税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

特殊仕訳帳制度

特殊仕訳帳制度

<テキスト記事一覧>
特殊仕訳帳の意義と種類
特殊仕訳帳の考え方
簿記一巡と特殊仕訳帳
二重仕訳の意味
英米式の流れ
英米式の普通仕訳帳の記入
英米式の特殊仕訳帳の記入
大陸式の特徴
大陸式の流れ
大陸式の普通仕訳帳の記入
一部当座取引


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一部当座取引

【一部当座取引の意味】
一部当座取引とは、仕訳で示すと次のような取引をいいます。

(借)当座預金 ××× (貸)受取手形×××
   手形売却損×××

特殊仕訳帳として当座預金出納帳を用いている場合、上記の取引を特殊仕訳帳ないしは普通仕訳帳のいずれかのみにそのままの形で記録することはできません。
このようにそのままの形では普通仕訳帳、特殊仕訳帳への記録ができない取引を「一部当座取引」といいます。


【一部当座取引の記帳方法】
一部当座取引の記帳方法には、次の三つの方法がある。
(1)単純取引に分解する方法
(2)取引を擬制する方法
(3)取引全体を普通仕訳帳に記録する方法

手形の割引を例にとって考えてみましょう。

(1)単純取引に分解する方法
(借)当座預金 90 (貸)受取手形90 → 当座預金出納帳
(借)手形売却損10 (貸)受取手形10 → 普通仕訳帳
 
(2)取引を擬制する方法
(借)当座預金 100 (貸)受取手形100 → 当座預金出納帳
(借)手形売却損 10 (貸)当座預金 10 → 当座預金出納帳
  
(3)取引の全体を普通仕訳帳に記録する方法
(借)当座預金    90 (貸)受取手形(レ)90 → 当座預金出納帳
(借)当座預金(レ) 90 (貸)受取手形   100 → 普通仕訳帳
   手形売却損   10

各処理方法で、記録される仕訳帳は異なっています。
また、(1)と(2)では、二重仕訳は生じていませんが、(3)では、二重仕訳(特殊仕訳帳と普通仕訳帳の間の二重仕訳)が生じている点に注意しましょう。

大陸式の普通仕訳帳の記入

【大陸式の普通仕訳帳の記入】
大陸式によった場合の普通仕訳帳に記録される取引は、次のとおりです。
(1)開始手続
(2)期中手続
(3)合計仕訳

開始手続には、開始仕訳と再振替仕訳がありますが、純大陸式と準大陸式の違いに注意しましょう。
大陸式をとった場合に普通仕訳帳に記入される期中取引は、それほど多くありません。


【合計仕訳】
大陸式は、仕訳帳→元帳という流れを重視します。
そのため、特殊仕訳帳からの合計転記についても、普通仕訳帳を経由する場合が多いです。
この場合、普通仕訳帳に行われる仕訳を合計仕訳と呼びますが、この場合の合計仕訳は、特殊仕訳帳の記録の合計を仕訳の形式で示したものに他なりません。
従って、例えば、仕入帳であれば、次のような仕訳が行われます。

仕入××× 買 掛 金   ×××
         支払手形   ×××
         諸  口(レ)×××

いわばこの仕訳が、特殊仕訳帳の要約記録で、この仕訳は、元帳への転記を前提としています。
すでに個別転記が行われている諸口欄(貸方・諸口)については、この段階では転記不要になります。
したがって、実際の普通仕訳帳の記入にあたっては、転記不要を意味する「レ」(チェックマーク)を付することになります。

大陸式の記帳の流れ

大陸式によるおおまかな記帳の流れをみておきましょう。

【期首(月初)】
(1)開始仕訳
(2)再振替仕訳
いずれも「普通仕訳帳」から「個別転記」されます。


【期中(月中)】
(特殊仕訳帳)
(1)特殊仕訳帳に記録される営業取引
親勘定  →転記不要(レ)※期末に合計転記
相手勘定
 諸口欄 → 個別転記 ※相手勘定が親勘定の場合は転記不要(レ)
 特別欄 → 転記不要(レ) ※合計転記[期末]

(普通仕訳帳)
(2)特殊仕訳帳に関係しない営業仕訳 → 普通仕訳帳から個別転記


【期末(月末)】
合計仕訳 → 合計転記 
(1)特殊仕訳帳の親勘定 普通仕訳帳→合計転記
(2)特殊仕訳帳の特別欄 普通仕訳帳→合計転記※個別転記されている部分(レ)


