税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

本支店会計

本支店会計

<テキスト記事一覧>
本支店会計の前に
本店勘定と支店勘定
本支店の形態と内部利益の付加
本支店合併財務諸表の作成
内部取引高の相殺と照合勘定の相殺の意味
内部利益の控除方法
内部利益控除の意味
本店による資産管理
直接仕入と直接売上

<軽めの簿記の話>
本支店会計の種類
似たもの取引
内部利益を付加しない取引
直接仕入・直接売上
本支店会計の出題可能性
内部利益の算出方法
帳簿上の手続と合併財務諸表


税理士試験 簿記論 講師日記 全テキスト記事一覧

帳簿上の手続きと合併財務諸表

本支店会計は、本店と支店に別々の帳簿を設けています。
損益計算書や貸借対照表といった財務諸表を作成する段階では、本店と支店を一緒にします。
でも、帳簿(仕訳帳や元帳)を一緒にする訳ではありません。

合併財務諸表の作成段階では、照合勘定(本店勘定と支店勘定)の相殺と内部取引勘定(本店仕入勘定と支店売上勘定)の相殺が行われます。
これはあくまでも財務諸表の作成の上での話で、実際の帳簿(仕訳帳や元帳)に記録される訳ではありません。

合併財務諸表の作成段階では、棚卸資産に含まれる内部利益は、控除されますが、帳簿上は、直接控除される訳ではありません。

簿記の出題では、帳簿の関係を聞いている場合と合併財務諸表の作成を聞いている場合があります(両方もありますが)。
いずれが問われているのかを充分注意しましょう。


【関連記事】
本支店合併財務諸表の作成

内部利益の算出方法

内部利益は、実際の振替価格(内部利益込の金額)から算出する場合が多いです。
この場合、付加率(値入率、利益加算率)での出題か、利益率(または原価率)で算出の仕方が異なります。

(付加率の場合)
本店から支店に「原価の10%の利益」を付加して商品を送付する場合

原価が100円の商品であれば、10%の10円の利益を付加して、110円で送付します。
110円という金額から考えれば、110円×0.1/(1+0.1)=10円で内部利益が算出されます。

(利益率の場合)
本店から支店に「利益率が10%となるように」商品を送付する場合

原価が90円の商品であれば、100円で送付します。
この場合、100円という金額から内部利益を算出すれば、100円×10%=10円になります。

このような形で併記するとそれほどでもありませんが、うっかりしがちなので、充分注意しましょう。


【関連記事】
内部利益控除の意味
内部利益の控除方法


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本支店会計の出題可能性

今、本支店について、ダラダラと書いています。

税理士試験の会計科目は、簿記論と財務諸表論です。
もともとは、簿記と財務諸表論は、きってもきれない関係にあって、それを試験上は、とりあえず区別しているという面が強いです。
本支店は、財務諸表論での出題は、考えにくいです。
そのため出題されるとすれば簿記論ということになるでしょう。
実践的な重要性も低くはないです。

で、本支店会計の出題間隔が空いています。
これは、誰が考えても狙い目で、実際に出題されるかどうかは、別にしても、「出題されるかもしれない」と考えるのは、極めて自然です。
とすると答練なんかの出題ウェートも高い筈です。
つまりは、誰が考えてもオオヤマな訳で、これはガチガチにやっておいて損はないです。
というか、やっておきましょう。
というか、私もやります。
いや、私はいいか。

すでに学習済みの方は、ぜひ冬休みにでも。
まだ学習が済んでいない方は、学習時には、ぜひ気合を入れてみてください。

直接仕入・直接売上

今、本店が仕入れを担当し、支店が販売を担当するケースを考えましょう。

本店が外部の仕入先から商品を仕入れ、これを支店に送付した。

本店:(借)仕  入××× (貸)買 掛 金×××
      支  店×××    支店売上×××
支店:(借)本店仕入××× (貸)本  店×××

一般的に行われる取引の流れが、上記のような場合に、支店が、本店の仕入先から直接商品を仕入れた場合の処理を考えてみましょう。

支店:(借方)仕入?××× (貸方)買掛金?×××

支店が、本店からしか仕入を行っていなければ、借方の仕入勘定は、不適切です。
また、貸方の買掛金(例えばA商店に対するもの)の管理は、本店で行われているハズです。
その補助簿(A商店)も本店に設けられています。
買掛金を支店で記帳した場合には、補助簿と元帳の関係がおかしくなってしまいます。

