(総平均法)
講 師:「それじゃ総平均法は?」

モン吉:「総平均法もですか?あっ、いや独り言です。」

講 師:「総平均法の原価率は出たかな?」

モン吉:「えーっと、総平均法はどうやるんだったかな。」

講 師:「まだかな?」

モン吉:「えっと、最初(期首)の金額と当期の金額を足して(150円)、数量も全部足して(2個)。割って75円っと。これを期末の数量1個にかけて期末も75円。期末は75円です。」

講 師:「原価率は?」

モン吉:「はいはい。面倒じゃないですよっと。売上原価が期首70円+当期80円−期末75円で75円っと。原価75円÷売価100円=原価率は75%です。」

講 師:「この原価率は売価還元法の原価率と同じだよね。」

モン吉:「あっ、そうですね。」

講 師:「もちろん売価還元法はいくつもの商品を対象にしているから状況は違うけど基本的な考え方は総平均法と似ているね。」

モン吉:「同じなんですか?」

講 師:「普通の総平均法は数量を考えるけど、売価還元法は金額だけで考えてるんだ。」

モン吉:「金額だけの総平均法なんですね。」

講 師:「そうだね。だからこの売価還元法は、売価還元平均原価法とも呼ばれるんだ。」

モン吉:「売価還元平均原価法ですか。長い名前ですね。」

講 師:「売価還元平均原価法が総平均原価を算出しているっていう意味はわかったかな?」

モン吉:「小さな金額で全部追いかけてはじめてわかりました。」


(売価還元法の出題のされ方)
講 師:「売価還元法の問題のときは通常は数量は出てこないよね。」

モン吉:「そういえばそうですね。」

講 師:「売価還元法はもともと商品の種類が多くて個々に原価を追えない(追うのが面倒な)場合に採用されているんだ。」

モン吉:「商品有高帳もつけてないんですね。」

講 師:「そうだね。この例では期首が1個で当期が1個と単純にしていろんな方法で算出してもらったって訳さ。」

モン吉:「それでいろんな方法を試したんですね。」

講 師:「売価還元法は数量を追えない、商品有高帳もつけない場合に適用されるから出題でも数量のない問題が多いんだけど。」

モン吉:「でも数量が出ている問題もあるんですか?」

講 師:「そうなんだ。売価還元法の考え方を他の方法と比べて聞くんであれば一つの資料から両方を計算させることもあるよね。」

モン吉:「えっ。そういう普段と違う資料の出方が混乱するんです。」

講 師:「平成18年の税理士試験の第二問 問2がそうだね。平成20年の税理士試験簿記論を受験予定の人は検討の価値がある問題だよ。」



モン吉くんと学ぶ売価還元法(8)

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