簿記論や財務諸表論の計算でついて回るのが「スピード」です。

特に簿記論では「2時間で解けるかボケ!」(失礼)というような量の出題ですから問題を解くスピードは極めて重要です。

そのスピードを付ける方法を考えてみました。
スピードを付けるには、「ゆっくりを繰り返す」のが一番です。



やや意外に思われた方もいらっしゃるかもしれません。

スピードを付ける方法も実際には、いろいろあるでしょう。

でも、今、多くの方に安心して言えるのは、「ゆっくりをきちんと繰り返す」ことです。



問題を解く時は、だいたい次のような感じで進めていると思います。

(1)問題を読んで、どう解くか考える

(2)実際の処理を進める

(3)まとめる

問題を解くには、(1)読む力、(2)個別の処理の力、(3)集計力が必要ということになります。

そしてそれらが「相互に関連」しています。



人が何かを鍛えるときには、ある程度の意味をもった小さな単位にして、これを繰り返すのが効果的です。

陸上の短距離選手は、例えば100メートルの選手でも100メートルを繰り返している訳ではなくて、スタートならスタートだけといった練習もします(たぶん←するでしょ)。

これはなぜかといえばその方が効果が高いからでしょう。

簿記も同じでポイントをしぼって学習した方が学習効果は高いハズです。

試験では多くが総合問題なのに個別をすすめる方が多いのはそんな事情でしょう。

そんな的を絞った繰り返しで大事なのは、「正しいこと」を繰り返すことです。

間違えたことを繰り返しても意味がありません。

問題を次から次に解いていく場合は、正しいことを繰り返していないことが多いのです。

ある特定の項目(苦手項目)については、「間違いを繰り返し」、「間違いを定着させている」おそれすらあります。

いろいろな問題を無作為にといて散々間違えている方は、この可能性があります。

これを補正するには、同一の問題(これは飽きないのであれば全くの同一問題でかまいません)をゆっくりでもよいので短期間に繰り返すことが重要なのです。

このときに数字の記憶や解き方の記憶に頼ってはいけません。

使うのはあくまでも問題と自分の頭です。

(1)読解力、(2)処理力、(3)集計力のいずれもが相互に関連しています。

それらの関連の仕方も問題によって異なります。

その関連についても繰り返して正しい道筋を追う必要があります。

これも問題をとっかえひっかえでは、定着するハズがありません。



本当は、個々の力やその関連について、パーツごとに鍛えることが可能ならばそれがもっとも効率がよいハズです。

しかし、苦手な部分は人によって異なり、それを意識して行うことはなかなか難しいでしょう。

それに代わりうる、そして合格には充分な方法が「ゆっくりを繰り返す」ことです。

そして合格に必要なスピードも遅れてついてきます。

スピードをつけることを急ぐ必要は全くありません。



並とび(なわとびの一回回し)が余裕で100回できれば二重とびも1〜2回くらいはできます。

二重とびが余裕で100回できれば三重とびも1〜2回くらいはできます。

大事なのはいきなり三重とびの練習をしないことです。

せいぜいがケガをするだけ。

ゆっくりでもよいので地道になわを飛び続ける。

ゆっくりとしかし確実に。

それだけで充分です。