忘れないためには覚えない。

逆説的ですが、これに限ります。

できるだけ覚えなくて済む工夫をすることが学習上は極めて重要ではないでしょうか。

私はそればっかり考えてます(←問題解けみたいな)。

今回は、外貨建項目について、考えてみました。
外貨建項目の換算相場は、大きくは、取得(発生)時の為替相場か、決算時の為替相場をとります。

この場合にたとえば科目ごとに相場を覚えるのは、とても忘れやすいです。

基本的な換算のルールをおさえて、それでいけないものは別途対処する。

その方が記憶の定着には有効です。

次のような柱で考えてみましょう。


(1)貨幣非貨幣法で考える

(2)有価証券は別途考える

(3)間違いやすいものに注意する



(1)貨幣非貨幣法で考える

外貨項目の基本的な相場選択方法は、貨幣非貨幣法といわれます。

貨幣非貨幣法は、貨幣項目は決算時、非貨幣項目は取得時の為替相場で換算する方法です。


貨幣項目  → 決算時

非貨幣項目 → 取得時


まずは、貨幣項目と非貨幣項目の区別をつけることが重要です。

貨幣項目は、貨幣(お金)でケリがつく項目です。

たとえば、資産であれば、貨幣になってかえってくる項目が貨幣項目です。


(借)売掛金×× (貸)売 上××
    ↓
(借)現 金×× (貸)売掛金××


売掛金は、現金に変っていますので、貨幣項目です。


(借)前払金×× (貸)現 金××
    ↓
(借)仕 入×× (貸)前払金××


前払金は、仕入(売上原価)に変っていますので、非貨幣項目です。


まずは、貨幣非貨幣法で考えましょう。



(2)有価証券は別途考える

有価証券は別途考えましょう。

まずは、評価(円建)の確認です。


売買目的有価証券 → 時価

満期保有目的債券 → 原価(償却原価)

子会社株式等   → 原価

その他有価証券  → 時価


これに換算がかぶるわけですが、この場合には、評価が優先します。

評価換え(時価評価)するならそれは、評価の一環と考え、科目も評価時のものを使います。

評価換えしないなら、それは換算のみなので為替差損(益)で処理します。

換算相場は、子会社株式等のみが取得時、他は決算時です。


売買目的有価証券 → 決算時

満期保有目的債券 → 決算時

子会社株式等   → 取得時

その他有価証券  → 決算時


結局、満期保有目的の債券のみで為替差損(益)がでてきます。

満期保有目的債券について、為替差損(益)と覚えるのではなく、面倒くさくても上記のような考え方をとった方がよいでしょう。


著しい時価下落があった場合は、どうでしょうか。

著しい時価下落があって、時価で評価したなら換算も決算時の為替相場で行います。

この場合の満期も「評価」ですから、もちろん為替差損ではなく、評価損(投資有価証券評価損)です。



(3)その他の注意点

これは貨幣非貨幣法の流れでいけますが、前受金、前払金、前受収益、前払費用は取得時換算です。

前受金が売上、前払金が仕入といった具合に考えると非貨幣項目である(近い)ことがわかります。

これに対して未収金、未払金、未収収益、未払費用は、決算時換算です。


社債については、全面的に決算時換算です。

外貨基準の外貨建金銭債権債務のただし書(外貨建転換社債に関する記述)は古いので、カットしておきましょう。



為替相場の選択は、個々に覚えて対処しているとグチャグチャになります。

取扱いを整理して、問題に取り組みましょう。