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大陸式の特徴
大陸式の普通仕訳帳の記入
一部当座取引

大陸式の特徴

【大陸式の特徴】
大陸式の大きな特徴は、「仕訳→元帳」という手続きを貫く点にあります。
何故、そこにこだわるのかといえば、「仕訳帳」と「合計試算表」(元帳の貸借合計を集めた表)の一致を維持したいためです。
この両者の一致を確認することにより、かなりの程度に帳簿の記録(転記)の正否を確認できます。

帳簿記録そのものは、大陸式も英米式も大きく異なりません。
仕訳のうち特殊仕訳帳と普通仕訳帳に記録される取引の考え方は、基本的には、英米式と同様です。
最も大きく異なる点は、合計転記を特殊仕訳帳からではなく、普通仕訳帳を経由して行うことがある点です。
これは、上記のような普通仕訳帳と合計試算表の一致を維持するためです。

しかし、複数の特殊仕訳帳に記録がなされる取引に関して、いずれも普通仕訳帳に記録を行うのでは、記録がダブリます。
この不都合を回避するには、仕訳帳の金額から特殊仕訳帳間の二重仕訳の金額を除けばよいことになります。
これが、二重仕訳削除(控除)金額です。
二重仕訳削除(控除)金額が、解答要求としてあげられることも多いですが、それが何故なのかという意識をもって帳簿組織に臨むべきでしょう。


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英米式の特殊仕訳帳(仕入帳の例)の記入

【特殊仕訳帳記入の意味(親勘定)】
特殊仕訳帳として仕入帳を用いる場合の基本的な考え方をみておきましょう。
まずは、「特殊仕訳帳としての仕入帳」に記入する意味です。
特殊仕訳帳は、「仕訳帳の役割も持った補助簿」だから、「特殊仕訳帳である仕入帳」に記入すること自体が仕訳の意味を持ちます。

(通常の仕訳)
(借)仕  入××× (貸)○○○×××

(特殊仕訳帳への記入)
(借)仕  入××× (貸)○○○×××

つまりは、仕訳レベルでいうと、全く同じ意味を持ちます。
借方の仕入は、月末に一括して合計額を転記すればよいです(合計転記)。
したがって、その都度の転記(個別転記)は要しません。


【特殊仕訳帳記入の意味(相手勘定)】
問題は、貸方です。
貸方の項目は、記入される特殊仕訳帳としての仕入帳での取扱いが異なります。
(1)特別欄に記入される場合
(2)諸口欄に記入される場合

「特別欄」とは、借方・仕入の相手勘定としてよく出てくる勘定について、設けられた欄です。
掛けによる仕入が多いのであれば、買掛金という特別欄が設けられます。
この特別欄が設けられている場合は、その都度の転記(個別転記)は不要です。
なぜなら、特別な欄を設けて、それだけを集計できるのだから、月末に一回だけ転記(合計転記)すればよいからです。
元丁欄には、転記不要を意味する「レ」(チェックマーク)を付します。

「諸口欄」には、特別欄に記入されなかった取引が記録されます。
基本的には、その都度転記(個別転記)されるますが、相手勘定が他に用いられている特殊仕訳帳の親勘定である場合は、その親勘定である特殊仕訳帳に記入されるので、転記は不要であり、「レ」を付します。

その他が、特殊仕訳帳としての仕入帳から個別転記されます。


【具体例】
今、特殊仕訳帳として、仕入帳(特別欄:買掛金)と当座預金出納帳が用いられている場合の次の取引を考えてみましょう。

【掛仕入】
通常の仕訳:(借)仕  入××× (貸)買掛金×××
仕入帳記入:上記と同じ意味
(転記)
借方・仕 入→仕入帳から月末に合計転記
貸方・買掛金→仕入帳の特別欄(買掛金欄)から月末に合計転記

【当座仕入】
借方・仕  入→仕入帳から月末に合計転記
貸方・当座預金→当座預金出納帳(特)から月末に合計転記



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英米式の普通仕訳帳の記入

【普通仕訳帳の記入】
特殊仕訳帳制を採用した場合、普通仕訳帳には、再振替仕訳と期中取引のうち特殊仕訳帳に記入されない取引が記録されます。

普通仕訳帳の記入にあたって留意すべき点は次のとおりです。
ぜひ、実際の普通仕訳帳の記入と見比べながら読んでください。
あまり細かい点にこだわるのは、得策ではありませんが(実際に普通仕訳帳の記入が問われることも多くはありません)。

