概念フレームワークをはじめとする新しい考え方が、公認会計士試験や税理士試験でもじわじわと出題されています。

いま、話題としているリスクからの解放について、これまでに直接的な出題はありません(たぶん)。

ただ、平成18年度 第2問の税理士試験の財務諸表論の出題では、かなりかすった出題がなされています。

これまでも税理士試験では、特に有価証券をめぐる評価ないしは収益の認識については頻出です。

実際の出題については、こちらをご覧下さい。

実現とは何か(9)


財務諸表論の理論は、2題でそれぞれがある程度のテーマ(横断的ではありますが)をもっている事を考えるといかに出題頻度が高いかがわかるでしょう。

そしてついに昨年度の出題では実現概念との関連が俎上にあがりました(配点的には小さそうですが)。

「金融商品に係る会計基準(以下「基準」という。)においては、売買目的有価証券について時価をもって貸借対照表価額とし、その評価差額は当期の損益として処理することとされている。基準で示されたこうした会計処理の根拠を、下線部(ア)で要求された会計処理と関連させながら述べなさい。」

上記出題における下線部(ア)は、企業会計原則の損益計算書原則一Aのただし書で「未実現収益は原則として、当期の損益計算に計上してはならない。」という部分です。

損益計算書原則一Aでは、本文で発生主義を規定しており、ただし書以降が、いわば伝統的な実現主義です。

で、売買目的有価証券の時価評価、評価差額を損益とする取扱いを実現主義との関連で説明しろという出題です。

実際の出題が直ちにリスクからの解放を意図したものなのかについては、私もよくわかりません(むしろ複数の回答を想定しているようにも思えます)。

しかし、伝統的な実現概念(引渡+貨幣性資産の受領)で、有価証券の評価益(損)を説明できないことは明らかでしょう。

伝統的な実現概念を超えた出題が既に実際の税理士試験の出題でなされている点は注目すべきだと思います。

そしてこの問題を出題された試験委員の方が、本年も出題をなさるとすると、横断的な出題の一部に新しい考え方を盛り込むということは、極めて自然に想定されるでしょう。

概念フレームワーク、そしてリスクからの解放について、なんか急にはじめた一つの理由でもあります。


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