このような不具合は、支店が本店の仕入先から直接商品を仕入れた場合でも、本店を経由して仕入れを行ったように処理すれば、解消されます。
つまりは、直接仕入れの場合でも、当初のような仕訳を行うのです。

具体的な出題としても、本店経由の処理が求められることが多いです。
慣れていないと混乱しがちですので、充分に習熟しましょう。


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直接仕入と直接売上


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内部利益を付加しない取引

支店独立会計制度をとる場合は、本支店間の商品の送付取引について、一定の利益(内部利益)を付加する出題が多いです。

例えば、本店から支店に原価100円の商品に10円の利益を付加して送付した場合の仕訳は次のとおりです。

本店:(借)支  店110 (貸)支店売上110
支店:(借)本店仕入110 (貸)本  店110

この場合、本店と支店とが別々の会社(会計単位)と考えています。
上記の取引の実質的意味は、通常の仕訳に即していえば、次のようになります。

本店:(借)売 掛 金110 (貸)売  上110
支店:(借)仕  入110 (貸)買 掛 金110

最初の仕訳の支店勘定が、債権に近く、本店勘定が債務に近いものであることがわかります。

それでは、内部的な利益を付加しない場合はどうでしょうか?

本店:(借)支  店100 (貸)仕  入100
支店:(借)仕  入100 (貸)本  店100

結果として、仕入勘定を本店から支店につけかえているに過ぎません。
もっとも出題としては、内部利益を付加するケースが多いですが、おさえておきたいところです。


【関連記事】
内部取引高の相殺と照合勘定相殺の意味


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似たもの取引

ぼやーっとした話です。
本支店会計の「本支店勘定の相殺」と連結会計の「投資と資本の相殺」の話です。

(支店の開設)
本店:(借)支  店××× (貸)現金預金×××
支店:(借)現金預金××× (貸)本  店×××

この場合の支店勘定は、投資勘定に近いです。
本店勘定は、資本勘定に近いです。

(子会社の設立)
親会社:(借)子会社株式××× (貸)現金預金×××
子会社:(借)現金預金 ××× (貸)資 本 金×××

この場合の子会社株式は、投資勘定です。
資本金勘定は、もちろん資本に属する勘定です。

本支店会計では、合併財務諸表の作成時に本店勘定と支店勘定を相殺します。
もっとも、帳簿上は、相殺する訳ではありませんので、帳簿上、上記のような仕訳→元帳記入が行われる訳ではありません。

これに対して、連結財務諸表の作成段階では、親会社の投資勘定(子会社株式)と子会社の資本勘定(資本金等)を相殺消去します。
こちらも、帳簿上は、相殺する訳ではありません。

似てますよね。
って、いうか実質同じ?

まあ、ぼやっとした話でした。

本支店会計の種類

本支店会計の種類には、本店で一括して帳簿記入を行う方法と本店と支店とで別々に帳簿記入を行う方法があります。
前者は、本店集中会計制度などと呼ばれ、後者が支店独立会計制度と呼ばれます。
本店と支店とで、帳簿(仕訳帳や元帳)を別々につけないのであれば、これは通常の支店がない場合と帳簿記入の仕方は変りがありません。
したがって、試験での出題がされやすいのも支店独立会計制度です。

(1)本店集中会計制度
本店でしか帳簿を設けない

(2)支店独立会計制度
本店と支店で別々に帳簿を設ける

入口の入口のような話ですが、簿記論の第3問の出題は、設定が妙にリアルです。
このリアルさが、問題を読みにくくしています。
今の段階では、もちろんそんな事は気にする必要ありません(直前期には、いやでも気になると思いますが)。
今の段階でできることの一つが、計算とは直接関係のない一個手前のような部分を軽く意識しておくことだと思います。

実際の出題がわかれば苦労しないんですが、そのための前段階のようなお話でした。


【関連記事】
本支店の形態と内部利益の付加


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直接仕入と直接売上

本支店間取引の処理については、はじめのうちは、現金や商品の動きに注目して、その相手勘定に本店又は支店勘定を使用するという感じでいいと思います。
慣れてきたら、期中における本支店勘定が債権債務(要は貸し借り)を意味するものだということも意識するとよいでしょう。
ただ、一般的な債権債務との大きな違いは、実際には、本店・支店は一体で、一つの会計単位なので、別に返済をしたり、されたりする必要はない点にあります。
本当の意味での貸し借りではないのです。