一般的な仕訳:
(借)支払家賃××× (貸)前払家賃×××

普通仕訳帳の場合:
(支払家賃)××× 
……………………(前払家賃)×××


【特徴】
(1)勘定科目と金額の書き方
通常、一行のみの仕訳をただ書くときには、借方・貸方を一行に書きますが、普通仕訳帳に記入する場合には、借方・貸方を一行ずつずらします。
これは、元丁欄(転記をした元帳の丁数を記入する欄)の記入を確保するためです。

(2)普通仕訳帳の元丁欄には、総勘定元帳の口座番号(又はページ数)を記入します。

(3)普通仕訳帳には、仕訳の後に行を変えて簡単な説明書き(小書き)を書きます。
実際の試験で書くことは、ほとんどありません。

(4)普通仕訳帳の勘定科目については、( )をつけます。
これは、小書きと区別するためです。

細かい記入に関しては、簡単な理由とともにおさえておくとよいでしょう。


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英米式の記帳の流れ

個別的な帳簿の記入に入る前に、おおまかな、英米式による記帳全体の流れを考えておきましょう。

【期首(月初)】
(1)繰越記入
元帳上の前期繰越の記入→元帳上のみの処理

(2)再振替仕訳
前期末の経過勘定項目の逆仕訳→普通仕訳帳へ(個別転記)


【期中(月中)】
(1)特殊仕訳帳に記入する取引
(現金出納帳−入金の例)
記入の意味 → (借)現  金××× (貸)○○○○×××
(イ)借方・親勘定(現金)
(ロ)貸方・相手勘定
   特別欄の場合……期中段階では転記不要(月末に合計転記)
諸口欄の場合……個別転記(相手勘定が他の特殊仕訳帳の親勘定の場合は、転記不要)

(2)普通仕訳帳に記入する取引
普通仕訳帳から個別転記


【期末(月末)】
特殊仕訳帳からの合計転記
(1)親勘定の合計転記
(2)特別欄の合計転記


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二重仕訳の意味

【二重仕訳の考え方】
仕訳帳を一つしか使っていなければ(単一仕訳帳制)、一つの取引を二度も仕訳するのは、単なるミスでしかありません。
しかし、特殊仕訳帳制を採用する場合は、ミスではなしに、仕訳が二度行われることがあります。

特殊仕訳帳に記入することは仕訳と同じ意味を持ちます。
一つの取引が、複数の特殊仕訳帳に記入されれば、それは、仕訳を二回行ったのと同じ意味があります。
これはまずいです。
何がまずいのかというと、元帳の記録がダブってしまうからです。
仕訳を行った以上、元帳に転記すべきです。
しかし、一つの取引を二度にわたって仕訳をし、これを元帳に転記したのでは、元帳の記録がダブってしまうのです。
このように複数の仕訳帳に同じ取引の仕訳(記入)が行われることを「二重仕訳」と呼びます。
この二重の仕訳を二重に転記(二重転記)しないための工夫が必要になります。


【具体例】
いま、現金出納帳と売上帳を特殊仕訳帳として採用するケースを考えましょう。

(現金売上の例)
【単一仕訳帳の場合】
仕訳帳……現金××× 売上×××

【特殊仕訳帳(現金出納帳と売上帳)】
特殊仕訳帳(現金出納帳)……入金欄の記入(現金×××売上×××の意味がある)
特殊仕訳帳(売上帳)…………通常の記入(現金×××売上×××の意味がある)

この場合に、特殊仕訳帳としての現金出納帳から借方・貸方の転記、同じく特殊仕訳帳としての売上帳から借方・貸方の転記を行えば、現金勘定と売上勘定の記録は、二度ずつ行われてしまいます。
これは回避しなければなりません。
この回避の手段は、後ほど触れるとして、どのようなケースで二重仕訳が生ずるのかを考えておきましょう。

特殊仕訳帳として、現金出納帳、売上帳、仕入帳を採用している場合には、二重仕訳となる取引は、次のとおりです。
現金売上:(借)現  金××× (貸)売  上×××
現金仕入:(借)仕  入××× (貸)現  金×××

