キャッシュ・フロー計算書基準、読んでますか?

直前模試花盛りで、会計基準どころじゃないよという声も聞こえてきそうです。

でも直前期だって、いや、直前期だからこそ原文に戻れるかは大事ですよね。

理論であれば穴埋めや○×の出題が基準から出題される可能性もありますし、基準に従って記述させる問題も少なくありません。

昨年の第一問、最もよい解答を作成できたのは会計基準をしっかり読んだ方だったと思います。

理論だけでなく、この時期以後は計算の確認で会計基準を参照できると強いですね。


今回は、直接法と間接法の話です。
キャッシュ・フロー計算書の営業活動区分の記載方法には「直接法」と「間接法」があります。

直接法はキャッシュ・フローを直接集計する方法です。

取引ごとに集計するわけですから単純ですね。

でも、数が多くて面倒そうです。

間接法は、利益から間接的にキャッシュ・フローを推定する方法です。

考え方はやや分かりにくいですが、直接法より手間がかかりません。

手間がかからない分、実務的には、間接法の適用が圧倒的に多いようです。


具体的な計算はさておき、ここでは両者の特徴を対比しながら考えておきましょう。


(1)作成上の手間

手数の面では、直接法が大変で、間接法は簡単です。

手数の面では、間接法がラクチンです。


(2)総額か、純額か

キャッシュ・フローを総額で示すことができるのが直接法です。

間接法は間接的にキャッシュ・フローを示すに過ぎません。

この点では、直接法に軍配が上がりそうです。


(3)利益との関係

利益が出ていても倒産(黒字倒産)などということがあり得ます。

その意味でも利益とキャッシュ・フローの関係を示すことは重要でしょう。

間接法では、利益とキャッシュ・フローとの関係を示すことができます。

また、営業活動によるキャッシュ・フローの区分における小計は、営業利益に対応するキャッシュ・フローを示しています。


直接法と間接法の長短、しっかり把握しておきましょう。


そうだ、会計基準を読もう!!(3つの点で特徴をつかんでおこう!)



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