今更という感はあるが、以前から読みたかった本。

著者は「はてな」の取締役も務める梅田望夫氏。

しかし、読んでよかったというのが本当に素直な感想である。

ネットに関心があって、まだ読まれていない方には無条件にオススメ。

以前、「検索とことば」というエントリーを書いた。

一見、映像や音楽が重きを持つかに見えるネットの世界では、「ことば」が極めて重要な意味を持つ。

人が意味を持って認識できるもっとも小さな単位が「ことば」だからだ。

その事をこのブログで身を持って実感している。

その実感が持てるのは、グーグルの存在が大きい。

検索、ではない。

「グーグル」だ。

人が意味を持って認識する「ことば」を機械的にのみ整理するのがグーグル。

他の検索エンジンとの差は大きいと思う。



はじめてインターネットの検索を利用したときにかなりがっかりした記憶がある。

グーグル以外の検索だったが、余りに精度が低かった。

それがグーグルに出会って考えが変わった。

グーグルには、自らの検索、そしてこのブログへの検索での来訪、アドセンスでお世話になっている。

その実感が「グーグルおそるべし」なのである。

他の検索エンジンと「ことば」の感度は比較にならない。

しかし、それは検索の利用者としての実感にすぎない。

グーグルがどれほどのものかを特にネット利用者ではない第三者には伝えにくい。

ネットを「ことば」で制しようというグーグル。

そのグーグルを「ことば」で語ったのが、本書第二章「グーグル−知の世界を再編成する」である。


その本質は、「すべての言語におけるすべての言葉の組み合わせに対して、それらに最も適した情報を対応させる」ことであり、グーグルはこの検索エンジンを手始めに「知の世界の秩序」の再編成を目論んでいると考えればいい。
(同書14頁)


昔から活字が好きだったせいか、今でも「ことば」に過剰な期待を寄せている。

昔からぼんやりと考えることが好きだったせいか、今でも考える先に知の世界が広がっていると思っている。

そのせいか、「すべての言語」の「すべての組み合わせ」に対して最も適した情報を完璧に対応させることなどできない、と思う。

そして、「知の世界の秩序」を完全に再編成することもできない、と思う。

限界は必ずある。

しかし、限界はあるにせよその限界が私の思うラインを超える様を見てみたいとも思う。

その驚嘆を想像させるだけの力が本書にはある。