本年のヤマの一つである工事契約基準に大々的に登場するリスクからの解放。

概念フレームワークを理解する上でも極めて重要です。

リスクからの解放は何の認識規準でしょうか?

純利益(収益と費用)の認識規準です。



「リスク」は投資の不確実性を表します。

「確実なキャッシュ」と「確実でないその他の資産」との交換が投資です。

投資はキャッシュをリスク(不確実性)にさらすことを意味します。

リスクを覚悟してより大きな成果を期待する。

その期待をもってキャッシュを他の資産に投ずる行為が投資です。

リスクからの解放は、期待した投資の成果が確実になることを意味します。

通常は、投資がキャッシュに還元される段階でリスクは消滅します。

キャッシュの獲得で投資段階で発生したリスクから解放されるのです。



リスクからの解放は、基本的には、純利益の認識の考え方です。

純利益は収益−費用ですから、収益と費用にもかかわります。

純利益はネット(純額)ですが、これをグロス(総額)でとらえることもできるでしょう。

リスクからの解放の意味を意識して、純利益、そして収益、費用の定義をじっくりみてみましょう。

今年は、概念フレームワークの構成要素の定義等をからめた出題も予想問題等として昨年よりも散見されます。

実際の出題はともかく、単に定義を覚えるのではなく、しっかりと読み込みましょう。



リスクからの解放がネット(純利益)だけを問題にしているのではないことは、工事契約基準を読んでいるとよくわかります。

あくまでも収益と費用にもかかわるからこそ、工事収益と工事原価の認識の基礎になるわけです。

工事契約基準でもリスクからの解放との関係がでてきます。

というよりも工事契約基準では、リスクからの解放そのままですね。

工事契約基準をしっかり読む上でもリスクからの解放の考え方をしっかりさせておきましょう。