(←わからないのね)。

ぜひ、ご期待ください(←最近、引っ張りますこと)。


おおおっ。ランキング1位ゲット!!

ご支援の程、ありがとうございます。

この調子でさらに上位を目指します(←何位?)。

さらなる上位を目指して、ご協力お願い致します!!(←だから何位だって)。

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利益とは何か(5)

純利益は、損益法と財産法という二つの方法によって計算することができます。
損益法や財産法の計算要素である収益、費用、純資産をきちんと決めることができれば、純利益の意味もみえてくるでしょう。
収益と費用は、これを積極的に定義しようとすると曖昧になりがちで、純資産の方がすっきりといきそうです。

純資産は、資産と負債の差額です。
資産と負債がきちんと定義できれば、その差額としての純資産の意味も明確になります。
資産概念と負債概念は対照的ですので、資産概念をきちんと定義できれば、純資産の意味も明確になります。

かなりラフには、概念フレームワークは、このような選択をしました(おおっ、概念フレームワークが登場ですな。ちなみにすでに(5)ですが)。
つまり、曖昧になりがちな収益や費用を直接的に定義する事は避け、「純資産の変動額」として利益を捉えたのです。
純資産は、「資産と負債の差額」ですので、概念フレームワークで独立した定義が与えられているのは、この資産と負債だけになります。
負債は、資産と対照的ですから概念フレームワークの諸概念の理解には、資産の定義が大きな意味を持ちそうです。

それでは、概念フレームワークでは、資産をどのように捉えているのでしょうか。
ここでは、それ以前の資産概念との比較で簡単にみておきましょう。

概念フレームワークで資産は、「経済的資源」と定義されています(もっと長いですが)。
経済的資源というと石油とか、石炭を思い浮かべてしまいそうですが、概念フレームワークの資産概念はちと違うようです。
経済的資源は、「将来のキャッシュの獲得に貢献する便益の源泉」とされています(ちと、厳しいですな)。

概念フレームワークでは、誤解をおそれずにいえば、「現金収入の獲得に役立つもの」を資産と考えたのです。
決算日に売却したと考えた場合の収入をもたらすものだけではありません。
「将来の」現金収入に役立つものも資産と考えたのです。

現金やこれに準ずるもの、直ちに現金収入をもたらすものはもちろん資産でしょう。
「将来の」現金収入に貢献するものも資産です。
えーっと、この事が何を意味するのかは、直ちにはわかりませんが(←わからないのね)、概念フレームワークの資産概念の中枢に、現金(キャッシュ)があることは間違いないようです。

概念フレームワークで唯一の独立した定義を与えられている資産は、現金と関連づけされています。
それは、偶然にも簿記の学習をはじめた当初、借方と貸方がゴチャゴチャになっていた初学者の私と同じようです。
しかし、単なる偶然とは言い切れない面もあるのかもしれません。
現金というとても明確でわかりやすいものにいずれもが向かったと考えることもできるのではないでしょうか。
その意味では、概念フレームワークは私です(←そ、それは違うでしょ。たぶん)。

ただ、大きな違いがあります(←やっぱり違うのね)。
それは、私は目に見える現金、そこにある現金を想像していました。
概念フレームワークで想定されているのは、あくまでも現金の流れという点です。
「将来の現金収入」に「現時点」で貢献しているであろう資産の姿が、浮かび上がって………こないか?

利益とは何か(6)

利益とは何か(4)

簿記を学習した当初に仕訳がゴチャゴチャになった記憶があります。
借方と貸方って、どっちがどっち?
金を貸して、何で借方に貸付金?
資産と収益って、どっちも有利っぽいけどなんで増減の関係が逆?

今では、五区分の増減を間違えることはあまりありません(←ちょっとはあるのね)。
しかし、学習をはじめた当初は、ゴチャゴチャでした。
そのゴチャゴチャも時間とともに解消していきました。
仕訳を数多くこなすことで自然と解消していった面もあるでしょう。
五区分の増減のルールーが頭に入ってきたということもあるのかもしれません。
しかし、私自身が最もゴチャゴチャの解消に貢献したと思えるのは、別のルートでした。
それは、現金に注目することです。

現金は資産。
資産の増加は借方。

この二つの事実だけにとても着目しました。
たぶん講師に促されたのだとは思いますが、残念ながらきっかけについてのはっきりした記憶はありません。
現金という一つの資産に着目するだけで、相手科目がわかれば、多くの仕訳をきることができます。
それは、現金がなじみもあり、とてもわかりやすく、明確だったからなのでしょう。
具体的で明確なものを元に仕訳の仕組みを考えたので記憶にも定着しやすかったのだと思います。

そのうち、対象は具体的な現金以外の資産(預金や備品等)に広がりました。
そしてその延長に貸付金や売掛金といった他の資産を考えました。
さらにその反対として借入金や買掛金といった負債を想定することで、きれる仕訳も増えていったように思います。
資産と負債が反対の性格を持っていて、その増減の記録も逆になるということが明確に意識できてからは、仕訳の貸借を間違えることは極端に減ったと思います。
五区分で最後に残ったのは、やはり費用や収益ではなかったかと思います(資本もですが)。

