棚卸資産基準、読んでますか?

棚卸資産基準には、3つの「時価」がでてきます。

今回はこの「時価」を整理しておきましょう。

棚卸資産基準には、3つの「時価」がでてきます。

次の3つです。

(1)(単一市場の)市場価格

(2)正味売却価額

(3)再調達原価


これらはどのような意味を持っているのでしょうか。

時価の意味を把握する前に整理したいのが「市場」(しじょう)です。

市場のあり方には、大きく2つあります。

一つは、誰もが参加できて、そこで売り買いができる市場です。

誰でも(素人でも、プロでも)参加できて、そこで成立する価格は一つです。

典型は、株式市場です。


もう一つは、企業の側からする購入と販売の市場が分かれているタイプです。

この場合の購入の市場には、素人は参加できない場合が多いです。

卸売市場と小売市場というとよいでしょうか。

例えば、消費者が、缶ジュースを買うのは、1本120円です。

企業は、1本120円で缶ジュースを売ります。

実際の仕入値は、例えば1本80円とかでしょう。

卸売市場(購買市場)で購入した商品を小売市場(売却市場)で販売する訳です。

80円(卸価格)→購買市場

120円(小売価格)→売却市場


つまり、市場には、「単一の市場」と「購買市場と売却市場が区別される市場」がある訳です。

こんな関係を想定してそれぞれの時価の意味をしっかりとっておきましょう。


単一市場における「市場価格」(売り買いの区別ナシ)
購買市場の買値「再調達原価」
売却市場の売値「正味売却価額」
です。


(1)市場価格→単一市場

(2)正味売却価額→売却市場(時価−見積原価・販売直接費)

(3)再調達原価→購買市場(時価+付随費用)



そうだ、会計基準を読もう!!(時価の種類をしっかり区別しましょう)



会計基準を読もう!!<目次>