工事契約基準のまとめです。

(1)導入の趣旨(29)
財務諸表間の比較性の確保、情報の早期開示、国際的な会計基準とのコンバージェンスに資するために導入された。


(2)工事契約に係る認識基準
1.認識基準(9)
 工事契約に関して、工事の進行途上においても、その進捗部分について成果の確実性が認められる場合には工事進行基準を適用し、この要件を満たさない場合には工事完成基準を適用する。成果の確実性が認められるためには、工事収益総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗度について、信頼性をもって見積もることができなければならない。

2.考え方(工事契約基準40)
 工事契約による事業活動は、工事の遂行を通じて成果に結びつけることが期待されている投資であり、そのような事業活動を通じて、投資のリスクから解放されることになる。


(3)工事進行基準
1.工事進行基準(14、16、58)
工事進行基準とは、工事契約に関して、工事収益総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗度を合理的に見積り、これに応じて当期の工事収益及び工事原価を認識する方法をいう。工事進捗度の算出方法としては、原価比例法が一般的であるが、この他に直接作業時間比率や施工面積比率を用いる方法などが考えられる。

2.見積りに変更があった場合(16)
 見積りに変更があった場合は、変更原因が当期に起因することも多く、影響額を変更があった期の損益として処理する。


(4)工事完成基準(18)
 工事完成基準とは、工事契約に関して、工事が完成し、目的物の引渡しを行った時点で、工事収益及び工事原価を認識する方法をいう。


(5)工事契約から損失が見込まれる場合の取扱い(19、62、63)
 工事契約について、工事原価総額等が工事収益総額を超過する可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合には、その超過すると見込まれる額のうち、当該工事契約に関して既に計上された損益の額を控除した残額を、工事損失が見込まれた期の損失として処理し、工事損失引当金を計上する。
工事損失の発生が見込まれる場合、すなわち、投資額を回収できない事態が生じた場合において、将来に損失を繰り延べないために行われる会計処理である。同様の会計処理には、有価証券・固定資産の減損、棚卸資産の評価(正味売却価額)などがある。