自らの実体験のみに照らして五区分のわかりやすさを判断する訳にはいかないかもしれません。
しかし、資産や負債、そしてその差額としての純資産(当時は資本)よりも費用や収益の方が捉えどころのない概念であることは間違いないのではないでしょうか。

純利益は、収益と費用の差額として算定されますが、収益や費用を直接的に定義することはどうも難しそうです。
その事は、収益や費用がわかりにくいことと同様かもしれません。
どうやら、「資産と負債の差額」として純資産を定義する方が近道のようです。

利益とは何か(5)

利益とは何か(3)

損益法によれば、純利益は収益と費用の差額として算定されます。
財産法によれば、純利益は、期末純資産と期首純資産の差額、つまり、「純資産の変動額」として算定されます。
そして両方法による純利益は一致します。
両方式の計算要素である収益や費用、純資産が明確であれば、何も問題はありません。
しかし、それぞれの概念(収益、費用、純資産)は、それほど明確なのでしょうか?

もちろん、収益、費用、純資産は、簿記会計で一般的に使用されている用語です。
皆目検討がつかないということはないでしょう。
しかし、例えば、「収益とは何か?」という問いに置き換えて考えてみてください。
案外とやっかいな問題であることに気づくのではないでしょうか。

損益法では、純利益は収益と費用の差額として算定されます。
純利益を仮に、「収益と費用の差額」と定義するなら、収益や費用がきちんと定まっていないと意味がありません。

それでは、収益とは一体何なのでしょうか?
費用とは一体何なのでしょうか?

極めて抽象的には、収益は「成果」であるとはいえそうです。
100円の商品を仕入れて、その商品が150円で売れれば、150円の成果があがったとはいえるでしょう。
150円の売上という成果を獲得するためには、100円の売上原価という犠牲は不可欠です。
このように考えると費用は「犠牲」だといってよいかもしれません。

売上という価値の獲得=成果が収益で、売上原価という価値の消費(喪失)=犠牲が費用ととりあえずはいえそうです。
しかし、どうも判然としないとの印象を抱くのは私だけでしょうか。
もう少しいえば、すっきりしないのです。
経験的には、すっきりとしているかいないかということは案外と大事なように思います。
誰もが言っている事であったとしても、それが正しい事であったとしても、自分ですっきりしていないことを元にして、その先を語ることはできません。

おぼろげながらも成果や犠牲という語を使えば、収益や費用の性格を何らかの形であらわしていることにはなりそうです。
しかし、もっと明確な考え方をとることはできないのでしょうか?
すっきりすることはできないのでしょうか?

利益とは何か(4)

利益とは何か(予告・その3)

概念フレームワークの入口に立つ前に、ぜひ読んでいただきたい過去記事をご紹介しています。

これまでにご紹介した記事は次のとおりです。

概念フレームワーク(1)〜(3)

損益計算書原則一A

動態論の資産概念



本日、ご紹介するのは、次の記事です。

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おっ。停電かな(←もう、意味がわかりません)。

こちらでした。

実現とは何か(1)〜(9)

えーっと、これは自信作です(←いつも自信満々だこと)。

まあ、ホントに自信作かはさておき(←おいちゃうのね)、一つ自慢を。

ぜひ、今年の財務諸表論の理論の出題(第一問)をご覧ください。

記事自体は、昨年の春先に書いたもので、試験後に修正等は加えていません。

なんといいますか、当てる気もないのに当たっちゃったみたいな。

す、すごくないですか。

まあ、誰もすごいって言ってくれないんで、自分で言っときます。

はい。

えーっと。一応、2匹目のドジョウを狙っています。


すごいと思われた方のご声援(1クリック)の程、よろしくお願い申し上げます。

えーっと、とりあえず、こいつが喜ぶなら押しといてやるかという方のご慈悲もよろしくお願いいたします(←慈悲なのね)。

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概念フレームワーク

本年は、財務諸表論、強化年です(←そうなのね)。

その中でも注目は、「討議資料 財務会計の概念フレームワーク」

以前、簡単な記事でご紹介しました。

概念フレームワーク(1)〜(3)」

記事の中では、まだ試験的な重要性としては微妙であるかの表現になっています。

しかし、来年度の税理士試験の財務諸表論では必須といってよいでしょう。

理由は二点です。

(1)「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」といった新しい会計基準の制定時に反映されている点

(2)理論での出題が先行する傾向にある公認会計士試験において出題がみられた点

実際の出題があるかはもちろんわかりません。

しかし、財務諸表論学習者にとって避けることはできないといってよいでしょう。

今後、このブログにおいても概念フレームワークについて書く機会は増えると思います。

で、どなたかお教え願いないでしょうか。

「講師だって教えて欲しい!!(純利益と包括利益)」


で、ダメならこっちをクリックということでお願いできないでしょうか(なんか、ズルズル降下の予感がします。はい)。

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概念フレームワーク(3)

