税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

引当金

引当金

<テキスト記事一覧>
貸倒れの処理
償却債権の取立て
貸倒引当金の意味
債権の種類と貸倒見積額の算定
債権の種類と勘定科目
貸倒見積額の算定上の債権の区分と算定方法
キャッシュ・フロー見積法
キャッシュ・フロー見積法の戻入の処理
貸倒実績率法

<軽めの記事一覧>
二つの貸倒損失
貸倒引当金の算出単位
貸倒実績率
破産更生債権等
役員賞与引当金


テキスト記事一覧

役員賞与引当金

これまで役員賞与(役員に対する臨時的な給与)については、利益処分による経理が一般的でした。
しかし、世界的な傾向は、費用処理です。
日本も、全面的費用処理に移行しました。

会計処理自体は、費用処理でよいですが、例えば、その役員賞与が前期に係るものである場合は、引当金(役員賞与引当金)の設定が必要です。

(借)役員賞与××× (貸)役員賞与引当金

必ずしも難解な処理ではありませんので、おさえておきましょう。


【関連記事】
役員賞与の取扱い


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破産更生債権等

いわゆる「倒産」には、法的な意味での「倒産」と事実上の「倒産」とがあります。

<倒産の種類>
(1)法的な意味での倒産

(2)事実上の倒産

法的な倒産とは、何らかの法的な措置がとられた場合を意味します。
覚える必要はありませんが、一度は目にした方が、問題をてがけやすいでしょう。
具体的には、破産法による破産、会社法による解散〜清算・整理、民事再生法による民事再生、会社更生法による会社更生があります。
破産更生債権等という名称は、このうち会社を消滅させることを目的とする倒産手続である「破産」と会社を細々とでも継続させる手続である会社「更生」をその代表としてとりあげたものです。

その他にも手形取引所の取引停止処分(正確には、6月以内の2度目の処分)を受けた場合も事実上の倒産とされるようです。
個人事業者が法的な手続きを一切無視して逃げてしまうケース(夜逃げ)も事実上の倒産に含めてよいでしょう。

倒産は、債務超過や(債務の)支払不能を原因としています。
このような「倒産」状態にある者に対する債権は、破産更生債権等に区分され、保証・担保額を控除した金額を貸倒見積額とします。

なお、勘定科目としては、「破産更生債権等」が一般的ですが、不渡手形については、不渡手形勘定が用いられる場合もあります。


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債権の種類と勘定科目


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キャッシュ・フロー見積法の戻入(翌年以後)の処理

キャッシュ・フロー見積法は、債権金額(帳簿価額)と割引現在価値との差額を貸倒見積額とする方法です。

(初年度)
債権金額−割引現在価値=貸倒見積額(繰入)


翌年以後も帳簿価額と割引現在価値との差額を貸倒見積額とします。
割引現在価値は、時がたてば、だんだんと大きくなっていきます。
引く金額が大きくなっていく訳ですから、貸倒見積額は、小さくなります。
翌年以後は、その小さくなった分を戻しいれることになります。

(翌年以後)
帳簿価額−割引現在価値=貸倒引当金戻入

翌年以後の処理については、貸倒引当金を戻入れる感じになりますが、この場合の貸方科目については、受取利息として処理する方法と貸倒引当金戻入として処理する方法があります。
いずれの出題も考えられますので、勘定科目の指定には、充分注意しましょう。


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キャッシュ・フロー見積法


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貸倒実績率

一般債権の貸倒見積額の計算で用いられる貸倒実績率。
貸倒実績率は、過去の貸倒実績を率であらわしたものです。
具体的には、次のように計算されます。

過去の貸倒÷過去の期末債権=貸倒実績率

期末債権に貸倒実績率を乗じて、貸倒見積額が算出されます。

貸倒実績率の具体的計算方法は、会計基準にありません。
したがって、グルーピングの仕方をはじめ、どの期間を対象にするかも、問題の指示によります。

注意したいのは、ある期末(例えば第10期末)の債権が貸倒れるのは、ある期の翌期以降(第11期以降)という点です。
問題をしっかりと読めばたいした話ではありませんが、資料の出方では、第10期末の債権と第10期の貸倒損失を計算要素にしてしまうミスがありがちです。
冷静に考えれば、おかしいことはわかるのですが、とにかく、資料をきちんと整理する事が重要です。

