税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

過去問へのアプローチ

第56回 税理士試験 簿記論 私はこう解いた

本年の第二問 問2は、昨年の第1問で出題されている売価還元低価法を中心とした出題でした。
第3問での期中処理、税効果、消費税ありは、3年連続になります。
このような同様の出題項目等が継続する傾向が来年もみられるかどうかはわかりませんが、過去出題の検討が重要な事は間違いないでしょう。

以下は、コメント欄にいただいたじゅんさんの感想です。
あまりにすばらしいので、ご許可を得て、記事として公開させていただくことにしました。



第56回 税理士試験簿記論 私はこう解いた(以下が、じゅんさんのご寄稿です)


はじめまして。頻繁にではないですが(←申し訳ありません)拝見させていただいております。
ちなみに、レベルは、平成16年6月日商1級合格、平成16年度簿記論不合格(A)、今年度のTAC直前答練で上位10〜15%、TAC全答練61点、大原全統模試44点です。


(第一問)
第一問についてですが、問題用紙の1ページ目が透けて見えたので、最初は簿記一巡型の推定問題かと思いましたが、開始とともページをめくってみたら、キャッシュ・フロー計算書があって、「おー、ついに」と思いました。ただし、問題構造を検討してみるに、キャッシュ・フロー計算書自体の解答要求箇所もありますが、実質は期中取引の資料として、C/Fが与えられている推定簿記問題と考えて解答していきました。

解答順としては、解答欄順で資料が複雑でないものからということで、〕価証券、Lな法人税等、つ拘借入金、イ修梁召留超犯顱↓Ъ取利息配当金、社債の償還による支出、備品減価償却累計額まで、比較的順調に解いていきました。なお、つ拘借入金は、返済による減少しか期中増減がなかったので、逆に見落としがないか心配になりつつという感じでした。続いて、┗超伴入、商品の仕入れによる支出に取り掛かりましたが、債権債務の資料が面倒に感じ、とりあえず当期商品仕入高を解答しました。このあたりで20分を少し経過していたので、現金及び現金同等物の期末残高は差額で算出かなと思い、外貨建取引が売掛金の為替予約しかないことを確認し、Π拌愃溝擦魏鯏しました。ここでほぼ30分になったので第二問に進んでいきました。

結局、┃は空欄、は前渡金を考慮しなかったため、Г詫価証券利息を考慮しなかったために不正解で、残り8箇所は転記ミス等がなければ正解のようです。
感想としては、C/Fを絡めた推定簿記問題としては、売上・仕入の債権・債務はとっつきづらく感じましたが、それ以外は比較的に素直な感じで、逆に何か見落としがあるのではと少し心配になるくらいでした。発表されているボーダーラインをみると、12〜17点ということですので、落ち着いてやれば、7〜9箇所は正解できるのかなと思います。


(第二問 問1)
建設業会計は、
―仟衢汁柤静世箸靴撞鵑欧蕕譴討い拭奮里「周期的な観点から」という理由でした。同じ理由で挙げられていた本支店会計は出ませんでしたが・・・)
∋駑繊峭事の明細」もそれほど複雑ではなかった
以上から、比較的順調に解き進められました。A、B、Cの各工事ごとに完成工事高、完成工事原価、未成工事支出金、未成工事受入金、完成工事未収入金を計算し、集計して解答記入しました。
税務上の処理、知りませんでした。だから、逆に悩まずにすんだのかもしれません。

工事損失引当金は、「松本試験委員は引当金会計に関心がある」というようなことを読んだような気がしたので、「こういう形で出してきたか」と思いましたが、工事損失引当金の算出方法がすぐにはわかりませんでした。とりあえず、請負価額270,000から再計算後の工事原価見積額280,000を引いて、△10,000となったので、引当金=引当金繰入額を10,000として、営業利益を計算したら、△2,600で営業「損失」になってしまうので、「???」と思いました。そこで、「工事損失引当金繰入額は『特別損失』と判断し、繰入額を除いた差額計算で7,400を営業利益としました。

答え合わせの結果は以下の通りでした。
ス事損失引当金繰入額は、「『将来の』損失見積額を繰り入れた工事損失引当金を設定する」という問題指示(TAC解答解説会での解説によると、『将来の』がキーポイントだそうです。)に反したため不正解
Ρ超藩益は、自分の場合は特殊かもしれませんが、工事損失引当金繰入額を特別損失と判断して計算対象外にしていたので不正解(イ魎岼磴辰燭里如仮に計算対象にしていても不正解でしたが)

自分の場合、工事損失引当金繰入額以外は自信があったので、工事損失引当金繰入額が特別損失なら、営業利益も正解と淡い期待を抱いていました。ゼネコン等の有価証券報告書を調べたら、工事損失引当金繰入額を特別損失として計上している例しか見当たりませんでした。また、試験委員もこれを「特別損失」と判断できたのかを見ようとして、Δ髻崚期純利益」でなく「営業利益」としたのかなと思ったりもしました。
しかし、よく考えてみると、
ー益と費用の対応(?)
何よりも、解答要求は「損益計算書(一部)なので、営業利益の上にあるからには、営業費用以外の何ものでもない
ということに、思い至りました。決算整理後T/Bならば、特別損失もありえたかのでしょうか?

