税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

特殊商品販売全般

決算整理前残高試算表の数字

特殊商品販売における手許商品区分法には、その都度法と期末一括法とがあります。
一番のポイントは、決算整理前残高試算表の数字が「何を意味しているのか」、にあるといってよいでしょう。

その都度法と期末一括法の違いは、特殊商品販売に係る売上原価が、いつ、仕入勘定に振替えられているかにあります。
積送品の例で考えてみましょう(試送品も同じです)。

(借)仕  入××× (貸)積 送 品×××

この仕訳をいつ行うか、です。

その都度法では、その都度(販売の都度)、売上原価を仕入勘定に振替えます。
期末一括法では、期末に一括して、仕入勘定に振替えます。

そのことが明確であれば、ゆっくりではあっても、決算整理前残高試算表の数字が、何を意味するのかは、わかる筈です。
決算整理前の残高試算表が何を意味しているのかを覚えると、これは忘れます(←そりゃアンタでしょ)。
だから、覚えていない状態でもわかるようにしておけばよい訳です。

両者でわかりにくいのが、結局は、仕入勘定です。

その都度法………当期仕入−当期積送+積送品売上原価
期末一括法………当期仕入−当期積送

これを覚えずに、期中処理を順におって(高速で)復元できるようにしておけばよいと思います。
もちろん、最初は、ゆっくりでもかまいません。
こういう地味なやり方が、応用力のアップにつながるのではないかと思います。

(関連記事)
その都度法
期末一括法

その都度法と期末一括法

いわゆる手許商品区分法を採用する場合には、その売上原価を、商品販売時(試用販売の場合には、買取意思表示時)に計上する方法(その都度法)と期末に計上する方法(期末一括法)とがあります。

この違いは、一般商品販売における売上原価対立(計上)法と二分法の関係と同様です。

(特殊商品販売)
(1)手許商品区分法
試送時:
(借)試 用 品100 (貸)仕  入100
買取意思表示時:
(借)売 掛 金120 (貸)試用売上120
   仕  入100    試 用 品100 ← この仕訳に注目!!
決算時:
仕訳なし

(2)期末一括法
試送時:
(借)試 用 品100 (貸)仕  入100
買取意思表示時:
(借)売 掛 金120 (貸)試用売上120
決算時:
(借)仕  入100 (貸)試 用 品100


(一般商品販売)
(1)売上原価対立(計上)法
仕入時:
(借)商  品100 (貸)現金預金100
販売時:
(借)売 掛 金120 (課)売  上120
   売上原価100    商  品100
(決算時)
仕訳なし

(2)二分法
仕入時:
(借)商  品100 (貸)現金預金100
販売時:
(借)売 掛 金120 (課)売  上120
(決算時)
   売上原価100    商  品100

一度、ゆっくりでも納得しておかれるとよろしいのではないかと思います。
ちなみに、分記法と総記法の関係も同様です。
これらは、「利益」のみを計上する方法ですが、商品販売時に「利益」を把握するか(分記法)、決算時に「利益」を把握するか(総記法)の違いがあります。


【関連記事】
その都度法
期末一括法
売上原価対立(計上)法と二分法
分記法
総記法
総記法の決算整理

原価率の時期?

原価率が当期も前期以前も同一である場合は、いいですが、違う時には、注意が必要です。
これは特殊商品販売に限った話ではありませんが、原価率は、通常は、期中は一定という仮定が設けられる場合が多いです。

期中は一定といっても、ある期に「引渡した」商品の原価率である点に注意が必要です。

割賦販売では、回収時点、試用販売では、買取意思表示時点で売上を計上する場合があります。
この場合でも原価率を考えるのは(原価率が同じなのは)、あくまでも引渡しが、同じ期の商品です。

原価率は、原価と売上の比率ですから、それぞれの対応関係(同じ期)をきちんとはかって計算する必要があります(って、これが難しいんですが)。

特殊商品販売での原価率と付加率

よくある特殊商品販売の出題での前提です。

(1)一般販売は、原価率80%、(2)割賦販売は、一般販売の20%増し

これは、割賦販売に限りませんが、上記のような指示が比較的多いと思います。
(1)が原価率、(2)が付加率での指示になっています。

原価を80とすると、次のように整理できます。


原価80 → 一般売価100 → 割賦売価120


割賦販売の利益は、割賦売価からは、次のように計算できます。

割賦売価120×(割賦売価120−割賦原価80)÷割賦売価120=割賦利益40

特殊商品販売の出題で、原価率を算出する場合、原価率の算出は、かなり複雑になる場合があります。
原価率を出したことで安心して、一般販売の原価率を割賦販売の原価率として計算してしまう例は多いので充分注意しましょう。


【関連記事】
利益率・原価率、付加率

特殊?商品販売

特殊商品販売は、一般の販売形態と比較して、どこかが違う販売形態です。

これは、特殊仕訳帳もそうですが、「特殊」という言葉が難しいとの印象を与えているかもしれません。
ただ、あまりワープ技を使わずに、地味にやっていると、急にわかるようになるのではないかというのが、私の印象です。

そのためには、やはり一般商品販売をしっかりとやっておくことが必要ではないかと思います。

その前提として、商品勘定に関する決算整理仕訳の意味をきっちりと考えておく必要があると思います。

(借)仕  入××× (貸)繰越商品×××
(借)繰越商品××× (貸)仕  入×××

この仕訳です。

商品を購入した段階で、借方・仕入という処理が行われているために、決算整理で、上記の仕訳が必要です。
この仕訳を行うことで、売上原価が算出されることになります。
この売上原価算出のための決算整理の意味をじっくりと考えておきましょう。
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