利益は処分可能である。

まあ、こう書いちゃったりもするんですが、かなり怪しいです。
この場合の利益はストックとしての利益を意味します。

企業が株主から調達した資本は維持する。

資本を上回る利益は処分可能である。

一見、正しいように思えます。

しかし、今年の試験を見据えても少し疑念を持って眺めた方がよいように思います。



かつて、このような議論が成り立つ制度が背景にありました。

商法が利益配当を行う金額を基本的には利益に限っていたからです。

利益のうちの一定額を利益準備金として積み立てる制度はありました。

しかし、それは利益のうちの一定額を予備として拘束したものと考えることができるでしょう。

基本的に商法が利益を処分可能なものと考えていたといってよいです。

現在では、この構図は崩れています。

その他資本剰余金が配当可能になっているからです。



仮に利益が処分可能であり、資本を維持拘束しなければならないとするなら、この事(その他資本剰余金の配当)に対して、全力で反対すべきだと思います。

しかし、これに対する反論は見当たりません。

あるとしても利益は処分可能で、資本は維持拘束すべきものだからという議論のみ。

会社法では、必ずしもそうなっていません。

であるなら、会社法から離れたところで、利益は処分可能で、資本は維持拘束すべきである根拠を会計学の見地から提示すべきでしょう。



一つの記事ではどこが問題なのかもうまく説明できていない気がします。

以下の過去出題は、どこに問題があるのかを考えるにあたっては格好の材料になるように思います。

これが形を変えてもう一度、本年という可能性は十分にありえるでしょう。

単に解答を眺めるだけでなく、十分に検討したい課題です(って、解答出してませんが)。

ぜひ、解答を考えつつ、資本と利益の問題に緩やかにアプローチしましょう(急にはムリだと思います)。




(1)平成15年第二問 問2
 企業会計原則の「一般原則三」は「資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない。」と述べている。これに関連して、次の各問に答えなさい。
1 資本取引及び損益取引の意味を説明しなさい。
2 企業会計原則の「注解2」は、「新株発行による株式払込剰余金から新株発行費用を控除することは許されない。」と述べているが、その理由を説明しなさい。
3 株式払込剰余金の取崩額を原資として配当を行うことは「一般原則三」の趣旨に反するであろうか。理由を付して述べなさい。


(2)平成19年第一問
3 会社法の計算規則では、「剰余金の配当」が規定されている。これに関して、次の問に答えなさい。
(1) 剰余金の中の「その他資本剰余金」には、どのようなものがあるか。2つ示しなさい。
(2) それらの配当可能性の是非に関し、企業会計の基本的観点から理由とともに述べなさい。
4 企業会計原則の「一般原則」の三「資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない。」について、次の問に答えなさい。
(1) この規定を前段と後段に区別するとき、前段は適正な期間損益計算の観点からの規定とみることができる。その際、そこで想定される資本とは何かを示しなさい。
(2) 後段は前段とは別の観点からの規定とみることができる。,修隆囘世箸浪燭。△修両豺腓了駛椶箸浪燭、それぞれ示しなさい。