(問題)制度上の当期業績主義的利益を区分利益名で示せ。

(解答)
解答は一番下です。


(コメント)
損益計算書に表示すべき利益の考え方には、「当期業績主義」と「包括主義」があります。

期間外損益(特別損益)以外の経常的な損益のみで損益計算書の利益を算出すべきとする考え方が「当期業績主義」です。

短期的な業績をみるには、特別損益を除外した当期業績主義は有益です。

当期業績主義が採用されていた昭和49年以前は、現在の経常利益が当期純利益であって、そこで損益計算書はおしまいでした。

これに対して期間外損益も含めたすべての損益で損益計算書の利益を算出すべきとする考え方を「包括主義」といいます。

現行の損益計算書は包括主義を採用していますが、区分利益で当期業績主義的利益である経常利益を表示しており、折衷的な考え方が採用されていえます。

特別損益項目であってもある程度の長期でみれば、緩やかに繰り返されるものもあり、長期的には特別損益項目も含めて損益計算書を表示すべきというのが包括主義です。

当期業績主義では、キャッシュ・フローと利益が一致せず、長期的な収益力を示す包括主義を基本的に採用し、中途段階で当期業績主義である経常利益を示しています。



財務会計講義<第24版>
・収益・費用の対応表示による利益の段階的計算−区分式:296頁



つながる会計理論<第2版>
・4-5 包括主義と当期業績主義:36頁
・Ch4問題5−2(空欄補充):41頁
・Ch4問題6−1(正誤):41頁
・Ch4問題7−1(現行の損益計算書上の当期業績主義による利益は?)


(解答)
経常利益