企業会計の主たる目的には損益計算があり、その損益計算を支える極めて重要な原則が費用収益対応の原則です。

この費用収益対応の原則には大きく2つの考え方があります。

(1)費用の認識に関する原則とする考え方

(2)損益計算を支える根本原則とする考え方

ややわかりにくいですので、もう一度。
(1)費用の認識に関する原則とする考え方のもとでは、収益は「実現」、費用は「発生」で捉えることの費用認識のズレを補正するのが対応原則だと考えるわけです。

このような考え方のもとで対応は、実現や発生と並列的に考えられています。

これに対して(2)の考え方のもとでは様子が少し変わります。

むしろ費用収益対応の原則を柱に他の損益計算書原則があるといえるでしょう。

ちなみに桜井先生の財務会計講義は(2)の考え方を採用しているようです。

いずれの考え方をとるかで実際の結果が異なるという感じではありません。

費用収益の対応は単なる形式にも用いられますが、呼称としても(1)の考え方をとる場合には、費用収益対応の原則(形式バージョン)、(2)の考え方をとる場合には費用収益対応表示の原則と呼ばれることが多いようです。


(1)費用の認識に関する原則とする考え方
 ー村糎饗Г箸靴討痢嵌駘兌益対応の原則」<費用の認識原則>
◆〃措宛饗Г箸靴討痢嵌駘兌益対応の原則」、「費用収益対応表示の原則」

(2)損益計算を支える根本原則とする考え方
 ー村糎饗Г箸靴討痢嵌駘兌益対応の原則」<損益計算の根本原則>
◆〃措宛饗Г箸靴討痢嵌駘兌益対応表示の原則」


ある名称に拘泥せず、どのような考え方をとっているのかに注目する必要があるでしょう。

単に費用収益対応の原則といった場合も何を意味しているかを取り違えると結論もまた異なる場合があるかもしれません。

本年の「配分」に関する出題を振り返る限り、費用収益対応の原則はこうだと一方的に決め付けることが重要でないことがわかります。

ある程度の考え方の幅をもって考え、その中でどうすれば合理的に損益を計算できるのかを考えることこそがより重要というべきなのでしょう。


対応とは何か(8)