会社法上、純資産の部の株主資本間の項目の変動は比較的自由に認められています。
大きな制約は、資本と利益の区別です。
払込資本(資本金と資本剰余金)と留保利益(利益剰余金)をまたぐ変更は、認められていません。
しかし、それぞれの間における変動は比較的自由です。

資本と利益の区別の例外としては損失処理があげられるでしょう。
もっとも繰越利益剰余金は、マイナス(借方残)になっても通常は、そのままです。
以前のように未処分利益と未処理損失(繰越利益と繰越損失)といった使い分けはしません。
損失処理といっても繰越利益剰余金がマイナスのままだとみっともない。
そんでもって、これをその他資本剰余金で補てんしようというケースです。

その他資本剰余金→繰越利益剰余金
(借)その他資本剰余金××× (貸)繰越利益剰余金×××


その他資本剰余金が借方で減少というのは、よいとして、貸方の繰越利益剰余金が微妙かもしれません。
私は、すごく遠回りかもしれませんが、すごくゆっくりでも正確にだせるようにするには、次のような感じがよいのではないかと思っています。

(1)当期純利益が出た
(借)損  益××× (貸)繰越利益剰余金×××

(2)当期純損失が出た(上の逆)
(貸)繰越利益剰余金××× (貸)損  益×××

(3)損失処理(上の反対側)
(借)その他資本剰余金××× (貸)繰越利益剰余金×××

って、何だかなあと思う方は、流してください。