もう一点、注意したいのが、具体的な算出の考え方が、二つある点です。
大きな考え方としては、分母(期末債権)と分子(貸倒れ)との対応関係を厳密にとるかとらないかの違いです。
対応関係を厳密に考えると貸倒損失の債権の発生年度を区別します。
このような計算は、理論的ではありますが、かなり複雑です。

対応関係を厳密に考えず、分母(期末債権)と分子(貸倒損失)をとるのは、やや不合理ですが、実際の出題としては、こちらが想定しやすいかもしれません。

いずれにせよ、貸倒実績率の具体的な計算方法は、会計基準に規定がある訳ではありませんので、問題をよく読むと、そこに算出方法が書いてあるか、合理的に算出できる筈です。
問題は慎重に読むくせをつけましょう。


【関連記事】
貸倒実績率法


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貸倒引当金の算出単位

貸倒見積額の算出単位には、総括引当と個別引当とがあります。
全体やグループごとに行うのが「総括引当」で、個々の債権ごとに行うのが「個別引当」です。

一般債権は、総括引当です。
全体またはグループ(勘定科目等)ごとに、貸倒見積額が算出されます。
この場合の細かいグルーピングの仕方には、勘定科目ごと、営業債権と営業外債権等、様々な方法が考えられます。
会計基準に細かい規定はありませんので、問題に指示されるハズです。
問題を落ち着いて読むようにしましょう。

貸倒懸念債権と破産更生債権等については、個別引当です。
個々の債権ごとに貸倒見積額が算出されます。

一般債権の場合と貸倒懸念債権の場合に、いずれも率を乗ずる計算になる場合が多いです。
しかし、一般債権は、債権の全体(またはグループ)に対して、過去の貸倒実績率(低率)を乗ずるのに対して、貸倒懸念債権は、個々の債権ごとに貸倒の予想率(高率)を乗ずるという違いがあります。

算出単位の取り方によっては、戻入と繰入の金額が違ってしまうことにもなりかねませんので、注意しましょう。

(関連記事)
債権の種類と貸倒見積高の算定


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貸倒見積額の算定上の債権の区分と算定方法

貸倒見積額は、債権を三種類に区分して、その区分ごとに算出します。

この区分と勘定科目は、必ずしも一致しません。
一般債権と貸倒懸念債権は、ある意味、回収が見込まれる債権で、通常は、そのまま(売掛金等)です。
これに対して、破産更生債権等(これは等がつきます)は、回収が見込まれない債権で、ぶっちゃけとりっぱぐれに近く、勘定科目も別建を要求されるケースが多いです。

この場合の勘定科目は、問題の指示等に従うことが第一ですが、「破産更生債権等」が多いようです。
不渡手形については、「不渡手形」勘定もありです。

このような債権の区分ごとに貸倒見積額の計算方法が異なっています。

(1)一般債権……………貸倒実績率法
(2)貸倒懸念債権………財務内容評価法、キャッシュ・フロー見積法
(3)破産更生債権等……財務内容評価法

まずは、貸倒見積高の算出における「債権の区分」をしっかりと把握しましょう。


(関連記事)
債権の種類と貸倒見積高の算定


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債権の種類と勘定科目

貸倒見積高の計算は、債権を「一般債権」、「貸倒懸念債権」、「破産更生債権」の三種に区分して行われます。
この場合の勘定科目は、その区分とは、必ずしも連動していません。

一般的には、「一般債権」と「貸倒懸念債権」は、もともとの債権の勘定科目(受取手形、売掛金等)を使用する場合が多いです。

ただし、「破産更生債権等」は、勘定科目を別建てにするケースが多いようです。
簿記論での勘定科目は、必ずしも固定的ではありません。
例えば、「破産債権」や「更生債権」といった勘定科目も考えられます。
このあたりは、問題をよく読んで、その指示や試算表の勘定科目に従いましょう。

また、手形の不渡については、「不渡手形」勘定で処理するケースも多いです。


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債権の種類と貸倒見積高の算定


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二つの貸倒損失

売上収益は、商品の販売時点(実現時点)で計上されます。
もし商品代金をとりっぱぐれたらその分、費用を計上します。
その時の勘定科目が、貸倒損失です。
ただし、貸倒引当金という貸倒損失に対する備えがある場合は、事前に費用が計上されているので、この貸倒引当金を充当します。

