「資本剰余金は、資本取引から生じた剰余金であり、利益剰余金は損益取引から生じた剰余金、すなわち利益の留保額であるから、両者が混同されると、企業の財政状態及び経営成績が適正に示されないことになる。従って、例えば、新株発行による株式払込剰余金から新株発行費用を控除することは許されない。」

「資本と利益の区別の原則」の後段では、「資本剰余金」と「利益剰余金」が区別されなければならないことが述べられています。

「資本剰余金」とは、「資本取引」から生じた剰余金をいいます。
「利益剰余金」とは、「損益取引」から生じた剰余金をいいます。
「資本剰余金」と「利益剰余金」の区別は重要ですが、特に「資本剰余金」を「利益剰余金」と混同することへの戒めの意味が強いといえそうです。
「資本剰余金」を「利益剰余金」とし、配当をなすことによる財産の社外流出は、特に会社法会計で重視されている保護の対象者である債権者を害する結果につながります。

(まとめ)
「資本剰余金」は、「資本取引」から生じた剰余金であり、「利益剰余金」は「損益取引」から生じた剰余金であり両者を混同してはならない。
(利益処分取引)
「資本と利益の区別」の原則の狙いは、「資本取引」と「損益取引」の区別を行うことによる正しい財政状態と経営成績の表示にあります。
もっとも後段において、「資本剰余金」と「利益剰余金」の混同を特に禁じていることからもわかるように、「資本剰余金」を「利益剰余金」と偽り、これを配当原資に含めてしまうことに特に配慮しているとみてよいでしょう。
その意味からすると利益処分取引そのものについて、「資本取引」か、「損益取引」かを論じる実益はそれほど大きくはないかもしれません。