TACと大原の解答解説会でも、第二問 問1については、工事損失引当金繰入額、営業利益以外は確実に取ってほしいということでした。
TACでは、「工事損失引当金の処理ができて、第二問の問1で14点とれたら(7箇所すべて正解)、(問2との絡みで)合格に限りなく近づく」とも言っていました。
以上、長くなりましたが、第二問 問1についての感想(ほか)でした。


(第二問 問2)
第二問 問2についてですが、まずはBOX図に原価ベース、売価ベースを記入し、資料の期末棚卸売価3,300に原価率を乗じて、いったんは解答を記入しようとしました。
しかし、問題をもう一度よく読んでみると、「棚卸しは正常売価(寝入れ時点の価)による」とありましたので、残高数量40×値入れ時点の売価95.0=3,800を期末棚卸売価として、売価還元平均原価法による商品期末棚卸高、売価還元低価法による期末商品単価を算出しました。

次いで、同様に、期末棚卸売価3,800、期末実地棚卸売価3,420、差し引きで期末棚卸減耗売価380として、棚卸減耗費、売上総利益を算出しました。
このあたりで、問1と合わせて25分が経過しようとしていたので、はあきらめて、第三問に進むこととしました。

各校の解説によると、この問2は難解とのことでしたが、落ち着いて問題を読んで、その指示通りに解ければ(試験時間中は無理でしたが)、そんなに難しい問題ではないのかも知れません。
確かに、売価に基づく棚卸しに、「正常売価による棚卸」と「期末実勢売価による棚卸」があると聞いたことはなかったし、そのような演習問題を出題している例はなかったように思いますが・・・
第二問 問1の工事損失引当金と同様、問題指示を落ち着いて読めるかどうかが試されたのかなという気がします。会場で答案用紙が配られ、受験番号等を記入するとき、「製造原価報告書」とあったので、「あ〜、製造業会計か」と思いました。そのままですが・・・


(第三問)
会場で答案用紙が配られ、受験番号等を記入するとき、「製造原価報告書」とあったので、「あ〜、製造業会計か」と思いました。そのままですが・・・
 第三問へ突入した時点で、残り約65分くらいでした。
 3年連続の「3月中取引+修正・決算整理」ですが、自分の場合は、解答しようとする論点ごとに(例えば、現金)、3月中取引→修正・決算整理まで一気にやってしまう解き方を採用しました。
 まずは、問題を最後まで一読して、留意事項や、修正・決算整理事項で、どんな論点が問われているかをチェックしました。続いて、解答要求事項を確認しました。
 そこでの感想は、
・【資料1】製造に関する資料は、とりあえず読まずにとばしておこう・・・
・「現金」と「預金」が別建てだなあ・・・
・修正事項の(1)買掛金の処理は、何だか面倒くさそう・・・
・見たこともない論点はなさそう・・・
でした。

 実際の解答手順ですが・・・
 まずは、\宿頁箴綛發ら、3月中の取引で、消費税と値引きに注意して、増減額を2/28現在T/Bに記入し、修正・決算整理事項で動きがないことを確認し、答案用紙に記入しました。
 次いで、解答欄順に、当期製品製造原価と(  )は、計算に手間がかかると思い、とばしました。
 次は、通常なら、修正・決算整理事項の順に沿って、現金預金から手をつけるのですが、3月中取引で、小切手による回収で、現金と預金の間で動きがあり、面倒くさそうだったので、後回しにしました。
 よって、「期末棚卸等に関する事項」により、ぞι覆燭焚係彩彗察↓ゾι閉祺蘇床疎察覆噺軫А砲鮨涓鬚砲茲蠏彁擦掘端数が出るけどいいのかなと思いながらも、解答記入しました。

 次いで、「社債に関する事項」により、社債発行差金償却を解答しました。
 次いで、「投資有価証券に関する事項」により、有価証券利息、投資有価証券評価損、嘉蟷駘価証券、21株式等評価差額金を解答しました。実は、ここで、自分の算定した帳簿価額と、T/Bの数値がなかなか合わず、思ったよりも時間がかかってしまいました。というのも、「前期末」の「評価前帳簿価額」であることを最初見逃していたことが最大の原因でした。また、利息法で年2回利払のため、9月末にD社債の償却原価計算を行っていることも当初失念していました。

