最後にこれまでの計算を簡略化してまとめておきましょう。

<全体の計算>
分配可能額=直近の期末剰余金の額
      −分配可能額からの控除額
      ±効力発生日までの株主資本の計数の変動額

<分配可能額からの控除額>
1.自己株式の帳簿価額
2.のれん等調整額に係る金額(下記)
3.その他有価証券の借方の評価差額


<のれん等調整額に係る金額>
1.のれん等調整額  > 資本金等・その他資本剰余金
かつ のれんの2分の1 > 資本金等・その他資本剰余金
………その他資本剰余金+繰延資産
または対象額が<その他利益剰余金−繰延資産>
2.1以外………超過額(のれん等調整額−資本等金額)
※ないときは控除しない


<効力発生日までの株主資本の計数の変動額>
1.計数変動に伴う剰余金の増減は加減
2.剰余金の配当と準備金の計上は減算
3.自己株式の取得は減算、消却・処分は影響なし



こうやってもやっぱりのれん等調整額に係る金額はしんどいですね。

でも一連の処理等をできる限り追いかけておけば、忘れにくいし、仮に忘れても戻るのも早いでしょう。

一部、これはギブってところ(のれん等調整額関連)はあります。

まあ、そこはエイヤっという感じで、なんとか難解な分配可能額の計算に対処してみてください。


わざわざ1つの記事で済む話を長々としてきました。

しかし、計算のやり方だけを覚え、それを反復するだけでは簿記論1科目といえども尋常ではない根性の勝負になってしまいます。

それが決して本来の意味での勉強の仕方とは思えません。

もちろん全てとはいいませんが、少しずつでも理屈を追いかけ、それに乗り換えるようにする。

遅いようでもその方がかえって早いし、ゴール(合格)にたどり着く可能性も飛躍的に高くなるのではないでしょうか。



分配可能額の計算(完)


分配可能額の計算(1)