企業会計原則、読んでますか?

今回は引当金(注18)と繰延資産(注15)です。

いずれも静態論のもとでは資産・負債とは考えられず、動態論、つまり適正な期間損益計算を行う目的で計上される項目ですが、両者には大きな違いがあります。

引当金は短くいうと損益計算をちゃんとするための貸方項目です。

まあ、短すぎですが。

くわしくは注解18をご参照ください。

引当金とは何か?と聞かれたときに、注解18をズバリ書いてもダメなんですね。

最後に「貸方項目」でしめるとオッケーです。

借方⇒貸方ってことですね。

この表現も微妙ではありますが。


繰延資産は損益計算をちゃんとするために繰延べられた費用(狭義)です。

価値が減った(発生)という意味では費用なんだけど、なんか損益計算をちゃんとやるためには資産なんです。

資産なら○○費ってつけるなよなって簿記をはじめた頃よく思ってました。

そのうちに違和感がなくなるので不思議です。


さて、この損益計算をちゃんとやるための引当金と繰延資産。

引当金の計上は「する」なのに、なぜ繰延資産は「できる」なのでしょうか?

「する」と「できる」では随分と違います。


「す る」→当然でしょ

「できる」→しなくてもよい


引当金は、会計的負債、繰延資産は会計的資産と呼ばれたりします。

ともに静態論のもとでは登場することなく、動態論のもとではじめて登場する項目といえます。

でも引当金は「する」で、繰延資産は「できる」(容認)なのはなぜでしょうか?



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