 残念なのは、2月前の帳簿価額を合わせるのに時間がかかってしまったため、当該資料を一読したときに、「B株式は非上場株式だから、時価評価はしないな」と感づいたにもかかわらず、実際の当期末の評価をする頃には失念していて、時価評価してしまい、欧21を落としてしまったことです。
 ということで、今回の有価証券は、減損処理が損金として認められない設定になっているなど、結構「くせ者」だと思います。

 次いで、「貸倒引当金に関する事項」は、売掛金等が未処理なので、当然後回しにし、「賞与引当金に関する事項」により、製造原価となる賞与引当金繰入額を、「また端数が出るなあ」と思いながら算定し、その他の労務費が3月中の支払による動きしかないことを確認して合算し、23労務費合計額を解答しました。
 次いで、「減価償却に関する事項」ですが、まずは修正事項の車両の買換を処理し、固定資産売却損を解答しました。続いて、各固定資産ごとに減価償却費を計算し、問題用紙中の表の右側余白に、損益計算書計上分と製造原価報告書計上分に分けて記入(この際、車両の買換による計上分も記入)し、合算して、Ω魂曾却費(P/L)、24減価償却費(C/R)を解答しました。器具備品が取得価額の5%までの減価償却費を計上することになるというところはそれほど悩みませんでした。

 ところが、機械は「定額法」なのに、期首帳簿価額に償却率を乗じるという超単純ミスをしてしまい、24減価償却費(C/R)は失点してしまいました。定額法についても償却率が与えられていたので、つい・・・といったところでしょうか。
 あと、この段階で、閏嵶庄身其颪皺鯏しています。
 記憶が定かではないですが、ここまで来て、残りあと15分くらいだったでしょうか。よって、未解答事項のうち解けそうなものということで、まずは、3月中取引と「銀行勘定調整に関する事項」をもとに、消費税に注意して、22当期材料仕入高を解答しました。

 次いで、売掛金に取り組みました。3月中取引と「貸倒引当金に関する事項」から、売掛金の増減を拾い、計算用紙にT勘定を記入して、解答しました。
 次いで、廓祿欟發癸碍鄰罎亮莪から増減を拾い、計算用紙にT勘定を記入しました。ここで、少し考え込んだのが、修正事項(1)の振込手数料に関連した修正処理です。結局、振込手数料は仕入先負担だから、営業費として処理してしまった分は買掛金の減とすべきと思い、解答しました。

 このとき、検算のためというか、逆に仕入先がどう処理するかを考えました。すなわち、現金預金の論点でよく出てくる「振込手数料の負担分を差し引かれて、売掛金が振り込まれた」場合を想定し、(金額も仮定)
 (現金預金)99 (売掛金)100
 (営業費)  1
なのだから、振り込んだ方は、
 (買掛金)100 (現金預金)99…買掛金振込時
         (現金預金) 1…振込手数料月末引落時
と考えて、本問の修正仕訳は、
 (買掛金)126 (営業費)  120
         (仮払消費税) 6
でいいのだろうと思いました。

 このあたりで、残りあと10分ぐらいでした。
あと、できそうなのは、現金と預金でした。3月中取引と「銀行勘定調整に関する事項」から、小切手による回収12,701のその後の期末における状態に注意しながら、それぞれ計算用紙にT勘定を記入し、解答しました。危なく、間違えそうになったのが、「保有社債の受取利息の振込入金がある」について、有価証券の利札⇒現金という思考回路が働いて、最初は現金に加算してしまったのですが、もう一度見直した際に、「振込入金」に気づいて、現金から預金へと修正しました。ちょっとしたトラップのつもりだったのでしょうか。

 ここで、残りあと5分くらいでした。当期製品製造原価、(  )、貸倒引当金繰入額、法人税等調整額、扱延税金資産、缶なЬ暖饑播、25期末仕掛品たな卸高、の7箇所が手付かずでしたが、18箇所解答なら御の字と思い、問題用紙に解答した数値を記入していたので、答案用紙と照合する見直し作業に入りました。(ちなみに、第二問で、記入の順番を間違っていた箇所を発見し、あわてて修正しました。そのままであれば4点を失うところでした。)

 結局、第三問は、解答記入した18箇所のうち、ゾι頁箴絽恐舛鮠ι閉祺蘇床疎擦噺軫Г靴燭燭瓠↓嘉蟷駘価証券と21株式等評価差額金を非上場のB株式を時価評価してしまったため、24減価償却費(C/R)を機械の定額法処理の際に期首帳簿価額に償却率を乗じたため、間違えました。
 全体的な感想としては、仕掛品、製品の計算には手をつけられませんでしたが、有価証券以外は複雑な資料はなかったのではないでしょうか。解答要求箇所がはっきりしているため、割と部分部分の攻略、各受験対策校がいうところの「問題の取捨選択」が重要であり、かつ可能な問題だったと思います。