この点が顕著にあらわれるのが、直接仕入・直接売上のケースでしょう。
直接仕入とは、例えば、支店が本店の仕入先から直接商品を仕入れるケースをいいます。
支店が外部から仕入を行った場合は、通常、次の仕訳を行います。

仕入××× 買掛金×××

支店が本店の仕入先から直接商品を仕入れた場合は、次の処理を行うことになります。
いったん本店が仕入先から仕入れ、これを支店が仕入れた処理を行うのです。

支店:(借)本店仕入××× (貸)本 店×××

本店:(借)仕 入××× (貸)買 掛 金×××
      支 店×××    支店へ売上×××

本店による資産管理

【本店による資産管理】
固定資産取引等の頻繁に生ずることのない重要な取引は、本店ですべて管理を行い、支店では記帳を行わず、本店のみで記帳する場合があります。
また、現金など厳重な管理が必要なものについても、本店のみで記帳することがあります。
この場合には、本店によって管理される資産は支店の帳簿上には、あらわれてきません。
しかし、固定資産の減価償却などは、その用益提供を受けている会計単位が負担すべきで、支店等に割当てる処理が必要です。

(本店)減価償却費20 減価償却累計額30
    支   店10 
(支店)減価償却費10 本     店10

※次のように考えてもよいでしょう。
(本店)(借)減価償却費30 (貸)減価償却累計額30
       支   店10    減価償却費  10
(支店)(借)減価償却費10 (貸)本     店10


【減価償却の月割計算を行う場合】
 会計期間の中途で、移管が行われた場合は、全体の減価償却費を算出して、これを本店及び支店に月数按分します。

(例)期首帳簿価額100円 定率法20% 本店(3月分)→支店(9月分)
   全体減価償却費 100円×0.2=20円
   本店減価償却費 20円×3月/12月=5円
   支店減価償却費 20円×9月/12月=15円

内部利益控除の意味

内部利益を控除することの意味を簡単な例で考えてみましょう。
本支店ともに期首商品はなく、本店で、100円の商品を仕入れ、これを支店に120円で送付したという例です。


【会計処理】
本店:
(借)仕  入100 (貸)買 掛 金100
   支  店120    支店売上120
期末……0

支店:
(借)本店仕入120 (貸)本  店100
期末……120


【損益計算書(内部利益控除前)】
(本店)
売上高 120
売上原価 (期首0 +当期100−期末0)=100
売上総利益20

(支店)
売上高 0
売上原価 (期首0 +当期120−期末120)=0
売上総利益0


【内部利益控除の意味】
上記の損益計算書を単純に合算すると、

売上高 120
売上原価 (期首0 +当期220−期末120)=100
売上総利益20

内部利益を控除することの意味は、上記の売上原価の期末120円から20円部分を除くことを意味します。
これに内部取引高を相殺(売上高120と売上原価の当期の220円のうちの120円)を相殺したものが合併損益計算書です。

売上高   0
売上原価 (期首0 +当期100−期末100)=0
売上総利益 0



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内部利益の控除方法

【内部利益の控除の考え方】
内部利益は、本支店を一つの企業としてみると、まだホントの利益ではありません。
別々の企業と考えるならそれは、利益でしょう。
しかし、財務諸表作成の単位でみると同じ企業を便宜上二つ(以上)に分けただけなので、この利益が合併財務諸表に影響してはおかしいです。
これを取り除く作業を行う必要があります。

具体的な内部利益の控除は、期首商品と期末商品に含まれる内部利益を控除すればよいことになります。
これを財務諸表で考えると、

(損益計算書)
売上原価の期首商品棚卸高
売上原価の期末商品棚卸高

(貸借対照表)
商品(←期末)
に含まれています。
ここからそれぞれ(期首・期末)の内部利益を控除してやればよいことになります。


【内部利益の計算】
利益を付加している場合には、例えば、20%の利益を付加している場合には、100円の商品に対して20円の内部利益が含まれており、この内部利益を含んだ金額120円が元になっています。