結局、貸倒損失が計上されるのは、次の二つのケースです。
(1)当期に発生した債権が貸倒れた場合
(2)前期以前に発生した債権が貸倒れた場合で、貸倒引当金の設定が不足する場合

この二つでは、ニュアンスが異なっています。

(1)は、純粋な貸倒損失で、損益計算書の表示も売掛金であれば、販売費及び一般管理費です。

これに対して(2)は、いわば貸倒引当金の見積もり誤りです。
これは、前期の貸倒引当金の設定に関する話ですから、その性格は、特別な事情が無い限り前期の損益修正の意味を持つといえます。
簿記論の出題でも、この(2)を「前期損益修正損」といった「勘定科目」で解答させることがあります。
二つの貸倒損失の区別をしっかりつけておきましょう。

(関連記事)
貸倒れの処理


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貸倒実績率法

【貸倒実績率法とは】

貸倒見積額は、債権を、一般債権、貸倒懸念債権、破産更生債権等に区分して計算します。

このうち一般債権に適用される貸倒見積額の計算方法が、「貸倒実績率法」です。

貸倒実績率法は、過去の貸倒実績をもとに将来の貸倒れを予想する方法です。



【貸倒実績率の算出】
貸倒実績率が問題で与えられていればよいですが、問題は、自分で算出する場合です。

貸倒実績率は、「貸倒額/期末債権」で計算されます。

具体的な計算方法は会計基準等にありません。

出題された場合は、問題の指示を極めて注意深く読む必要があります。

くれぐれも先入観は禁物です。

一般債権全体で算出するのか。

勘定科目ごとに算出するのか。

また、どの期間を対象にするのか。

実績率は、各年度ごとに算出するのか、全体を通算するのか。

端数処理はどうするのか。

計算方法に規定がないので問題の指示に従うか、合理的に計算する以外にありません。

普段やっている方法が問題で要求されている処理とは限りません。

一般的な債権の回収期間は、現実的には、半年を超えることは少ないでしょうが、問題としては、債権の回収期間が1年を超える場合に、注意が必要です。

分母(期末債権)と分子(貸倒額)の対応関係を考慮するか否かで、結論が違ってきます。

税法は対応関係をみませんが、対応関係を考慮する方が合理的ではあります(面倒ですが)。

この辺も必ず問題に何らかの指示があるハズなので、貸倒実績率法の出題時には、問題の指示にくれぐれも注意しましょう。



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貸倒実績率
債権の種類と貸倒見積高の算定



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償却債権の取り立て

【前期以前発生・前期以前貸倒の場合】
いったん貸倒処理を行った債権について、いくらかは戻ってくる(回収される)ことがあります。

前期以前に発生した売掛金が前期以前に貸倒れて、貸倒処理を行っていた場合は、すでに貸倒引当金関係の処理は済んでいるので、

(借)現金預金××× (貸)償却(済)債権取立益×××

という処理を行います。

償却債権取立益は、特別利益ではなく、営業外収益とします。


【前期以前発生・当期貸倒の場合】
前期以前に貸倒れた債権でも当期に貸倒処理を行っていれば、貸倒処理の逆仕訳を行う必要があります。

その部分について貸倒れがなかったのと同じだからです。

(貸倒時)(借)貸倒引当金××× (貸)売掛金×××
(取立時)(借)現金預金××× (貸)貸倒引当金×××


【当期発生・当期貸倒の場合】
このケースは実際は考えにくいかもしれませんが、当期発生し、当期に貸倒処理を行っていた債権が当期に回収された場合には、上記と同様に貸倒時の逆仕訳をします。

(貸倒時)(借)貸倒損失××× (貸)売掛金×××
(取立時)(借)現金預金××× (貸)貸倒損失×××


【まとめ】
前期以前発生・前期以前貸倒  (借)現金預金××× (貸)償却債権取立益×××
前期以前発生・当期貸倒    (借)現金預金××× (貸)貸倒引当金×××
当期発生・当期貸倒      (借)現金預金××× (貸)貸倒損失×××