 繰り返しですが、
 有価証券の資料で、
・「評価前帳簿価額」が「前期末」のものであること
・時価と実質価額が同一欄になっており、非上場であるB株式は実質価額と考えなければいけないところ、時価と誤認しやすいこと
のほか、
 いわゆる有価証券の利札の処理が、「振込入金」であること
が、ちょっといやらしいなというのが、第三問の感想です。

第53回 税理士試験簿記論 私はこう解いた

第54回(昨年)と第53回(一昨年)の試験委員のうち第二問と第三問(のお一方)が本年も試験委員です。
両年の第一問は税理士試験の出題としては、標準的といってよいでしょう。
とにかく両年の出題を実際に時間をはかって(バラバラでもかまいませんが)解いたあとに、ぜひ、ご一読ください(市販のものの総評よりも有用だと思います)。


第53回 税理士試験簿記論 私はこう解いた(Neo Doexさんの寄稿です)

まず、心掛けた時間配分であるが、第一問及び第二問が二十五分
第三問が五十分。残りの時間は「受験番号記入時間」「解けない部分の
解きなおし」に充てることを心掛ける。

第一問
 第一問を作成したと思われる試験委員は昨年度は個別問題を出題。
 今年も同様の傾向が続くかと思われたが(逆にいうと第二問が総合の読み)
 予想に反し、総合問題が出題された。
 いつもの通り、どんな論点が出題されているかチェック。
  現金預金
  自己株式
  特殊商品売買
  貸倒引当金
  有価証券
  固定資産
  リース取引
  社 債
 昨年に比べるといろいろ聞いているなーという印象。
 まずは現金預金から解くが社債利息の資料があったため、そちらを解く。
 しかし、現金有高を加えるだけという単純さに多少疑問を抱き、
 メモ書きを残し、次の資料へ。
 
 自己株式は仕訳自体は簡単に切れたものの、自己株式の売却
 について今までは「自己株式処分差益」勘定で処理していたので、
 「その他資本剰余金」ではないだろうと思ってしまい、
 有価証券運用損益で処理してしまう。(間違い)

 特商の割賦販売についてはいつもの通りボックスを作る。資料に回収高、
 期末残高があるので、繰延割賦利益を出す。綺麗な数字が出たので
 これは間違いないだろうということで、急いで解答用紙へ。
 次に商品のボックスを作り、原価率を掛けて売上原価を算出。
 ここから原価法の場合の繰越商品を算出。この時点で「ア」に入れる金額
 「86」がスンナリと出た。これも記入。そして、減耗、低価法の処理をして
 繰越商品が出た。

 貸倒引当金は、売掛金勘定のみなので、単に率を乗じたのみ。

 有価証券については簡単なはずだが、関係会社株式が
 投資有価証券勘定に組み込まれていたために、その勘定を使う限りは
 時価評価をすると思い込み、「時価評価」してしまう。
 (間違い)


 備品については、償却過不足があるときは、必ず、タイムテーブルを
 書くことにしていて、今回もそのようにやった。
 特に問題はなく、正解を導くことが出来た。

 リース取引は解答事項として直接求められておらず、
 あえて言うならば、試算表の合計値に影響するものであり、
 これをやることは合理的でないと判断をし、飛ばした。
 (合計値「F」は他の受験生もとかない場所と判断をした。)
 この時点で、現金取引の修正はないものと判断をし、当初算出した
 数値を再確認し、間違いないものとして、記入した。

 社債については抽選償還ということであるが、「期」をまたいだ利用状況
 なので、時間がかかりそうなので、とりあえず飛ばした。

 


