概念フレームワーク、読んでますか?

今回は、負債の話です。
まずは、概念フレームワークにおける負債の定義を示しておきましょう。

負債とは、過去の取引または事象の結果として報告主体が支配している経済的資源を放棄もしくは引き渡す義務またはその同等物をいう。




負債については、資産とちょうど反対の意味を持ちます。

資産の定義を利用しないで定義していますが、短くは、「資産を引き渡す義務」と理解できます。

構成要素で独立した(他の定義を利用しない)定義をしているのは、資産と負債だけです。

ほかは、他の定義を利用しているんですね。



義務の同等物には、法律上の義務に準じるものが含まれます。

資産除去債務が該当するでしょうか。

また、繰延収益は、純資産のうち株主資本以外に該当します。



負債は資産の逆であまり書くこともないので、負債性の話を少し。

まずは、借入金の負債性。

借入金は、負債ですが、借入金の負債性をその定義を踏まえて考えて(言って)みましょう。

借入金は、期日に金銭(現金)を返済する義務です。

資産(現金)を引き渡す義務なので、負債に該当します。



新株予約権はどうでしょうか。

新株予約権は何らかの意味での義務には違いありませんが、資産を引き渡す義務ではありません。

株式を交付する義務ですね。

新株予約権は返済義務がある負債ではありません。

こんな感じで、いろんな負債(もどき)の負債性を考えてみましょう。

純資産基準の22項あたりをあわせて読んでおくとよいです。



そうだ、会計基準を読もう!(負債性も一つの論点になり得ます。しっかりいきましょう)


会計基準を読もう!<目次>