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貸倒れの処理



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貸倒れの処理

【貸倒れの処理】

(1)当期に発生した売掛金等の貸倒れ

(借)貸倒損失×××(貸)売掛金×××

(2)前期以前に発生した売掛金等の貸倒れ

(借)貸倒引当金×××(貸)売掛金×××



【当期発生売掛金の貸倒れ】
当期に発生(売上)した債権に、まだ、貸倒引当金の設定は行われていません。

したがって、貸倒引当金を充てる(減らす)処理もできません。

もっとも発生から貸倒れまでが極めて短い期間(1年以内)しかないので、実際の事例は少ないでしょう。

(当期に発生した売掛金等の貸倒れ)(借)貸倒損失×××(貸)売掛金×××


【前期以前発生売掛金の貸倒れ】

前期以前に発生した売掛金等には、前期末に貸倒引当金が設定されているので、これを充当します。

(前期以前に発生した売掛金等の貸倒れ)(借)貸倒引当金×××(貸)売掛金×××

もっとも設定している貸倒引当金以上の貸倒れがあった場合は、その超える部分は、貸倒損失勘定で処理します。


やや細かい話ですが、当期の売掛金が貸倒れとなった場合の貸倒損失と前期以前の売掛金が貸倒れとなり、貸倒引当金の設定額を超えて貸倒損失とした場合とでは意味は異なります。

おおむね、次のような感じでしょうか。

当期の売掛金の貸倒損失 → 販売費及び一般管理費

設定引当金を超える貸倒損失 → 特別損失

後者については、内容を吟味する必要もあるでしょうが、おおむね貸倒引当金の設定誤差、すなわち前期損益修正損(特別損失)と考えてよいでしょう。



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償却債権の取立て



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貸倒引当金の意味

【貸倒引当金の意味】
貸倒引当金は、債権の貸倒れに備えて設定される引当金でです。


(当期)(借)売掛金100(貸)売上100

(翌期)(借)貸倒損失10(貸)売掛金10


取引がこれだけだと当期の利益は100で、翌期に10の損失がでます。

それよりは、当期の利益は90(100−10)の方が合理的ではないでしょうか。

ではどうすればいいかというと、当期にその分(10)だけ費用をたてればいいです。

つまり、次の処理を行います。


(当期)(借)費用10 (貸)○○○10


貸方項目をどうするかが問題です。

売掛金100は、当期にまだ貸倒れていないので使えません。

こんな将来の予測で費用(損失)たてるときに使うのが引当金です。

債権(売掛金等)の貸倒れに備えて設定されるのが貸倒引当金です。

その場合の借方科目には、「繰入」をつけた貸倒引当金繰入を使います。


(当期)(借)貸倒引当金繰入10(貸) 貸倒引当金10


貸倒引当金は、売掛金の貸倒れ(とりっぱぐれ)を先んじて設定するものです。

その性格は「売掛金の減(マイナス)」を意味します。

貸倒引当金が売掛金等の債権の控除的評価勘定といわれる所以です。

この場合に売掛金の実質的な価値は、90円(100−90)で、売掛金の貸借対照表価額も100円ではなく、90円になります。



【関連記事】
債権の種類と貸倒見積高の算定



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債権の種類と貸倒見積高の算定

【債権の種類】

金融商品会計基準では、債権を、「一般債権」、「貸倒懸念債権」、「破産更生債権等」の三種に区分し、それぞれに応じた貸倒見積高の算出方法を定めています。

なお、この三区分は、あくまでも貸倒見積高の算出上の区分で、必ずしも勘定科目との連動性はありません。

あえていえば、破産更生債権等は、これを「破産更生債権等」勘定への振替えを要求する場合が多く、また、「不渡手形」という勘定科目が用いられることもあります。


(1)一般債権(ふつうの債権)

経営状態に「重大な問題が生じていない」債務者に対する債権

(2)貸倒懸念債権(やや危ない債権)

債務の弁済に「重大な問題が生じている」(その可能性の高い)債務者に対する債権

(3)破産更生債権等(破綻債権)

「経営破綻」に陥っている債権

(破産、会社更生、民事再生、会社整理、特別清算、2度目の不渡等)