第53回 税理士試験簿記論 私はこう解いた

第二問

 第一問がここまで二十五分ということで解答箇所の埋め方、
飛ばし方からして十分な時間配分という印象を頭の片隅に持つ。

 問1であるが、利息法の問題でさんざん答案練習会で解いた問題である。
 とはいうものの、資料の出し方が初見なので、最初はひびってしまう。
 貸倒引当金の引当額の利息法による計算は、これもタイムテーブルを
 書くようにしているので、代案1の初年度については結構スンナリと求めたが、
 翌年の処理方法をみると、「貸倒引当金」勘定が借方にきているので、
 翌年の貸借対照表に載せる金額と当年のそれの差額を記入することがわかる。
 また貸方科目については解答要求のすぐ上に「受取利息」勘定があり、
 そのすぐ下にまた「受取利息」は来ないと思ってしまう。ここは「戻し入れて
いる」し、
 前年で繰り入れているときには「貸倒引当金繰入」勘定を使っているので、
 「貸倒引当金戻入」(益はつかない)と判断。
 代案2についても同様の方法にしたが、ここで問題が生じた。
 自分の計算方法と一円のずれが出る。多分四捨五入のやり方の問題だなと
 思い、まずは自分の方法で計算。翌年は結局差額なので、結果は同じとなる。
 ここで、語句を入れることを考えたが、「割引現在価値」であると判断し記入。
 割り引いた割引現在価値ということばの使い方は大して気にならなかった。
 というのは割引現在価値ということば自体がすでに「単語」として成立してい
たからだ。
 しかし、後日いろいろと調べると◎現在価値であり、許容として割引現在価値
である
 という思いを強くする。しかも、自分がある雑誌に投稿し、掲載された文章も
 なんと「現在価値」ということばを使っている。なんで本番間違えるのかなん
て思った。

 問2については、こちらも利息法の問題であり、冷静に解いていけば簡単なの
であるが、
 集計が面倒であり、結局正解箇所は二箇所。
 とにかく年毎の金額を表形式でまとめるのだが、こちらも四捨五入のやり方に
より
 一円違う答えが出ることがわかり、戸惑う。結局、整数値に近いほうを正解と
考え
 答えは一致していたようである。
 なお、「⑧」については本番では間違ったのだが、きわめて簡単な答えの出し
方で済む。
 有価証券利息からキャッシュインフロー相当額を控除した金額なのである。
 いちいち加算とかはやる必要はなかった。
 なお、9についてはいまだに日本語がよくわからなく、10については
 集計がうまくいけば出せる金額である。

 なんか簿記の問題ぽくないなと思いつつ第三問へ。
 なお、本問は一円の違いに困惑し、三十分とってしまう。



 次に続く

第三問について


まず、解答用紙を見て、例年は解答箇所が少なく、一個あたりの配点が
大きかったのであるが、今回は二ページにわたっており、試験委員の
やる気をこの時点では感じていた。この時点では。


総合問題であることを確認し、まずは論点をチェック。

 現金預金
 商品
 特殊商品
 外貨建取引
 貸倒引当金
 退職給付会計
 減価償却
 有価証券
 その他


 まずは現金預金から。いつものように、銀行勘定調整法を作成。
 この中で有価証券の資料があるので、すぐさま有価証券で売却の資料をチェック。 
 この部分について数字を書き込む。
 しかし、不明部分があるので飛ばす。
 商品については資料を読み始めたときは、「やっちゃるけん」と思ったけど、
 割賦だけでなく、未着品、積送品があるので、これは触らないほうがいいと 
 判断した。

 外貨建取引については為替予約を振当て処理するというもの。
 私の場合は間違いをなるべくしないため、すべてを洗い換え処理している。
 解答記入するときは差額のみを書くように心掛けている。
 この方が間違えをしないのである。
 さて、本問については手形の予約と買掛金の債務の期末評価をすることが必要で
 為替差損益については両建てをしていたので、解答も両建てが必要と判断した。
 仕訳を記入、さらに、この時点で支払手形と買掛金の記入が可能と判断。
 なお、問題を慎重に読んでいると、明らかに日本語が変であることに気付く。
 「決算日において、別に買掛金とし外貨建債務は190千ドル計上している」
 これを、「買掛金として外貨建債務を・・・計上」ということに読み替えた。
 明らかにこれは作問ミス。試験委員の想定としてここにある程度の配点を
 おこうとしてわざわざ両建て処理をして、日ごろ「為替差損益」勘定を
 使用している受験生を引っ掛けようとしたのは見えたのであるが、
 試験委員自身たちがひっかかっているのであるから、どうしようもない。
 合格発表後の掲示板の書き込みをいろいろと見ていると「為替差損益」でも
 合格しているという報告がある。結果としてここは数字があっていれば
 作問ミスの手前、正解だったのだろう。またほとんどここは書かないで合格した
 という方もいたみたいである。ということは、
 仕訳問題は全員正解として下駄を履かせた可能性があり
 差がつかなかったと思われる。

 貸倒引当金については商品売買との関係で数値は出せないと判断。
 しかし、破産更正債権についてはある程度処理が可能なので、仕訳をきる。
 貸倒損という科目があったのでこれをきっちりと記入。
 (ここは案外正答率が低かったもよう。その低さは意外だった)
 Y社自己破産申立については、後日解答の際にはスンナリとできたが、
 試験のメモ書きを見る限りメモがないので、出来たかは不明。あとは出来ないだろう
 ということで飛ばす。

 退職給付会計については私オリジナルのやり方でほぼカヴァーできる。
 資料に括弧があったが、私独自の図を作成すれば、差額で求まる数値である。
 これに資料の通りに処理をして、退職給付費用及び引当金を算出。
 (ここからは後日の処理)
 退職給付引当金に括弧があったので、試算表を見たが、これが固定資産ができないと
 埋まらないので、建物の処理をした。定率法であることに注意をして、
 タイムテーブルを作成の上、処理。これにより試算表より退職給付引当金が出
るのであるが、
 問題資料に与えてある数値と一致しない。???

