必要にかられて会計の本はよく読みます。

ふりかえると初学のときと読み方が大きく変わった点があるのに気づきます。

それは、一冊の本をしっかりと読むことが減り、ある項目について複数の本を読むことが多くなった点です。
本の読み方は人それぞれ。

常にこんな読み方がよいということはないでしょう。

それでも会計に関していえば、ある意味での効率を追いかけてました。

「短期的な効率」という意味ではなく、かなり長いスパンで考えた場合の効率です。

そんな意識の先にある項目の本をたくさん読むというスタイル(一項目多読)がある。

そんなことを感じます。



ある程度の基礎的な知識のある分野の本の読み方について、特定の項目の記述を多く求めるようになるのには、理由があります。

それは、一言でいえば、「納得したいから」です。

ある項目のある記述に納得できない。

だから他の記述を求める。

それがいろんな本を読むことにつながるようです。

「腑に落ちる」という表現がありますが、単に国語的な意味を捉えるだけでなく、思わず膝を打ちたくなる。

そんな程度に「納得したい」から多くの記述を求めるのでしょう。

そして大事なのは、その納得が長い目で見た場合の効率につながると思っている点です。

これは多分に経験によりますが、部分的にたくさんの本を読む傾向がつく原因はそんなところにあるのではないかと思います。



このようにして得た知識の強みは、覚える、忘れるという感覚とやや異なる点です。

そもそもが納得を目指していて、覚えることを目指していません。

覚えていないから忘れないのです。

忘れないが言いすぎなら明らかに忘れにくいのです。

これを学習に応用できれば強いでしょう。

もっともこんな学習のスタイルを受験にどの程度いかせるかは正直微妙な面があります。

たくさんの本(別の資料)を見るのは時間がかかります。

しかし、特に基礎的な重要項目について、角度を変えてアプローチすることは記憶の定着のためにも極めて有効なのです。

これはインプットやアウトプットのちょっとした変化についてもいえるようです。

同じテキスト等を読むのでも読み方を変える(流して読む。声に出す。部分的にしつこく読む等)。

書き写してみる。

まとめてみる。

資料そのものが同じでもやや異なるアプローチをすることで記憶の定着率が高くなるのが感じられるハズです。



多くの本を読むためには多くの本を用意する必要があります。

ごく一般的な受講生にそれはムリでしょう。

しかし、必ずしも手持ちの材料で多面的なアプローチができない訳でもありません。

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一つの項目についても実は材料は複数用意されていることがわかります。



重要(と思える)項目、関心のある項目だけでかまいません。

角度を変えたアプローチ。

ぜひ実践してみてください。



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