「ファイナンス・リース取引」とは、リース契約に基づくリース期間の中途において当該契約を( ア )することができないリース取引又はこれに準ずるリース取引で、借手が、当該契約に基づき使用する物件(以下「リース物件」という。)からもたらされる( イ )を実質的に享受することができ、かつ、当該リース物件の使用に伴って生じる(a)コストを実質的に負担することとなるリース取引をいう。
 所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産の減価償却費は、自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法により算定する。また、所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産の減価償却費は、原則として、(b)リース期間を耐用年数とし、(c)残存価額をゼロとして算定する。


問1 空欄に該当する語句を答えるとともに、下線部(a)の種類を3つあげなさい。

問2
1.ファイナンス・リース取引に売買処理を適用する理由を簡潔に述べなさい。
2.ファイナンス・リース取引における借手のリース債務の負債性について述べなさい。
3.ファイナンス・リース取引における借手のリース資産の資産性について述べなさい。

問3 所有権移転外ファイナンス・リース取引に関する下記の問に答えなさい。
1.所有権移転外ファイナンス・リース取引には、これまで例外処理として賃貸借取引が認められていました。その理由を指摘するとともに、例外処理を容認する問題点を2つ示しなさい。
2.所有権移転外ファイナンス・リース取引と所有権移転ファイナンス・リース取引とで異なる性格を1つ取り上げて、簡潔に指摘しなさい。
3.所有権移転外ファイナンス・リース取引と所有権移転ファイナンス・リース取引とで異なる減価償却費の計算要素について、その異なる根拠を下線部(b)、(c)の別に指摘するとともにそれ以外の費用配分手続きにおける違いを簡記しなさい。

問4 ファイナンス・リース取引の貸手側における資産の処理科目を所有権移転ファイナンス・リースと所有権移転外ファイナンス・リース取引の別に指摘し、所有権移転外ファイナンス・リース取引における資産の構成要素を示しなさい。なお、貸倒引当金の設定対象となる項目についてはそのうちのいずれかを示すこと。

問5
1.オペレーティング・リース取引の会計処理を簡潔に指摘しなさい。
2.オペレーティング・リース取引に対する理論上の代替的会計処理があればそれを指摘し、その場合の根拠を借手の視点から簡潔に説明しなさい。

(解答)
問1
語句:ア 解除  イ 経済的利益
コスト:1.取得価額相当額 2.維持管理費用 3.陳腐化によるリスク

問2
1.経済的実態が売買取引と同様なため
2.契約によりリース料を支払う義務があるため、経済的資源を引き渡す義務としての負債性がある
3.リース物件の使用収益により経済的利益を享受する権利があるため、経済的資源としての資産性がある

問3
1.
理由:賃貸借としての性格が強いため
問題点:
CFが固定されているのに、借手の負債が計上されない
例外処理が大半を占めている
2.性格:
法的には賃貸借取引の性格を有するが、経済的には売買で役務提供が組み合わさり、複合的な性格を有する
3.
(b) 物件の使用がリース期間に限定されている
(c) 物件の所有権が移転しないため残存価額を考慮する必要がない
違い:所有権移転ファイナンス・リース取引では、自己所有の固定資産と同一の償却方法をとるが、所有権移転外ファイナンス・リース取引では異なる償却方法を採用できる。

問4
移 転:リース債権
移転外:リース投資資産
構成要素:1.将来のリース料を収受する権利(リース料債権) 2.見積残存価額
貸倒引当金の設定対象:将来のリース料を収受する権利(リース料債権)

問5
1.賃貸借処理
2.処理:売買処理
  理由:固定資産を使用する経済的事実はファイナンス・リース取引と変わらないため