会計基準、読んでますか?

会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。

財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。

平成18年第一問の出題は、実現主義を問う出題でした。

近時、テーマ性のある会計基準からの出題比率が高まっている中での伝統的な分野からの出題です。

実現主義といってもその要件、引渡基準の根拠といった基本的な事項から特殊商品販売の収益認識基準、工事進行基準、有価証券の評価と多岐にわたります。

テーマ性を持ちながらも出題範囲は狭くありません(これがイヤなんですよね)。

最近の出題の特徴でもあります。


解答要求からみる大きな特徴は、理由・根拠が多い点です(5つの枝中の3個、または6つ中3個)。

しかし、同様の理由・根拠といっても段階が踏まえられているように感じられます。

(1)どのテキストにもでているだろう基本的項目(引渡基準)

(2)会計基準を読むうえで疑問が生じそうな項目(工事進行基準)

(3)二つの処理の関係を考えるうえで疑問が生じそうな箇所(実現主義と有価証券の時価評価)



基本的なテキストや会計基準をきちんと読む。

基本的事項をおさえる。

その過程で疑問を持つ。

他の項目との関連を考える。

そんな学習スタイルを望んでいるだろう出題者の意図が汲み取れます(たぶん)。

難易度的にも難解でもなく、かといって容易でもなくとても考えられた良問だと思います(最後の問題は私が考えさせられました。今でも考えてますが)。