(問題)金融資産の消滅の認識に財務構成要素アプローチがとられるのはなぜか。

(解答)
解答は一番下です。


(コメント)
金融資産は分解等が可能な資産です。

金融資産をバラバラにするような取引が行われた場合に、リスク・経済価値アプローチでは、取引の実質的な経済的効果を財務諸表に表示することができません。

財務構成要素アプローチをとってはじめて実態に即した会計処理を行うことができます。

たとえば手形割引をリスク・経済価値アプローチによって会計処理した場合には、手形期日までは手形代金を支払わなければならないかもしれない偶発債務(保証債務)があるため受取手形という金融資産の消滅を認識することができません。

現金預金95 受取手形100
手形売却損5

という処理を行うことはできず、

現金預金95 借入金95

という処理を行うこととなり(手形を担保とした金銭の借入と考えるます)、受取手形の消滅が認識されず、そのまま受取手形が貸借対照表に計上されてしまうことになります。

金融商品会計基準57項は、じっくりと読む価値アリです。



(会計基準)
・金融商品に関する会計基準57項


財務会計講義<第24版>
・なし

つながる会計理論<第2版>
・8-9 金融資産の消滅の認識:79頁
・Ch8問題5−3(穴埋):85頁
・Ch8問題7−10(短答):85頁
・Ch8問題8−3(総合):87頁


(解答)
取引の実質的な経済的効果を財務諸表に反映させるため