次の4つの項目における償却原価法の適用に関して「金融商品に関する会計基準」及び「金融商品会計に関する実務指針」で他とは明らかに異なる規定の仕方をしている項目を選びなさい。また、その規定が他とは異なるのはなぜかその理由を述べなさい。

1.債権に対する償却原価法

2.満期保有目的の債券に対する償却原価法

3.その他有価証券に対する償却原価法

4.社債に対する償却原価法

解答は4.社債に対する償却原価法です。

償却原価法は、取得(発行)差額が金利の調整であるときに適用があり、信用リスクを反映した部分には適用しません。

社債の評価には自らの信用リスクを反映させる必要がなく、発行差額は全額が金利の調整のため、金利の調整である旨が規定されていない点が他規定と異なっています。

【関連規定】
1.償却原価法の意義(金融商品に関する会計基準 注5)
償却原価法とは、金融資産又は金融負債を債権額又は債務額と異なる金額で計上した場合において、当該差額に相当する金額を弁済期又は償還期に至るまで毎期一定の方法で取得価額に加減する方法をいう。なお、この場合、当該加減額を受取利息又は支払利息に含めて処理する。

2.債権(金融商品に関する会計基準14)
受取手形、売掛金、貸付金その他の債権の貸借対照表価額は、取得価額から貸倒見積高に基づいて算定された貸倒引当金を控除した金額とする。ただし、債権を債権金額より低い価額又は高い価額で取得した場合において、取得価額と債権金額との差額の性格が金利の調整と認められるときは、償却原価法に基づいて算定された価額から貸倒見積高に基づいて 算定された貸倒引当金を控除した金額としなければならない。

3.満期保有目的の債券(金融商品に関する会計基準16)
満期まで所有する意図をもって保有する社債その他の債券(以下「満期保有目的の債券」という。)は、取得原価をもって貸借対照表価額とする。ただし、債券を債券金額より低い価額又は高い価額で取得した場合において、取得価額と債券金額との差額の性格が金利の調整と認められるときは、償却原価法(注 5) に基づいて算定された価額をもって貸借対照表価額としなければならない (注6) 。

4.債務(金融商品に関する会計基準26)
支払手形、買掛金、借入金、社債その他の債務は、債務額をもって貸借対照表価額とする。 ただし、社債を社債金額よりも低い価額又は高い価額で発行した場合など、収入に基づく金
額と債務額とが異なる場合には、償却原価法(注 5)に基づいて算定された価額をもって、貸借対照表価額としなければならない。

5.その他有価証券(金融商品会計に関する実務指針74)
その他有価証券のうち、取得差額が金利調整差額と認められる債券にまず償却原価法を適用し、取得原価と償却原価との差額を有価証券利息の修正として処理する。その上で、時価のある債券については、償却原価と時価との差額を評価差額として処理する。