かつて、古本を売るのを手伝っていたことがあり、そのときに売れ筋を知りたくてよくやっていたのが「定点観察」です。

同じ店、同じ時間と条件をできるだけそろえて棚を眺める。

本好きにとって書店で棚を眺めるのは日常的なこと。

しかし、漫然と眺めているだけでは書店のオススメやとてもたくさん売れている本がわかる程度でしょう。

もちろん自分の読む本を探すならそれでいいですが、棚を眺めるのに定点観察をしているとよりいろんなことがわかります。

定点観察でなぜいろんなことがわかるのでしょうか?
定点観察の特徴はできるだけ条件を揃えること。

条件が同じだからこそ以前との違いがわかります。

ちょっとの違いを浮き立たせるのが定点観察の特徴です。

ほとんどが同じなのに一部が違うからその違う部分がよくわかるという仕組みです。



定点観察の利点を学習方法に応用できないでしょうか。

定点観察の利点は、条件をそろえることで違いが浮き立つことです。

これを学習に応用するのは、そんなに難しくありません。

ほとんど同じ状況でちょっとだけ変えてみる。

これでいいんです。

で、その後の効果を実際に試す訳です。

大事なのは、ほとんど同じだけどちょっと変えてみるという発想でしょう。

ちょっと変えるからこそ、その変えた部分の効果を実際に自分で確かめることができるんです。

これが何から何まで変えてしまったらそれでたとえ効果があがっても実際には、何に効果があったのかわかりません。

「総とっかえ」ではなくて、「部分とっかえ」です。




変える部分を大きくする(まるごとやり方を変えてしまう)方には、大きな学習成果が得られていない場合も多いようです。

あっちをやったらダメ。

こっちをやったらダメ。

これではどうにもなりません。

微調整を繰り返す方法なら変えていない部分の習熟がはかれます。

方法をまるごと変えるようでは、いつになっても習熟がありません。

そしてそこからより良い方法へちょこっと変化することもできません。

学習方法を考える上で大切なのは、実は個々の具体的な方法ではありません。

個々の具体的方法がどのような効果をもたらすのかを実感することです。

そしてそれがよい効果をもららす(もたらしそう)ならば、それを継続する。

ダメそうならやめればいいんです。



小さな違いをとらえてその効果を確認する。

自分なりの微調整を考えながら学習をする。

そのためには変動する部分は少しがいいです。

そう、ちょっとずつです。

全部とっかえではなく、部分とっかえを心がけましょう!!