120円×0.2/(1+0.2)=20円

という計算で利益が算出できます。
もちろん、原価+利益=売価 ですから、

120円÷(1+0.2)=100円(原価)

といったん原価を算出し、

120円−100円=20円

と内部利益を計算してもよいでしょう。

また、利益率(原価率)を一定として商品が送付されている場合は、利益率をそのまま乗ずればよいことになります。



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内部取引高の相殺と照合勘定相殺の意味

【内部取引高と照合勘定の相殺の意味】
内部取引高(本店仕入勘定と支店売上勘定)と照合勘定(本店勘定と支店勘定)の相殺消去の意味を考えてみましょう。

今、原価100円の商品を、AからBに送付する場合、次の3つのケースを考えてみましょう。

(1)同一の企業内部の場合(会社の5階から1階)

仕訳なし

企業内部で商品が移転しただけなので、仕訳は必要ありません。

(2)本店から支店に原価100円の商品を原価で送付した場合

本店:(借)支  店100  (貸)仕   入100
支店:(借)仕   入100  (貸)本   店100

(3)本店から支店に原価100円の商品を120円で送付した場合

本店:(借)支  店120 (貸)本店売上120
支店:(借)本店仕入120 (貸)本  店120

さて、もうお気づきでしょうか。
合併財務諸表の作成は、本当は一つの単位を二つ(以上)に分けていたものを一つに戻すことに他なりません。

(1) → (2)、(3) という具合に、本来(一つの会社なので)仕訳はいりません。
これを、(2)、(3) → (1)と元に戻しただけの話なのです。
内部利益を付加するケース(3)では、本来(一つの会社であれば)仕訳不要のところを仕訳をきっているのですから、そのまったく逆の仕訳が行われることになります。
一度だけでいいので納得したいところだと思います。



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本支店合併財務諸表の作成

【合併財務諸表の作成】
本店及び支店は、法的(制度的)には、一つの「会計単位」です。
これを一定の理由から本店と支店にわけて、帳簿(仕訳帳、元帳)を記録し、別々に財務諸表(損益計算書、貸借対照表)を作成します。
制度上、作成しなければならない「財務諸表」は、当然、一つです。

この場合、注意しなければならないのは、あくまでも「帳簿」は別々のままで、くっつけるのは、「財務諸表」という点です。
財務諸表を合併するのであるから、基本的には、ただ、同じ項目の数字を足すだけです。


【合併財務諸表の作成手続】
特徴的なのは、次の3点でしょうか。

(1)照合勘定(本支店勘定)の相殺消去

(2)内部取引高(本店仕入・支店売上勘定)の相殺消去

(3)内部利益の除去

未達事項を整理すれば、照合勘定(本支店勘定)及び内部取引高(本店仕入・支店売上)は、貸借逆に一致します。
これを合併財務諸表の作成上は、相殺消去します。



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本支店の形態と内部利益の付加

【典型的な本支店の役割分担】
簿記論では、支店が複数ある場合の出題もあります。
一般的な前提をゆるやかに考えておくとよいでしょう。

極めて一般的な出題は、「本店が仕入」を「支店が販売」を担当する場合です。
これは現実的にも多く存在する形態です。
仕入れには大量仕入による仕入単価の引下げというメリットがあります。
これに対して、販売拠点は多い方がよいです。
ここまで来いという姿勢では売るのは難しいでしょうから、販売拠点は多いほうがよいです。
本店で管理活動と仕入を、複数支店で販売を担当するのは、現実的にも多いでしょう。
そのもっとも単純な形態として本支店が一つずつの問題が想定されることが多いようです。

その典型的な本支店の形態、すなわち、本店が仕入のみを行い、支店が販売のみを行う場合を考えてみましょう。

例えば、原価100円、売価150円の商品を、
(1)本店が仕入(100円)
(2)本店が支店へ送付(100円)
(3)支店が販売(150円)

(本店の処理)
(1)(借)仕 入100 (貸)買掛金100
(2)(借)支 店100 (貸)仕 入100

(支店の処理)
(2)(借)仕 入100 (貸)本 店100
(3)(借)売掛金150 (貸)売 上150

本店・支店の損益(もうけ)を考えてみると、

(本店)収益0−費用0=利益0
(支店)収益(売上)150−費用(売上原価)100=50

つまり、本店は利益0で、支店は利益が50。
これは、おかしくないでしょうか。
もちろん本店と支店は、本来(制度的に)は、一つの会計単位であり、本支店を合わせたところで、利益が50なのは、間違いありません。
しかし、本店だって努力はしています。
もちろん何でも仕入れればよい訳ではないし、買掛金を払う手間だってあります。
いくらかは、本店も利益に貢献しているハズでしょう。