現金出納帳、売上帳、仕入帳以外に、受取手形記入帳、支払手形記入帳も特殊仕訳帳として利用している場合には、二重仕訳となる取引は次のとおりです。
現金売上:(借)現  金××× (貸)売  上×××
現金仕入:(借)仕  入××× (貸)現  金×××
手形売上:(借)受取手形××× (貸)売  上×××
手形仕入:(借)仕  入××× (貸)支払手形×××

二重仕訳になるかどうかは、実際に仕訳をきってみて、その仕訳が、補助簿に記録されるかどうかを考え、二つの補助簿に記録されるかで判断すればいいでしょう。
特殊仕訳帳として現金出納帳と当座預金出納帳が利用されている場合には、現金の当座預金への預入れは、二重仕訳となる取引に該当します。

現金の当座預入:(借)当座預金××× (貸)現  金×××

注意点は、手形記入帳です。
手形記入帳には、基本的には、増加記録しか行わないので、特殊仕訳帳として支払手形記入帳と当座預金出納帳を利用している場合でも、支払手形の当座決済取引は、二重仕訳となる取引に該当しません。

支払手形の当座決済:(借)支払手形××× (貸)当座預金×××

借方の支払手形(支払手形の減)は、手形記入帳には記入されないからです。


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簿記一巡と特殊仕訳帳制

【簿記一巡の手続と特殊仕訳帳】
総合問題として帳簿組織が出題される場合には、何らかの形で簿記一巡の理解を問う形式になる場合が多いといえます。
特に通常の出題形式では問うことが少ない開始手続も含めて、簿記一巡の理解なくして、帳簿組織の総合問題には対処できないと考えた方がよいでしょう。
今一度、簿記一巡の手続を振返ってきましょう。

(開始手続) (1)開始仕訳(記入) (2)再振替仕訳
(期中手続)
(決算手続) (1)決算整理仕訳   (2)決算振替仕訳

特殊仕訳帳は、「仕訳帳の役割ももった補助簿」でした。
ただの補助簿だった現金出納帳を仕訳帳としても利用する訳です。
特殊仕訳帳に記録される可能性があるのは、上記でいえば、期中手続のみです。
開始手続や決算手続は、対外的な取引が存在しない、いわば帳簿上の手続であり、そもそも補助簿の記録(例えば現金の出入り)とは、関係がないからです。


【特殊仕訳帳の種類と記入取引】
比較的よく利用される特殊仕訳帳としては、現金出納帳、当座預金出納帳、仕入帳、売上帳、受取手形記入帳等があります。
特殊仕訳帳は、補助簿を仕訳帳としても利用するのですから、それぞれの「本来の補助簿」に記録されない取引は、普通仕訳帳に記入されることになります。

例えば、現金出納帳には、現金の増加と減少が記入されます。
仕訳をした場合には、借方・現金、貸方・現金となる取引は、特殊仕訳帳制を採用した場合に、普通仕訳帳には記録せず、特殊仕訳帳としての現金出納帳に記録されることになります。

手形記入帳(受取手形記入帳及び支払手形記入帳)には注意しましょう。
手形記入帳は、基本的には、増加の記録を行うのみであり、減少の記録は、てん末欄と呼ばれる欄にちょこっと記録される程度です。
したがって、手形記入帳を特殊仕訳帳として採用している場合にも手形の増加取引のみが記録されるだけで、手形の減少取引は、手形記入帳ではなく、普通仕訳帳に記録されることになります。

特殊仕訳帳の基本的考え方

【特殊仕訳帳の考え方(個別転記)】
特殊仕訳帳は、「仕訳帳の役目も果たす補助簿」です。
このことを強烈に意識していないと特殊仕訳帳の意味がぼやけ、総合問題を解く時にも何をしているのかわからなくなる可能性があります。

今、このことを簡単な例で示しておきましょう。

(取引例)買掛金100を現金で支払った。

(1)単一仕訳帳の場合
(仕訳帳)(借)買 掛 金100 現  金100

(2)特殊仕訳帳=現金出納帳の場合
(特殊仕訳帳としての現金出納帳)出金欄100

今、言いたいのは、
(1)単一仕訳帳に記録を行うことと、
(2)特殊仕訳帳としての現金出納帳の出金欄に記入すること
は、仕訳として「同じ意味を持つ」ということです。
どのような意味で同じなのかといえば、「仕訳をしたら元帳に転記を行う」という点においてです。
仕訳→元帳というルールは、当然のことながら特殊仕訳帳制のもとでも生きています。