 固定資産のうち有形固定資産でパソコンの資料の取りやめということばに?だったが、
 あとでERPシステムの導入との絡みがあることがわかった。メモ書きの数値から
 備品減価償却については正解。帳簿価額があっているかは不明。
 無形固定資産のソフトウエア除却はこの時点では数値をなぜか間違えていた。
 恐らくERPシステム導入資料の関係だと思う。
 さて、そのシステム導入であるが、トレーニング費用については、導入に至る付随費用と
 考えたし、その分間違ってしまった。
 その他については特に述べる必要はない。

 有価証券についてはB株、C株で現在の簿価が何かに非常に迷ってしまった。
 これだとわかってからは処理は簡単。評価差額金、売却益、簿価をそれぞれ出せた。

 以下の資料、法人税及び調整額については埋没論点とした。

 ここで、固定資産に戻り、無形固定資産をチェックしたところ、
 除却損がやるたびに違う。二回あったところでそれが自分なりの答えとした。
 何度が書直したのでかなり汚くなったが、魂を込めて書いた。
 ここで、時間は残り5分程度あったので、飛ばした資料を読んでみた。
 A商品の期末評価について数値が出たのでこれを書き込んだ。
 これは正解だったようである。

 この時点で第三問はもう解けるところがないと判断し、第一問の
 社債利息に取り掛かる。しっかりと図を描いて
 数値を算出。これは正解だったようである。
 
自己採点については別表を参照していただきたい。


試験の総評
第一問は良問というかやややさしめの問題。標準的といえると思う。
第二問は珍問。一つ間違えるとほとんど得点が得られないということでは
悪問とも言える。もうすこしさまざまな角度からアプローチして欲しい。
第三問は本試験らしい問題だった。ただ、作り方がお粗末。日本語は出来ていな
い、
数値には?がつく。試験委員が結構著名な方だけに残念。
恐らく、配点は固定資産、有価証券に重きが置かれたと思うのだが、
固定資産にしても法人税に強い試験委員の割には、建物を定率法で処理させる、
ソフトウエアの文章の長さ、と目を覆うばかりである。
おかけで合格率が上がったのだろうけど。

 試験が終わり、早稲田大学の外に出るとすでに解答速報が・・・
 第二問の語句を入れる箇所、自分の解答は割引現在価値と貸倒引当金戻入
 しかし、解答速報を見まい、見まいと思っても、周りの人の見ている姿から
 ちらりと・・・金額?、受取利息?? あーやっちゃったよー。
 でも結局私のもよかったみたい。いままでやったことのない答え合わせも
 して、十中八九合格できるだろうと確信。
 合格後、改めて解いたところ、答えを多少知っていたこともあるが、
 七割できる問題であった。
 しかし、本番ではやはり自分の持っている実力の八割だせるかどうかというのが
 ほとんどだと思う。逆にいうと普段どおりの力を出せる方はすんなりと合格できるだろう。
 でもそれはほとんどのひとは不可能だろう。私でも普段は間違えない箇所を間違えたり
 するのである。自慢みたいになるが・・・。
 平常心って難しいものだ。

第54回 税理士試験簿記論 私はこう解いた

実際の試験を、合格者はどう解いたのかを知っておくことは、とても有効ではないかと思います。
本日は、Neo Doexさんからいただいた投稿をご紹介いたします。
特に、実際に問題を解いた後に読むとかなり効果は高いのではないかと思いますので、ぜひ、「実際に問題を解答した後」にご覧になってみてください。


第54回 税理士試験簿記論 私はこう解いた(Neo Doexさんの寄稿)

今年については合格しているという状況があり、
本試験の緊張感がないということ、
あと、およそ九ヶ月ブランクの簿記回答能力の低下を加味して
下記をご覧ください。

2004.8.21 第一問解答
2004.8.22 第二問解答 2004.8.27 一部加筆
2004.8.27 第三問解答

第一問

まず、問題文前書きをチェック。
・設立間もない会社である
・資料をよく読めと書いてある。
・四捨五入あり
・誤差についてはあまり気にするな
が特徴である。

資料の与え方としては、
・一般的資料
・前期末残高
・期中取引
・決算整理
・期末残高及び損益
がある。
一般的資料については念入りにチェック。外貨建が絡んでいるという意識を持つ

