(問題)取得原価主義の損益計算面における欠点を示せ。

(解答)
物価変動時に同一物価水準による損益計算ができない。


(コメント)
取得原価主義によれば、物価上昇時には、インフレによる名目的利益(保有利得)が計上されることになります。

次の例で考えてみましょう。

(1)物価上昇前:原価100円、売価200円
(2)物価上昇後:原価120円、売価240円

物価上昇前に1個仕入
(借)仕入100 (貸)現金100

物価上昇後に1個売上
(借)現金240 (貸)売上240

商品販売益
売上240−売上原価100=140

この商品販売益の内訳
物価上昇により商品が値上がりした部分120−100=20
物価の影響を排除した本当の商品販売益240−120=20


このように原価主義を採用し、売上原価も原価で計算すると損益計算は、物価上昇後の売上240円で計算されます。
売上が物価上昇後の金額なのに売上原価は物価上昇前の金額で、損益計算のバランスは崩れます。

商品販売益には、物価上昇に伴う値上がり益(保有利得)と本来の売却益(操業利益)が混在することになります。


財務会計講義<第13版>
・取得原価:82頁