【特殊仕訳帳の考え方(合計転記)】
特殊仕訳帳として現金出納帳を用いた場合、その記入は、基本的に、現金勘定の記入と同じです。
簿記の基本的仕組からいって元帳としての現金勘定が不要という訳ではありませんが、別に元帳に現金出納帳よりも大雑把な記録を重ねてする必要もありません。
そこで、いちいち現金勘定に転記(個別転記)することなく、一定期間末(月末)等に合計額を一度だけ転記(合計転記)することが行われます。

このことを簡単な例をもって示しておきましょう。
(取引例)現金増資50 を期中に二回

(1)単一仕訳帳制の場合
(仕訳帳)現金50 資本金50 → 現金勘定の借方にその都度転記(個別転記)
     現金50 資本金50 → 同上
(元 帳)現金勘定→借方に「それぞれの日付」で、50ずつの記録
   
(2)特殊仕訳帳制の場合
(特殊仕訳帳=現金出納帳)入金欄に50の記録を2回(そのつど転記はしない)
(元 帳)現金勘定→借方に「月末の日付」で、合計100の記録(合計転記)

個別転記と合計転記の違いは重要です。
「個別転記」は、取引が行われ、仕訳が行われた都度、元帳に転記することをいい、「合計転記」は、一定期間末(月末)等に、まとめて合計額(この場合は、借方合計及び貸方合計)を転記することをいいます。
合計転記が行われる場合は、個々の取引が仕訳帳(特殊仕訳帳を含む)に記録されたとしてもその都度の転記(個別転記)は行われません。

特殊仕訳帳の意義と種類

【特殊仕訳帳の基本的考え方】
仕訳帳と元帳を「主要簿」といい、これを補助する帳簿が「補助簿」です。
主要簿は、複式簿記の仕組みから欠くことができません。
しかし、例えば、現金を頻繁に取り扱う企業にとって、現金の管理には、「補助簿としての現金出納帳」も欠くことはできません。

考えてもみれば、(1)仕訳帳への記入、(2)元帳への転記、(3)補助簿への記入と同じような記入を繰り返しています。
同じ記録を何度(仕訳帳→現金勘定と現金出納帳)も行うのは、ちと、ムダではないか?
このダブった記録を一部省略するのが特殊仕訳帳の基本的な考え方です。
現金出納帳は、現金を扱う企業には欠くことのできない帳簿で、これは省けません。
むしろ、仕訳帳への記録を省略するのが狙いです。

では、どうするかというと、補助簿(現金出納帳)の記録をもって、仕訳帳(普通仕訳帳)への記録を省略するのです。
仕訳帳→元帳は、簿記の基本的なルールなのでこれを崩すことはできませんが、補助簿から直接、元帳に転記すれば済みます。
つまり、補助簿を「仕訳帳としても」利用するのです。
このような仕組みのもとでの「仕訳帳と化した補助簿」は特殊仕訳帳ないしは分割仕訳帳と呼ばれます。

「特殊仕訳帳制度」は、補助簿を仕訳帳としても利用する制度です。
理論的には、特殊仕訳帳は、「仕訳帳(の機能)を分割した」という考え方と「補助簿が主要簿に昇格した」という考え方があります(わかりにくいし、どっちでもいい気がしますが)。
前者の考え方をとれば、特殊仕訳帳がまたの名を分割仕訳帳と呼ぶ理由も頷けます。
特殊仕訳帳制度が採用された場合の通常の仕訳帳は、特殊仕訳帳と区別する意味で「普通仕訳帳」とよばれています。


【特殊仕訳帳として利用される補助簿】
特殊仕訳帳として利用される補助簿には、現金出納帳、当座預金出納帳、仕入帳、売上帳、受取手形記入帳、支払手形記入帳等があります。
なお、手形記入帳の主たる目的は、手形の増減そのものよりも支払(受取期日)の管理にあるので、減少記録は、通常、てん末欄にほんのメモ書程度に書かれるにすぎません。
この辺の記入内容を簡単にでも確認しておきましょう。


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