(問題)次の文章の正否を○×で示しなさい。

情報の非対称性を緩和し、それが生み出す市場の機能障害を解決するため、経営者による私的情報の開示を促進するのがディスクロージャー制度の存在意義であり、その手段の1つが会計基準である。会計基準が厳密に適用されれば、投資者からの情報要求はすべて満たされる。
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(解説)
会計情報は技術的な制約や環境制約のもとで作成されます。
会計情報だけで投資家からの要求のすべてにこたえることはできません。

企業経営者は企業の情報を持っています。
投資家は少ししか情報を持っていません。
このような保有する情報の格差は情報の非対象性と呼ばれます。
情報の非対称性を緩和するのが会計情報です。

投資家がいわば情報弱者のままでは、投資をする気など起きないでしょう。
信用できない(できるかがわからない)企業に誰も投資はしません。
情報を欲しているのは投資家です。

もっとも投資家は会計情報だけで投資の意思決定を行うのではありません。
それは投資に対する一つの判断材料に過ぎません。
会計情報が提供されれば投資家の要求する(投資に必要なすべての)情報が示されるわけではないのです。


(会計基準等)
・概念フレームワーク第二章15項