売買については掛け販売でありながら、一部に現金販売、仕入は掛け仕入でドル
取引である。

実はこれだけで5分くらいかかっていた。

前期末残高
 解答としては二箇所求められているが、
  貸し引き⇒売掛金算出
  減価償却累計⇒備品
 が絡んでくる。
 昨年までならば、減価償却から行っただろうが、今年については売掛金から攻
める。
 それには残高合計値から逆算することが必要であるから、有価証券関係を解答

 これは、ドル建てを円換算すれば、きわめて単純。ここから売掛金2300を
出し、後は3%乗じるだけ。
 減価償却累計については、設立時からの保有分と、リース分についてそれぞれ
算出必要。
 まずは、取得原価から減価償却を積み重ねる。これ自体は単純。また、当期末

 リース債務が求められていることから、リース債務も算出するべし。
 この時点で、当期末の減価償却累計額とりリース債務、さらには減価償却費も
算出可能。
 さらに支払利息についても、リース債務、短期借入金(月数按分注意)から算出
可能。

およそここで15分。

期末残高・損益
 さて、資料を見ただけで、売上げ・仕入関係は面倒だということで、何が出来
るだろうと検討。
 有価証券関係がいけそうなので、前期末の資料を基礎としてチャレンジ。
 有価証券については、期中売却に注意して、期末保有数から時価評価する。
 投資有価証券については、C株については税効果会計の対象となることを確認
し、
 解答。これは楽勝。また、その他については期末換算して、これも解答。
 さらに受取利息については社債からのみなので、期末換算に注意して解答。

ここから、仕入・売上関係でどのくらいしぼりだされるか考える。
繰越商品については集計が面倒なのでパス。
一番簡単そうな、買掛金からチャレンジ。
実は買掛金の性質というか、支払期日さえ注意すれば、一発で出せる。
仕入についてはとりあえず、資料から積算してみる。結果ここは間違った。
よくよく考えたら、「売上原価」になるべきところを単なる仕入高としてしまっ
た。
売上げについては表の通りやったが×。
ただし、売掛金については三月売上げの未回収を出せば、貸倒引当金を
出せる。


ここで30分。ずいぶん力が落ちたなあと思いつつ、解答をみた。
結果、タック配点で19点は取っていた。
間違った(未解答)ところ
繰越商品、仕入・為替差損・売上
である。
タック解答解説会に出席した受講生の出来をみると
案外出来が悪いなという印象。
本試験ならば、アドバンテージを付けられる場所かも知れないが、
なにせ、リラックス状態で、やっているので、実際には15-16点取れるのが
関の山でしょう。なお、鍛えていれば、上記点数にもうちょいとれたかも。
また、仕入についは本当はわけわからん状態で解いていました。


第二問

予め、変な問題だという意識があったので、心構えはあったが・・・
この試験委員の特徴としては、問題をかなりじっくり見ないと、何を解答すべき

が見えないところにある。

問1 ソフトウエア
資料が膨大な割には、見るべき箇所が僅かという、わけのわからない問題である

減価償却方法については「見込販売数量」に基づくと書いてあるので、
ただ単に三年で均等償却するのではなく、「会計理論上」の償却を求めているん
だという
意識を持つ。
その償却の基となる資料に受験生を惑わせる?ならば、きちんとした日本語を使
っていただきたい。
3の表の左端には各年度の「販売見込数量」、その隣には「見込販売数量」とあり

4の表には左端「見込販売数量」、その隣には「見込販売数量」。
日本語が統一されていない。
3表が基礎となると判断したので、生産高比例法方式で償却していった。
よって一年目が算出できた。二年目が問題で、4表で販売見込数量が増加している
ことから、
ここで、工事進行基準の見積原価が増加したときの応用だろうと計算する。
しかし、端数が出てしまう。もう一度、未償却部分から算出すると割り切れたの
で、これが正解の
はずである。が、なにやら会計基準があり、それに基づくとこれが間違いだとか(128000
の数値が)。
ここで7.5分

問2 法人税
文句がある、とても辛い問題である。
この問題は法人税を勉強している人間には結構有利というかスムーズに
解けた問題である。この時点ですでに悪問。
受験生は課税所得とかいう単語に戸惑いを感じているのではないか。
自分が解いていて、かわいそうで涙が出そうだった。
結果間違っていたが、法廷実効税率を自分で算出しなければ、ほとんど得点でき
ないという
もう、試験委員の自己満足の世界に入っている問題である。
残念ですが、受験生はそこまでのレヴェルにはありません。
というか、会計の枠を超えた問題であります。
話を戻して、私はシコシコと法定実効税率を間違えつつ、差異を求めていった。
資料を見ていて、事業税の損金算入時期なんて、課税所得の用語とともに
これは法人税法の世界であり、簿記論の問題としては不良である。
まぁ、出されたものの中で、解くのだから、ここでは、とても簡単なのは
繰延税金負債である。繰延税金負債項目に何が来るのかということを
勉強していれば、この二年間は全く差異が生じる事項がないので、
自信をもって「0」を入れることが可能。結局時間をかけた割にはここだけ正解
だった。
実は課税所得を出してやろうと思い、見直しをしてしまったので、この時点で
17分。

