工事契約基準読んでますか?

今回は工事契約基準が何の認識基準かの話です。
企業会計原則では長期工事の「収益」認識に関して工事進行基準と工事完成基準の選択が認められていました。

工事契約基準では、成果の確実性が認められるなら工事進行基準、認められないなら工事完成基準が適用されます。

では、工事進行基準や工事完成基準により認識されるのは「何」でしょうか。

概念フレームワークでは、認識を「構成要素を財務諸表の本体に計上すること」と定義しています。

構成要素は、資産、負債、純資産、株主資本、包括利益、純利益、収益、費用の8つです。

企業会計原則で問題にしていたのは「収益」の認識でした。

工事契約基準では「何」を問題にしているでしょうか?



工事契約基準の14項をみてみましょう。

工事契約基準の14項では、工事進行基準について書かれています。

前半が損益計算書、後半が貸借対照表についてです。

工事収益をどうするかは、収益、費用という損益項目だけでなく、資産や負債という貸借対照表項目にも影響します。

工事契約基準が基本的には、収益認識基準として書かれているわけではなく、損益計算書項目、貸借対照表項目全般に関して書かれている点に注目しておきましょう。

工事収益だけでなく、財務諸表項目全般にわたる認識基準、それが工事契約基準です。

もちろん従来的に収益認識基準と位置づけていても結論が変るわけではありません。

でも、ちょっと意識していないときちんと書くことはできません。

収益だけでなく、費用、資産、負債にも関わる基準であることを意識しておきましょう。


そうだ、会計基準を読もう!!(工事契約基準の対象は、収益認識だけでなく、収益と費用の認識基準だよ♪)


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