リース会計基準、読んでますか?

基準の改定直後には、これまでの取扱いが変わったのはどうして?という出題がされることがあります。

これまで例外処理が容認されてきた理由もおさえておくべきでしょう。
所有権移転外ファイナンス・リース取引には、これまで賃貸借処理が認められてきました。

これはなぜでしょうか?

そのあたりが、基準の32項に書かれています。

やや後ろ向きの内容ではありますが、おさえておきましょう。

32項では2つの理由が説明されています。


(1)我国のリース取引は、賃貸借の性格が強い

(2)税務との関連


(1)賃貸借の性格が強い

同じ名前の取引でも、微妙なニュアンスは国によって異なったりします。

我国のリース取引は、物融などと呼ばれます。

資金の融通(融資)ではなく、物の融通という意味で物融です。

我国のリース取引では、お金を借りて、物を買ったというよりも、物の融通を受けたという側面が強いとはいえるようです。

「物を借りた」という面が他国よりも強いから賃貸借処理も残したらという理由です。


(2)税務との関係

我国のリース会計における規制は、企業会計よりも税務の方が先でした。

税務には税務の考え方があり、また、そこで具体的な数値基準なども用意されています。

つまりは、事前に会計以外の税務がリース取引に根をはり、ここに急に会計が口を出すと混乱のもとにもなります。

リースの業界もリースの税務を考えて、リースの取引を行うでしょう。

つまりは、税務がリースの実務にとても影響している訳です。

基準の改定はかなり難航を極めました。

これもそれまでの実務を一気にかえるようなことをするとリース業界が崩壊などということにもなりかねないからです。

この税務との関連は、実際にリース取引を考える場合には重要でしょう。

ただ、財務諸表論のこれまでの理論の出題でも税務との関連をきく可能性は低いでしょう。

やや、きかれにくいところだと思います。

という訳で、このところは、(1)の賃貸借の性格が強めという点をしっかりと指摘できるようにしておきましょう。



そうだ、会計基準を読もう!!


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