「企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない。」
一般原則の第二原則は、「正規の簿記の原則」と呼ばれています。
ただ、「正規の簿記の原則」と呼ばれる文章の中に「正規の簿記の原則」という言葉が入っていますので、この文章そのものは「正規の簿記の原則」ではなく、「正規の簿記の原則」の原則というべきかもしれません。

「正規の簿記の原則」は、正確な会計帳簿の作成を要請する原則です。
正確な会計帳簿の作成が要求されるのは、その成果としての貸借対照表や損益計算書といった財務諸表を正しく作成するためといってよいでしょう。
「正規の簿記の原則」は、帳簿記録に基づく財務諸表の作成(「誘導法」)を要請しているといえるでしょう。

(まとめ)
「正規の簿記の原則」は、正確な会計帳簿の作成を要請する原則であり、「誘導法」による財務諸表の作成が求められる。
(誘導法と財産目録法)
「誘導法」と「財産目録法」は、財務諸表の作成方法の種類です。
もっとも損益計算書は、帳簿記録等に基づかなければ作成できませんので、貸借対照表の作成方法といった方が正確でしょうか。
「誘導法」とは、貸借対照表を帳簿記録をもとに作成する方法をいいます。
これに対して、財産の棚卸を行い、財産目録(財産の一覧表)を作成し、その財産目録から貸借対照表を作成する方法を「財産目録法」といいます。