醍醐聰先生の会計学講義(第4版)のご紹介です。

前版から4年ぶりの改定です。

前版からの主要な改定は、会社法の改正等の制度変革に関する改定以外には、基礎概念に関する第2章、負債会計に関する第10章、そして新たに書き下ろされた終章があります。

今回、本書をとりあげたのは、このうち特に終章に関してです。

終章では、会計学の常識と非常識と題して、通説信仰に対する警笛をならしています。

その意図は、引用されている論語の次の一説によくあらわされています。


「学びて思わざれば、すなち罔し(くらし)、思いて学ばざれば、すなわち殆し(あやうし)」


思考の伴わない知識だけではこれを活かすことはできません。

知識のないままに考えているだけでは机上の空論になりかねません。

通説信仰に対する警笛は、このうちの前者、つまり「学びて思わざ」ることに対するものです。



「自立した知性」は通説に対する懐疑にこそ原点がある。

この著者の指摘に果たしてどれだけの方が共感をいだくことができるでしょうか。

終章では、償却原価法と企業結合会計を題材に通説に対する懐疑をとりあげています。

このところ記述の多かった配当可能額に対してなぜ自分がこれほどまでにこだわるかのもう一つの理由を垣間見た気がしました。

興味のあるかたはぜひご覧ください。




あっ。醍醐先生は、ブログもお書きになっているようです(会計学の記事は少ないです。醍醐先生、もっとたくさん会計学の記事を書いてください!!)。

興味のある方はぜひご覧ください。

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