「収益認識基準」は、顧客との契約により生ずる収益の認識に関する包括的な会計基準です。

ざっくりとは「財・サービスの移転」を「対価の額」で測定します。

これは従来の実現主義の「実現の要件」とよく似ています。

(1)財サービスの提供 (2)貨幣性資産の受領

いったいどこが違うのでしょうか。

また、リスクからの解放とはどんな関係があるのでしょうか。

「収益認識基準」で実現主義やリスクからの解放との関係は検討しておらず(オーマイガー)、単純な比較は難しいでしょう。

しかし、これを考えておくことは無駄ではありませんし、試験的にも重要なハズ。

ここでは、実現主義とリスクからの解放の考え方の基礎にあるものを考えてみました。


(実現主義)

まずは、企業会計原則における実現主義です。

企業会計原則の三Bでは次のように述べていました。

「売上高は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限る。」



必要な部分のみを改変して抜き出せば、売上高が商品販売により実現することがわかります。

何が実現するのかといえば「収益が実現」します。


(リスクからの解放)

投資のリスクからの解放という考え方の下ではどうでしょうか。

概念フレームワークでは、リスクからの解放について、次のように規定しています。

「リスクからの解放とは、投資にあたって期待された成果が事実として確定すること」


投資のリスクからの解放は、投資の成果の不確定性の解消により純利益を認識する考え方でした。

商品販売では、その成果が確定するのは、商品販売という取引が現実に行われた段階です。

商品の販売「取引が確定」することで投資がリスクから解放されるといってよいでしょう。


(収益認識基準)

「収益認識基準」では、どうでしょうか。

「収益認識基準」の35項をみてみましょう。

「約束した財又はサービスを顧客に移転することにより履行義務を充足した時に又は充足するにつれて、充足した履行義務に配分された額で収益を認識する。」


移転するのは「財やサービス」です。

収益認識基準では、この「財やサービス」を単に「資産」と呼んでもいますので、以下では「資産」と置き換えましょう。

収益認識基準では、「資産が移転」することに着目していることがわかります。

誤解を恐れずにそれぞれにおける収益認識が何に着目しているかを示しておきましょう。

実現主義     ⇒ 収益が実現
リスクからの解放  ⇒ 取引が確定
収益認識基準   ⇒ 資産が移転


話は核心へと向かうのですよ(たぶん)。


収益認識基準入門(その5)


スタートの記事はこちらからどうぞ。
収益認識基準入門(その1)