問3 未処分利益
資本会計の問題で、今回の試験委員の問題で唯一許せる問題である。
ただ、不要な資料というか、何故これがあるのかというのが、有価証券の資料で
ある。
これは?と思いつつ、株主総会の資料へ。自己株式の取得限度額については
知らないが、この時点では結局買付価格と思い、その金額を結果的に算出。
ここで、久々なんで、忘れてしまっていたのが、利益準備金積立限度額。
あとで思い出したので、ここは4000を入れる。そうするともう自動的に次期繰越
利益
まで出てくる。
中間配当では、もう、積立限度額まで達しているので、ゼロを記入。
よって、当期未処分利益も簡単にでる。
この時点で25分。この問題が一番許せる問題である。
追記 当期未処分利益は、簡単にといったが、これは自己株の部分をあまり
考えないでやった結果であり、結果オーライの正解である。


結局こういう得点ができています。(正解箇所)
問1 第一年度
問2 繰延税金負債の部分
問3 自己株以外のところ
よって、13点である。

S先生へ
結論 自己満足の世界に陥ってばかりいるので、もう少しではなくしっかりと
受験生に勝負を挑んで欲しい。
問3は受験生の知識ならば、多少戸惑いはありながらも、合格点は確保できると
思うが、ソフトウエアについては、無駄な資料が多い。無駄ならば、その無駄の
なかで、何か解答を導く問題を作成すべきである。
そして、ひどいのが問2。法人税を勉強している者についてはある程度の
精神状態で解答はできたと思うが、それ以外の方については
じかんをとってしまうばかりでなく、精神的に追い込まれてしまう問題だろう。
ソフトウエアしかり。しかも、課税所得がどうだとか、事業税の金額を
出させるなど、簿記論の範囲を逸脱している。
昨年が珍問と思ったが、今年は明らかに「悪問」である。
来年も作問すると思うと、受験生がかわいそうである。
おそらく、昨年の悪評が耳に届きつつ、今年のような問題を作成するのだから、
来年も同様の問題を作成するのだろう。
こうなると、精神力というか、今までの簿記の知識を総動員するしかないのであ
る。
仕訳なんて関係ないということになる。


第三問
昨年はとにかく解きづらいというか、日本語がへんという問題があったイメージ
が強かった。
今年はそれに比べるとやりやすい問題ではないかと思われる。
問題構造としては
二月末残高試算表⇒三月末残高試算表⇒決算整理仕訳⇒決算整理後残高試算表
という実務的な流れである。
ポイントがあるとすれば、三月末残高試算表でどれだけ点数が取れるかというこ
とである。
ここを制すると、決算整理も行きやすいし、結果、決算整理後もできることにな
る。
しかし、普段練習している「メモ書き」が使いにくい問題であるという気がする

問題の特徴としては
・消費税処理が複雑
・特殊商品がお好き
・固定資産売却が複雑?
ということである。
まさか今年も特商?という気はしたのですが。
(三月取引)
消費税についてはご丁寧に税込みという表示はあるが、消費税をやっていない
者にとってはこれはストレスになるはず。
また、結構面倒というか見落としがちなのが、現金預金収支状況の資料で、
適用から仕訳を起こすことを忘れがちということである。
実際、私も忘れた箇所がいくつかある。
消費税をやっている者についてはなんでもないが、車両売却は結果的には消費税
込みの
部分をきちんと分離できるかということである。
実務についていても、この部分滅多にでないので。ただ、出来ているものは少な
いようである。
(決算整理)
意外や意外、棚卸商品が求めやすかった。これは得点しなければならない。評価
損・減耗含めて。
貸倒引当金は、自己破産申立による受取手形と売掛金の訂正以外は後回し。
固定資産・建物については、試験委員が法人税法に強いことから、落成費用につ
いては
取得価額算入が正解であり、別解の位置づけで落成費用の費用算入ではないかと
思われる。
保証料と保険料についてはかなり按分計算が難しいので、パス。
減価償却については建物・車両を除いては正解できるところ。
賞与引当金は楽勝。税効果はパス。
ここで、すでにタイムアップぎりぎりなので、
有価証券についてはB株式がすぐに出せるので、ここのみ。

合計は22点のもようです。

総括
第一問 良問
第二問 悪問
第三問 良問
オススメ
       <管理人の記事掲載号>  会計人コース2011年9月号-                  会計人コース2008年02月号                  会計人コース2008年01月号                  会計人コース2007年09月号 <管理人の本>
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