私の受験時代と今の税理士試験簿記論とでは内容的に随分と変わりました。
もっとも大きな違いは、いわゆる新会計基準にあります。
この新会計基準をはじめとする「変革」を抜きにして今の簿記論は語れません。
会社法の例をあげるまでもなく、今後も変革は続くでしょう。
続くでしょう。
続くんですね(ふーっ)。

もっとも大きかった変革部分(平成12年前後)について、もし、受験当時に接していたら間違いなく苦手意識をもったと思います。
ですのでその克服に役立つかは微妙ですが、私の受験当時に苦手だった項目の話を書き留めておこうと思います。
苦手項目をいかに克服したのか、あるいはしなかったのか。


個別項目で苦手意識があったのは、特殊商品販売と社債でした。

特殊商品販売は、割賦の戻り商品や積送品などに苦手意識があったと思います。
戻り商品についても、積送品についてもですが、知らない間に解けるようになってました(←克服法にならんやろ)。
苦手だった原因は、たぶん解き方にこだわっていたためではないかと思います。
解き方にこだわるというより、解ければよいという形で問題と接していたためといった方がよいかもしれません。

解き方というアプローチのみだと処理方法の分岐がでてくると対応できなくなるときがあります。
不思議なことに処理方法の分岐があって新たな「B法」が出てくると、それまではできていた筈の「A法」すらブレてしまったりしていました。
そんなときは、手前の部分に戻ってじっくりとやってから、問題を解いたりしていると自然と解けるようになっていたと思います。
いったんできるようになると逆になぜ、今までこんなに難しかったのかとさえ思うようになりました。
今でも問題の解き方よりも地味な学習をすすめるのは、こんな経験が大きいのかもしれません。
解き方は、後からいくらでもついてくる。
ホントにそう思っています。

社債については、結局は、問題をきちんと読んでいない(状況を整理していない)ことが、苦手意識の大きな原因だったように思います。
社債関連の処理も所詮は按分なんだと思えるようになると計算そのものはじっくりと取り組めばできないということはなくなっていきました。

もっとも特殊商品販売にしろ、社債にしろ、必ずしもスイスイと解けていたという訳ではありませんが。

いわゆる構造論点には、全般的に軽めの苦手意識があったように思います。
これは問題を最初の方から複数回解くようにしていたため、まず、個別項目の基礎的な部分と典型的な総合問題が固まって、その後に構造論点の学習を進めており、どうしてもやむを得ない面はあると思います。

構造論点で最後まで苦手意識が残ったのが帳簿組織でした。
これは今、思うと明らかに取組み方を間違えていたと思います。
今では「帳簿は理論だ」とうそぶいたりもしていますが、当時は、「ムリ」と思ってしまっていたようです。
あきらめた瞬間に道は閉ざされるもの。
やはり、ムリでした(←そのままかい)。

ただ、数字の関係は追えたので、帳簿が出てきたときは、細かい点は気にしないで、平均キープをこころがけていたように思います。

当時でもっとも複雑になる可能性があったのが本社工場会計でしょうか。
これはメチャクチャ複雑な問題は、平均点も低く、結局は、影響も少ない感じでしたので最後まで残っしまった感じです。

苦手項目は基本的な事項までさかのぼってテキスト読んで、問題を解いてがんばってみる。
それでもダメなら平均を目指すというのが、苦手項目に対する私の全般的な対処法だったといってよいと思います。


私の合格体験記(10)