【債権の種類と貸倒見積高】

(1)一般債権……………総括引当、貸倒実績率法

(2)貸倒懸念債権………個別引当、財務内容評価法・キャッシュ・フロー見積法

(3)破産更生債権等……個別引当、財務内容評価法

一般債権における実績率の適用単位や経理処理(差額調整法及び洗替法)の適用については、問題の指示に従いましょう。

なお、実務指針では、戻入と繰入を相殺して損益計算書に表示することを求めています。

簿記論の出題では、従来どおり、差額補充法及び洗替法の出題も想定する必要があります。



【関連記事】
貸倒実績率法
キャッシュ・フロー見積法



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キャッシュ・フロー見積法

【キャッシュ・フロー見積法の計算方法】
具体的には、

(初年度)債権金額−割引価値 を貸倒引当金繰入

(その後)割引価値−帳簿価額
  または帳簿価額×率    を受取利息 又は 貸倒引当金戻入

と処理します。

その後の計算での帳簿価額は、前期以前に算定した割引価値です。


【キャッシュ・フロー見積法の意義】

キャッシュ・フロー見積法は、文字どおりキャッシュ・フロー(この場合、現金収入)を基礎に貸倒引当金を計算する方法です。

具体的な割引価値の計算は、実際の現金収入(利息は、切下後で計算)を「当初の約定利率」で割引いて計算します。



【キャッシュ・フロー見積法の特徴】
キャッシュ・フロー見積法がなぜわかりにくいのかについて、私は、当初この割引価値の計算がわかりにくいのかと思っていました。

もちろん確かにわかりにくいです。

しかし、どうやらもう一点、キャッシュ・フロー見積法を分かりにくくしている原因があるらしいことに気付きました。

それは、貸倒引当金の意味の理解不足です。

貸倒引当金は、債権に対する控除的評価勘定です。

この意識が薄いと問題も手がけにくくなるようです。

貸倒引当金を債権に対するマイナス勘定としてきちんと捉えていないと二年度目以降の処理がグチャグチャになってしまいます。

今までの貸倒引当金の計算は、いわば繰入額を算出していました。

100円の貸付金がある。

その10%が貸倒れそうなら、10円の貸倒引当金を繰入にすればよいです。

仕訳でいえば、


(借)貸倒引当金繰入10(貸)貸倒引当金10


の借方・貸倒引当金繰入を算出していたのです。

これに対してキャッシュ・フロー見積法は、90という金額を先に出しています。

その債権の実質的な価値を先に計算して、100−90=10という形で、貸倒引当金(繰入)額を算出しているのです。

この理解があると二年度目以降の処理は、さほど苦にならないでしょう。

1年経過して、現在価値が94円になれば、貸倒引当金の設定(残高)は6円(100円−94円)でいいので、4円の貸倒引当金を戻入れればよいことになります。

もっとも、実務指針ではキャッシュ・フロー見積法の2年度目以降の処理の原則的な貸方科目を受取利息としています。

計算方法としても、
「直前の簿価×率」と「現在価値の差」という計算の仕方があることになりますが、もちろん端数処理を除いて、結果は一致します。

ただ、実際問題として1円の違いがでることが多いですが、許容範囲でしょう。

直前の簿価×率 → 受取利息
現在価値の差  → 貸倒引当金戻入

という勘定科目の使い分けが望ましいでしょう。

ただ、特に最初は、理解(ないしは記憶)しやすい計算方法、処理科目で入って、それに慣れた後に、もう一つの計算(科目)の意味を考えるといいかもしれません。


【キャッシュ・フロー見積法と償却原価法(利息法)】

キャッシュ・フロー見積法の計算構造は、満期保有目的債券等に適用される償却原価法(利息法)と同様です。

計算に利用する金額と率を二系統(仮に名目と実質)に分けて考えると次のようになります。

(利息法)
名目額  額面金額
実質額  帳簿価額
名目利率 名目(クーポン)利子率
実質利率 実効利子率

(キャッシュ・フロー見積法)
名目額  貸付額等
実質額  割引価値=帳簿価額(債権-貸倒引当金)
名目利率 切下後の利率
実質利息 切下前の利率

利息法では実効利子率がわかっていないのに対して、キャッシュ・フロー見積法では、実質額の部分がわかっていないという違いがあるだけです。

しかし、利息法における実効利子率の計算は難しいので、問題で与えられる(ものしかみたことはありません)。

その分、利息法の方が手がけやすいでしょうか。



【関連記事】
キャッシュ・フロー見積法の戻入の処理
利息法と定額法
利息法の考え方



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