概念フレームワーク、読んでますか?

今回から第4章「財務諸表における認識と測定」です。

まずは、概要的な話から。
財務報告の目的は、投資家の意思決定に有用な情報を提供することにありました。

投資家に対する情報提供の手段は財務諸表です。

この財務諸表の構成要素を定義したのが第3章でした。

その第3章をうけて、定義を充足した構成要素をどのタイミングで認識し、どのように測定するのかが第4章の課題です。

認識は、「いつ」財務諸表にのせるか、測定は、「いくら」をのせるかの問題といえるでしょう。



認識と測定に関して、留意すべき点として、次の2つをあげておきます。

一つは、「リスクからの解放」との関係です。

リスクからの解放は、投資の不確実性が解放された段階で純利益(収益−費用)を認識する考え方です。

リスクからの解放が純利益、そして収益、費用の認識と測定に大きくかかわっています。

収益や費用は、現実の収入や支出を基礎としている以上、それは簿記会計の基本的な仕組みを考えてもわかるように、資産や負債にも影響します。

リスクからの解放が構成要素の主要部分に大きな影響を及ぼすのです。

言い方を変えれば、会計における認識や測定をリスクからの解放という考え方から整理さしているといえるでしょう。



もう一つは、投資(目的)と認識・測定との関係です。

構成要素の認識や測定は、企業の行う投資活動の内容を離れて行われるわけではありません。

企業の行う投資の状況によって投下された資金のあり方も異なるハズです。

同様に株式に資金を投ずるといっても値上がりを期待しているケースとその企業を支配する目的では意味が異なります。

前者は金融投資、後者は事業投資と呼ばれます。

金融投資が時価で評価され、評価差額が損益とされるのに対して、事業投資は原則として原価評価です。

資産の外形ではなく、投資の実質が大事といえるでしょう。

投資の状況次第で構成要素の認識や測定も変化し得る点に注意が必要です。



そうだ、会計基準を読もう!



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