試験内容と結果を元に簿記論と財務諸表論の出題傾向と対策を考えています(以前の記事の再投稿です)。

以前と余り変わりませんが、試験傾向と異なる学習に邁進しないよう今一度、過去の出題を振り返ってはいかがでしょうか。

財表理論第二問対策としては会計人コース6月号付録を絶賛オススメ中です。

これはかなり実力がつくと思いますので、ぜひ実際に書いて(言って)みながら問題を解いてみてください。


なお、今年これだけ押す理由については、次の記事をご覧ください。

試験前後のある出来事

【簿記論】

全体から基礎・基本への回帰が窺え、集計的要素はやや薄れています。

学者出題(第一・二問)では、会計基準をベースに知識や簿記の基本を問う出題が目立ちました。

実務家出題(第三問)では、実務に直結した出題が続いています。

学者出題で試験委員変更があり、傾向が鮮明になるかは不明ですが、継続すると考える方が他資格や大学受験での変化、時代の流れ等を考えても自然です。

対策は徹底的な基礎の拡充と第三問対策にあるでしょう。


【財務諸表論】

出題から感じられるのは基礎から応用へのシフトです。

覚える学習から考える学習、覚える知識の習得から使える知識の習得への変化といえるでしょうか。

今後、模範解答丸暗記的な学習の効果は極めて低い(点数がとれない)でしょう。

予想も余り関係がないと思います(当たっても理解がないとできない)。

特に昨年の第二問は「配分」とわかっても対策が打てない問題でした。

逆に基礎がしっかりしていれば、対策ナシでもそれなりの点数がとれる問題です。

財務諸表論の学者試験委員は今年も同じ(2年目と3年目)なので傾向の変化はないでしょう(3年目での変化は特に考えにくいです。2年やってるわけだし)。

対策は基礎概念を軸にした理解型の学習と会計基準中心の学習にあります。

今後は、基礎理論と会計基準から新旧、関連項目を横断した出題が予想されます。


要点は上記に示しましたが、その根拠をもう一度。

一番、大きいのは私が理論予想を外したのに、合格率が高い点です。

つまり、結果として予想は意味を持ちませんでした。

ブログでのご報告状況をご覧頂いてもおわかりでしょう。

リアルでの私の教室での合格率はたぶん60%台後半になります。

なぜこのような結果になったかの原因は、はっきりしています。

そもそも税理士試験の会計科目が単なる暗記科目であってよいハズはありません。

税理士は会計と税務の専門家です。

税理士がその専門知識を持って業務を行う以上、業務に必要な知識を平板に問う試験であるハズはなく、業務に必要な知識を駆使できる能力を問う試験に決っています。

むろん出題者である大学の先生は、以前からそう考えていたハズ。

しかし、財務諸表論は計算の出題が50点を占めているためか、計算を高得点でこなし、理論は丸暗記というスタイルでもかなりの程度で合格できたのでしょう。

それは想像すれば理論の出題・採点がややメリハリに欠けていたからに過ぎません。

穴埋めや記号の出題に配点を大きくふる(いわゆる傾斜配点)とすれば結果はぼやけてしまいます。

理論で大きく差がつかない状況がこれまではおそらくありました。

ところが、今年の出題をみる限り(出題に関しては簿記も同様です)、圧倒的な意志を持っていると感じました。

今年の試験の結果をみる限り、その意志はそのまま反映されています。

おそらくは、これまで余り配点比重の高くなかった記述部分に配点がふられており(あるいは穴埋め等への傾斜配点等がない)、結果が理論に大きく左右されたと推察されます。

いや、計算と理論の配点は同じですから、計算と理論がともに影響するといった方が正確でしょう。

このような変化は試験問題の内容、そして結果を真摯に受け止めれば明らかです。

そして、それ以外の不安定な分析材料は全く必要ありません。

ただの感想や印象で税理士試験を形づくるのはもう止めましょう。

その事で不幸を生むのは他ならぬ受験生なのです。

試験に受かることが先決という考え方はあり得ます。

しかし、それが幻想である以上、試験に受かる確率を減らし、将来、専門家としても役立たない学習方法(計算ガツガツ、理論丸暗記)の推奨には本当に辟易します。

これ以外のストーリーを私は描くことができません。

これ以外のストーリーを今年の状況から読み取るならそれは単なる誤読に過ぎないでしょう。

受験生が傾向を読み誤ったとしても、少なくとも受験指導のプロが状況を見誤ることはあり得ません。

いや、私からみてそんな濁った目を持っているなら、もはや自身をプロと呼ぶ資格はありません。

税理士試験は変らなければならない。

少なくとも財務諸表論(理論)は明らかに変っています。

この流れが今年、変ることはありません。



この結論に異論・反論があれば、ぜひ、コメントを頂きたく思います。

受けて立ちます。

建設的な議論は、私の望むところでもあります。

よろしくお願い致します。