変更・誤謬基準、読んでますか?

今回は、会計上の見積りの変更に関連して、臨時償却の取扱いです。
変更・誤謬基準では、会計上の見積りを変更しても遡及処理しません。

会計上の見積りの変更は、当期または当期以後のみに影響させます。

会計上の見積りには、そもそも不確定な要素があります。

新たな情報が入手されて、見積りを変更しても過去には遡らないのが基準の取扱いです。



会計上の見積りの変更のもっとも一般的なケースに、耐用年数の変更があります。

耐用年数は、いつまで使えるか?という見積りの年数です。

何年か使ってみたらそんなには使えないとわかった。

そんなケースが耐用年数の変更(短縮)です。

従来は、耐用年数の変更時に過去の償却計算を訂正するのが一般的でした。

つまり、耐用年数変更時に臨時償却もしていたのです(計算では指示が最優先ですが)。

このように影響額を変更期で一時の損益とする方式を「キャッチ・アップ方式」といいます。

これに対して、遡及修正はせずに、当期以後の損益のみに影響させる方式を「プロスペクティブ方式」といいます。

基準が採用したのがこの「プロスペクティブ方式」です。

つまり、臨時償却をせず、当期以後に影響させておしまいです。


(1)キャッチ・アップ方式(臨時償却をする)

(2)プロスペクティブ方式(臨時償却しない):基準採用


過去の出題では、臨時償却を行い、変更後の耐用年数で減価償却を行う例が多かったようです(変更後に当初の年数によるケースもあります)。

今後の出題についてですが、あくまでも問題の指示が最優先ですが、平成23年度の試験では、両にらみの必要があるでしょう。

実際の出題は、問題文をよく読めば、対処できるハズと考えています。

常に問題をよく読むことを心がけましょう。



そうだ、会計基準を読もう!(もう、臨時償却はしなくなるんだ。素晴らしい!)


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