【質問】
外貨のところですが、支払利息や受取利息の換算は、現金を受領したときのHRで換算です。発生主義会計ならばAR換算だと思うのですが、外貨に限っては現金主義なんだと思えばよいのでしょうか?自分のなかでちょっと気持ち悪いところでしたので聞きました。よろしくお願いします。

【解答】
外貨基準では、取引発生時には、取引発生時の為替相場によって換算することになっています。
このような換算は、発生主義会計の「発生」になぞらえるとむしろ忠実な換算方法ではないかと思います。

「発生」という言葉の意味をごく一般的に考えると、利息等は、徐々に発生するので、AR換算がふさわしいのでは?という考えもわからなくはありません。
しかし、伝統的な企業会計での「発生」の意味は、ちょっと独特かもしれません。
企業会計原則の損益計算書原則一Aをみてみますと、収支を「発生した期間に」割り当てるように書かれています。
つまりは、ごく一般的な意味での「発生」をダイレクトに捉えるのではなく、あくまでも収入や支出を「発生」という考え方で割当てろといっている訳です。
測定(金額の決定)の基礎には、あくまでも収支があります。
収支を「発生」という尺度で割当てたのが、発生主義会計ということになるのではないかと思います。

このような考え方のもとで外貨取引も考えてみるとむしろ収支時点(取引時点)の相場で換算するのは、ごく自然なことといってよいのではないかと思います。