【内部利益の付加】
そこでよくとられるのが、本店が支店に商品を送付する際に、利益を付加する方法です。
たとえば、先の例で、本店が支店に商品を送付する際に、原価の20%相当額の利益を付加したとしましょう。
本店と支店を全く別の企業と考えれば、次のような処理になります。

(本店)売掛金120 売  上120
(支店)仕  入120 買掛金120

しかし、実際には、本店は、支店からその代金を回収するとは限りません。
支店の支払いもそうです。
また、売上や仕入といっても本当に20円儲かったといえるのか?というと、ちょっと怪しいです。
ならば、売掛金・買掛金 → 本支店勘定
売上・仕入 → 外部の売上・仕入と区別すればよいことになります。

(本店)売掛金(→支店)   120 (支店へ)売 上120
(支店)(本店より)仕 入 120 買掛金(本店)  120

難しい内部利益の控除の計算に取り組む前に、なぜ、内部利益を付加するのか、なぜ、そのような会計処理を行うかを考えでみましょう。



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本店勘定と支店勘定

【本店勘定と支店勘定】
本支店勘定が何を意味するのかを簡単に説明するのは、難しいです。
それは本支店勘定が、簿記上の五区分(資産、負債、資本、費用、収益)で簡単に説明できないからです。

支店の開設当初には次のような仕訳が行われます。

(本店)
(借)支  店××× (貸)現  金×××
              建  物×××
(支店)
(借)現   金××× (貸)本  店×××
   建   物×××

本店は、支店に現金と建物を出しているが、この場合の支店勘定は、投資勘定(有価証券や貸付金)に近いです。
支店は、本店から現金と建物を受け入れていますが、この場合の支店勘定は、資本(資本金)に近いです。
このような関係は、現金と建物を現物出資して子会社を設立した場合を考えるとわかりやすいかもしれません。

(本社)
(借)子会社株式××× (貸)現  金×××
               建  物×××
(子会社)
(借)現  金 ××× (貸)資 本 金×××
   建  物 ×××

支店開設時の支店勘定が投資勘定に、本店勘定が資本金勘定に近いことがわかります。

しかし、例えば、支店が本店に現金を送付した場合はどうでしょうか。

(本店)
(借)現  金××× (貸)支  店×××
(支店)
(借)本  店××× (貸)現  金×××

この場合の支店勘定は、債務(借入金や預り金等)に近いです。
本店勘定は、債権(貸付金や立替金)に近いです。
このような日常的な本支店間取引では、むしろ債権・債務をあらわす科目に近いといってよいでしょう。
このように本支店勘定が、いわばカメレオンのような性格を有するのは、本来は単一の会計単位をあえて二つ(以上)にわけるために生ずる科目だからです。

実際の本支店間取引の多くは、後者(債権債務の関係)でしょうから、この理解があると本支店間取引がややてがけやすくなるのではないでしょうか。



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本支店会計の前に

本支店会計会計の学習をはじめる前ないしは学習と並行して取り組んで欲しいことがあります。
一つは、おおきなくくりとしての債権と債務の関係を今一度確認することです。
もう一つが商品売買の基本に立ち返って欲しいことです。

本支店勘定の性格は、なかなかやっかいで、単純には語れません。
とりあえずは、債権(貸付金等)と債務(借入金等)の関係として理解するのがよいでしょう。
この時に、単に仕訳がきれるのと、債権債務の関係を自覚している場合とでは、問題の手がけやすさが異なるように思います。
もちろん実際の本試験では、それほど深く考えている余裕はないでしょうから、考えるべきは学習の初期の段階です。

もう一つが商品売買、特に売上原価の計算です。
本支店会計のメインといってもよい内部利益の控除の理解には、売上原価の理解は欠かせません。
特に内部利益の控除がいったい全体何をやっているのか分からないという人は、売上原価の計算の意味を今一度考えてみましょう。



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