【学習時間の目安】
(1)インプット:2時間
(2)問題演習:2時間

【チェックポイント】
(1)「簿記一巡の流れ」の確認
(2)「再振替仕訳」のタイミング(→翌期首。行われていなければ、やる)
(3)「資本振替」(特に個人企業の資本振替が貸方・資本金であることに留意)
(4)「決算整理後試算表」(決算振替「前」)、「繰越試算表」(最終値)の意味の確認


簿記一巡
(1)開始手続
1.開始記入
会計期間の初め(期首)に、勘定上、はじめに行われる「前期繰越」の記入が開始記入です(英米式の場合)。

2.再振替仕訳
前期末の経過勘定項目(前払費用・前受収益・未払費用・未収収益)設定時の逆仕訳が再振替仕訳です。
期首試算表スタートの出題の場合は、必ず行う必要があります。
決算整理型の出題時に経過勘定項目が残っているときは、再振替仕訳が行われていません。
必ず行いましょう。


(2)期中手続
期中手続は、次のような手順で行われます。

取引 → 仕訳帳(仕訳) → 総勘定元帳(転記)


(3)決算手続
1.決算整理前試算表
期中手続が終了し、決算手続の前に作成される試算表が決算整理前試算表です。
決算整理前試算表を資料とした出題がとても多いです。
具体的な問題を解く際には、決算整理前試算表の数字の意味を意識しましょう。

2.決算整理
期中処理が終わった段階で、正しい損益や財産が示されているとは限りません。
期中処理の結果に得られた数値を正しい損益や財産の数値に修正する手続が決算整理です。
具体的な決算整理には、商品勘定の整理、減価償却費の計上、費用収益の見越繰延等があります。

3.決算整理後試算表
決算整理の後に作成されるのが、決算整理後試算表です。

4.決算振替と帳簿締切
 (イ)損益振替
    (借)収益の勘定×××(貸)損   益×××
    (借)損   益×××(貸)費用の勘定×××
 (ロ)資本振替
    個人:(借)損  益×××(貸)資 本 金  ×××
    会社:(借)損  益×××(貸)繰越利益剰余金×××
 (ハ)資産・負債・資本の各勘定の締切

5.繰越試算表の作成
期末に各勘定の次期繰越を集めて作成されるのが、繰越試算表です。

6.損益計算書・貸借対照表の作成
損益勘定を元に損益計算書を作成します。
繰越試算表を元に貸借対照表を作成します。


【チェック問題】オススメ度(◎→○→△、※は参考)
資産・負債・資本・費用・収益の区分 三級編(1)(○)
資産・負債・資本・費用・収益の関係 三級編(2)(○)
取引要素の結合関係 三級編(3)(○)
簿記一巡 三級編(19)(○)
簿記一巡 基本編(1)(◎)
再振替仕訳 ○×編(1)(○)
繰越試算表 ○×編(2)(○)



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