今年の純資産はあやしいです。
とってもあやしいです。
どのあたりを中心に学習すればよいのかをちょっと考えておきましょう。

(1)純資産の部の基本的考え方
まずは、純資産の部の基本的な考え方です。
純資産基準の21項が中心で、出だし1段落あたりはしっかりおさえておきましょう。
資産と負債を固めて、その差額が純資産です。
で、株主資本が重要なのでこれをきちんと区別する。
大きな流れはこんな感じでしょうか。

(2)具体的な項目の考え方
(1)のような理解をもって具体的な項目の表示をきちっと説明できるようにしておく必要があります。
具体的には、新株予約権(純資産基準22項、32項)、非支配株主持分(純資産基準22項、32項)、評価換算差額等(純資産基準33項)は必須でしょう。
それ以外にも純資産基準であがっている項目には、注意しておいた方がよいかもしれません。
純資産基準の23項、24項あたりです。

(3)資本と利益
純資産関連であやしいのが、資本と利益の関係です。
一般原則第三、注解2(1)、自己株式基準60〜61項、純資産基準29〜30項あたりに関連する規定があります。
伝統的には、資本取引と損益取引の区別、そして資本剰余金と利益剰余金の区別の話があります。
この考え方は現在でも維持されていますので、横断的に一般原則や自己株式基準の記述内容との関連はとりあげやすいです。
純資産基準での株主資本と純利益の関係(クリーン・サープラス関係)も視野に入れる必要があるでしょう。

(4)横断的項目
それ以外の横断的項目としては、ストック・オプションや株主資本等変動計算書との関連があげられます。
ストック・オプション基準は、4項、5項、9項といったあたりが中心でしょうか。
費用認識の話は会計学的には大変興味深いです。
余裕のある方は34項(と35項)だけでも読んでおかれるとよろしいのではないでしょうか。
その後も40項あたりまで費用認識の話が続いています。

株主資本等変動計算書は単独での出題の目は小さいでしょうが、ちょろっときくにはいいかもしれません。
6項、8項の取扱いと20項、21項の取扱いの理由は簡単におさえておいた方がよいでしょう。

純資産から負債へのヒネリもありかもしれません。
でも、ここのヒネリは単独での予想は難しいです(項目が多いので)。
負債にもやや慎重に目をとおしておかれるとよいでしょう。