【資産の定義】

1 資産とは、過去の取引または事象の結果として報告主体が支配している経済的資源をいう。

2 経済的資源とは、キャッシュの獲得に貢献する便益の源泉をいう。

3 資産は他の構成要素から独立して定義されるが、資産の定義から測定値が一律には導かれない。


1 資産とは、過去の取引または事象の結果として報告主体が支配している経済的資源をいう。

資産とは、過去の取引や事象の結果として報告主体が支配している経済的資源をいいます。

報告主体は一般に「企業」を指しますが、連結財務諸表での企業集団も含まれます。

「支配」は「所有」とは異なります。

例えば、ファイナンス・リース取引は、法的な賃貸借取引を経済的実態が売買だから売買処理しますが、借手のファイナンス・リース資産は、借手が所有していませんが、資産性を有します。

所有は法的な考え方に近く、支配は実質的な考え方に近いです。

法的には持っていなくても、その資産から経済的利益を受けるのであれば、資産性を有することになります。


2 経済的資源とは、キャッシュの獲得に貢献する便益の源泉をいう。

経済的資源とは、キャッシュの獲得に貢献する便益の源泉をいいます。

キャッシュの獲得には、単なる売却によるキャッシュの獲得だけでなく、資産の使用を継続することによるもの等も含まれます。

例えば、ファイナンス・リース資産は、自らが所有する資産ではありませんので、これを売却してキャッシュを手にすることはできません。

しかし、ファイナンス・リース資産を使用することで収益を獲得(または費用を削減)して、将来のキャッシュの獲得に貢献するので資産としての性格を有します。

繰延税金資産も単独でもちろん売却はできません。

しかし、繰延税金資産は、法人税等の前払の意味を持ち、将来の法人税等の支払額を減額する効果があり、将来のキャッシュの獲得に貢献するので、資産性を有します。


3 資産は他の構成要素から独立して定義されるが、資産の定義から測定値が一律には導かれない。

資産は他の構成要素から独立して定義されていますが、そこから単一の測定値が導かれるわけではありません。

理論的には、資産の本質がキャッシュの獲得への貢献であるなら、これにふさわしい測定値は割引価値とする考え方もあります(あくまでも考え方です)。

しかし、概念フレームワークはそう考えていません。

資産を保有目的に応じて異なる測定値を使い分ける「混合測定」と呼ばれる考え方を採用しています。