「概念フレームワーク」は、会計基準をつくる際の指針の役割をもつ基本的な考え方のまとまりです。
なんか難しい事がいろいろと書かれています。
まあ、ほとんどわかってませんが(って、あんた)。
その中でちょっと気になったのが、今までとても大事だと考えられていた基本的な考え方で概念フレームワークに出てこないものの存在です。

一つは、「実現」です。

以前、企業会計原則の規定、(損益計算書原則一A)をご紹介しました。

そこでは、収入・支出を発生期間に割り当てろと規定されていました。
ただし、収益については、限定があって、未実現収益を計上してはいけないことになっています。
つまり、収益については、「実現」したら計上することとされている訳です。
その「実現」という概念が、概念フレームワークには登場しません。
ただ、それに似た概念が登場しています。
概念フレームワークが「実現」概念にかえて用いているのが、「リスクからの解放」という考え方です。

「リスクからの解放」???

なんだかよくわかりませんが。
なぜ、リスクからの解放という新たな考え方を採用したのでしょうか。
果たして、実現概念を捨て去ってしまったのでしょうか。
この点については、日を改めて書きたいと思います。

実現概念については、いわば、別の言葉に置き換えたということのようですが、それ以外に、同様の物が存在しないものとして、「対応」と「配分」とがあります。
おおざっぱにいえば、従来の企業会計は、収益を実現主義で認識する。
その収益に対応する費用が該当期に配分される。
この両者の差引計算で損益計算を行っていた訳です。
対応と配分は、これまでの企業会計の核だった筈です。
概念フレームワークでは、これらの概念を捨て去ってしまったのでしょうか。
この点についても日を改めて書きたいと思います(って、やっぱり)。

概念フレームワークは、まだ討議資料の段階で、試験での直接的出題の可能性が高い訳ではありません。
しかし、これまでの核であるとみられていたものを変質、あるいは登場させないというのであれば、やはりこれは大きな転換ということになるのでしょう。
とするならば、試験委員の意識にものぼりやすく、試験での出題の可能性も高くなる筈ではないでしょうか。
このことは、討議資料をみなければいけないとか、リスクからの解放という考え方を知っていなければならないことを意味している訳ではありません。
ただ、従来の「実現」、「対応」、「配分」ということに対して、きちんとした理解をもって準備しておいた方がよいのではないかと思うのです。
では、より具体的に、どんな出題が想定されるのかは残念ながらわかりません(って、オチまで、マンネリなのね←マンネリいうな)。

概念フレームワーク(2)

「概念フレームワーク」は、財務会計の基礎的な考え方の枠組みです。
様々な会計基準の基礎を提供するものといってよいでしょう。
会計基準を新しくつくったり、会計基準を改定したりするときに「概念フレームワーク」を参照しようという寸法です。
今はまだ検討段階の概念フレームワーク自体が試験にダイレクトに関係するということはなさそうです。
しかし、全く関係がないのかというとそうでもないのではないでしょうか。

ここ数年、会計基準のラッシュ状態が続きました。
その余韻は今も残っています。
たくさん出来た会計基準の中で、量も多く、重要性の高いものというと「金融商品に係る会計基準」があります。
実際の適用は、平成12年4月1日以後に開始する事業年度(早期適用がその1年前)からです。
基準の冒頭にある日付をみますと平成11年1月22日になっています。
実際の検討はその数年前から行われていたということになるのでしょう。
金融商品会計基準で従来と大きく異なるようになったのは、有価証券(売買目的有価証券とその他有価証券)の時価評価でした。
今まで、原価(ないしは低価)だったものが時価な訳ですから、これは大きな転換といってよいでしょう。

実際の税理士試験の財務諸表論の理論の出題をみますと、平成16年以前では、平成11年と平成8年に有価証券に関する出題があります(頻度的にも多いです)。
もちろん切り口は同じではありませんが、金融商品会計基準の制定とかなりリンクしているといえるのではないでしょうか。
これは必然という訳ではないでしょうが、偶然でもないでしょう。
今まで原価評価だったものが時価評価になるということは大きな転換です。
当然、色々なところで話題にもなるでしょうし、試験委員の意識にも上りやすくなる筈です。
それが、出題につながったと考える方が自然ではないでしょうか。

その意味では、直接的出題は考えにくいですが、関連して意識に上りやすいと考えられる項目に関しては、受験生の側でも、完全な対策をとるということではなしに、意識にあげておくことは無意味ではないと思います。

と、かなり長くなってきましたが、そのためにちとみておいたらよいのではないかと思うのが、たたき台で、あれっ無くなっちゃったのと思える概念、すなわち、「実現」、「対応」、「配分」の諸概念です。

概念フレームワーク(3)へ

概念フレームワーク(1)

「概念フレームワーク」をご存知でしょうか。

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2021-09-16

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