(問題)動態論のもとで重視されている利害関係者は誰か。

(解答)
投資者(家)

(コメント)
複式簿記の誕生以来、企業をとりまく利害関係者のうち債権者が重視される時代は長く続きました。

しかし、証券市場の発達を受け、企業の資金調達が直接金融(借金)から間接金融(株・社債)に移るとともに利害関係者の中心も投資家にシフトしていきます。

そんな中で登場したのが動態論(動的貸借対照表論)です。

動態論では、貸借対照表を一定時点の売却価値のある財産の一覧表とみるのではなく、企業の継続的な活動を前提とし、継続的な企業活動の動的な断面を切り取った一覧表と考えます。

貸借対照表を清算価値を前提とした静的な状態を前提とするのではなく、あくまで動く企業の一断面をとらえたものとみるのです。

企業はわざわざその有する財産を売却して債務を返済しなくても、本業できちっと儲かっていれば借金も返せます。

利害関係者の関心も所有財産を売却してどれだけ債務が返済できるかではなく、どれだけ儲けて債務が返済できるかに移っていきます。

収益力の表示。

もうける力をきちんと表示すること。

動態論における大きな課題です。

もっとも現実的には、企業も倒産します。

静態論的な考え方が今日、全くなくなった訳ではありません。

しかし、あくまでも企業活動のネライは、利益の獲得にあり、どれだけの利益を獲得したかをきちんと示すことに動態論のネライがあるといってよいでしょう。



(関連問題)
問題7(金商法会計の中心的利害関係者)
問題11(金融商品取引会計の主要機能)